これまで4回に渡って「自然保育」や「森のようちえん」に関する記事を書いてきました。どの森のようちえんも、心地よい刺激があり、自分が子育てをしながら引っかかりを感じてきたことの答えを見つけたような気がしました。

「子どもが小さければ移住してでも通いたい」と心の底から思っています。残念ながら息子たちは成人していますが…。

ということで今回は、これまで書けなかった森のようちえんの魅力と驚きを、私の主観たっぷりで紹介したいと思います。

■自然の中では、「待つ」ことは難しくない
世の中は大人の時間軸で動いています。どうしても、「早くしなさい!」「○時までにあれをしないとダメよ」と言いがちですが、森のようちえんでお話を聞いた先生や親御さんは、「子どもたちを待つことができる」とおっしゃっていました。

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子どもたちは自分が納得するまで遊んだり、じっくり考えたり、マイペースで行動できるため、自分はもちろん、周りの人も大切にできるようになります。自己肯定感が育ち、思いやりのある子に育つのです。

ではなぜ、それができるのか?

それは、自然の雄大さが、大人もやさしく包み込んでくれるからではないかと思います。

そういえば…、私の祖母の家の近くに川がありました。その川はそれなりに大きかったのですが、朝早くから暗くなるまで、ずっと子どもだけで遊ぶことが許されていました。遊び相手はどんくさい3つ下の妹。何をやっても時間がかかる妹を、自宅ではじれったく思っていたのに、川では何のいらだちも感じず、じっと待つことができました。

「どうして家ではイライラするの?」

幼い私は、そんな疑問を感じていました。あれは自然のなせる業。もう数十年も忘れていたことを、ふと思いだしました。

■森のようちえんにあったのは、自然だけではなかった!
私が抱いていた森のようちえんのイメージは、「自然というフィールドで、自由気ままに遊ぶ子供たち」というものでした。そのバックには、自分が子育て真っ盛りだった時に、「自主保育」を選択した子供たちの姿がありました。小学校に行っても集団生活になじめず、授業中に教室を歩き回る子供たちは、子どもたちの間でも手を焼く存在だったのです。

でも実際に森のようちえんに行ってみると、子どもたちは自由に遊んでいることに変わりはなかったのですが、そこには仲間がいて、ルールがありました。

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困っている子がいたら手を差し伸べる。先生に呼ばれたら声をかけあって集合する。大きい子供は小さい子を助けてあげる。キケンな遊びはしない。キケンなことをしていたら注意する・・・

強制感のない中で自然にできたルールだからこそ、誰もが守り、それがあるから全員が楽しく遊べる。そんな印象が強く心を打ちました。そこには意識の高い保育者の存在が大きく関わっていました。

実際に森のようちえんの卒園時は、小学校ですばらしい集中力を発揮するそうです。

■もうひとつの驚き!幼児教育と自然保育、両方の選択
そしてもうひとつ、大きな誤解をしていました。森のようちえんに通う子供たちは、幼児教育とは無縁なんじゃないかということです。でもこれも、間違いでした。ピアノなどの習い事をしているのは普通で、私の周りの子どもたちと変わらない幼児教育を受けていました。

自然保育と幼児教育は相反するもので、どちらかを選択しなければいけないという考えが、私の中にいつのまにか根づいていました。でも二者択一だと思うから正しい目で判断できていなかったのかもと、今では思っています。実際に森のようちえんを見ていると、もっと自由な発想で子どもと向き合うことが何より大切なんだと気づかされました。

改めて考えてみると、自然との関わりを大切にしている幼稚園や保育園は増えています。それを一歩進めたのが自然保育なわけで、自分のちょっとした勘違いに気づかせてくれた子どもたちの笑顔に感謝しています。

■森のようちえんは、これからどんどん広がっていく
世界で注目されている森のようちえんですが、日本でも積極的に取り組むところが増えてきました。例えば長野県では「信州型自然保育」として、県が独自の審査基準を設け、園を認定する制度をスタートさせました。

そのポータルサイトを見ると、それぞれの園での取り組みや保育方針が紹介されているのはもちろん、保育者や親御さんのリアルな声を見ることができます。

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「信州 やまほいくの郷」
http://www.shizenhoiku.jp/

自然保育や森のようちえんに興味を持ちつつも、漠然としたイメージしかもっていない人も多いはず。未就学児がいる親御さんはもちろん、「森のようちえんで働いてみたい」と思っている人の中にも、情報不足で踏み出せない人もいると思います。

そんな人はぜひ一度、ポータルサイトをのぞいてみてください。

雄大な自然とのふれあいは、子どもの心を育てるだけでなく、親の心も豊かにしてくれます。もっとゆとりを持って子育てをしたい人は、ぜひ自然保育へ。そこには優しい気持ちになれるたくさんの真実があふれています。

NATURES. 編集部 キュレーター
自然の中で自由に遊ぶ息子を見たくて、週末キャンプに出かけていたのは遠い昔。キャンプでは食事と酒にこだわり、動けなくなるほどに食べてしまいますが、楽しければそれでいい。虫がいなけりゃもっといい。コンクリートだらけの世界で生きながら、自然の偉大さを想っています。

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