スキーやスノーボードなどウィンタースポーツが大好きな人たちにとって雪は待ち遠しいものです。しかし、自然はそんな人間の希望なんか知ったことではないとばかりに、スキー場に出かけるのを困難にするほどの大雪を降り積もらせたかと思えば、全く雪を降らせないこともあります。冬なのに雪がない荒涼としたスキー場を見ると、何だか切ない思いが込みあげますよね。

そんな時に大活躍してくれる助っ人が、スノーメーカー(snowmaker)なのです。「人工雪を降らせるマシン」を意味する場合もありますが、「マシンを操り人工雪を降らせたり、管理したりする人」を指す場合もあります。

今回は、後者の方のスノーメーカーとしてHunter Mountainで働くブルースさんの日常と、実際に人工雪を降らせる様子をご紹介しましょう。

この動画は米ニューヨーク州にあるリゾート地、Hunter Mountainの様子です。今でこそ大雪に見舞われているニューヨークですが、2015年のクリスマスイブには異常な暖かさを記録するなどし、気温が高すぎて人工雪を降らすこともできない状況でした。

しかし、気温が氷点下を記録するようになると、スノーメーカーたちは一斉に動き出します。スノーガンを使って少しの水と空気を混ぜ空中に噴射し、人工雪を積もらせるのです。スノーガンには多くの種類が存在し、高い位置から雪をまき散らすタイプ、まるで消防ホースのように先端から大量の雪を噴射するタイプ、右に左に首を振りながら広範囲に雪を降らせるタイプなど、様々なタイプを併用しながら雪を積もらせてゆくのです。

ブルースさんのインタビューによると、スノーメーカーの一日は朝の5時から始まります。まだ夜が明けきれてない時間帯から必要に応じてマシンを操り、雪が足りなければひたすら雪を降らせます。

スキー場の至るところに置かれたスノーガンから一斉に雪が噴射されると、たとえ空が真っ青に晴れていても、まるでキリやモヤのように雪が視界を遮ります。山全体を見渡せば山肌がはっきりと確認できるほど降雪量が少ないのがわかりますが、人工雪を降らせた場所だけは別世界で一面真っ白に染まっています。それこそがスノーメーカーたちが働いた証なのです。

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彼らは夜の7時までスキー場に滞在します。ただし、どこか一か所にじっと留まっているわけではなく、山中を歩き、スキーをしながらスキー場全体を見渡して一日を過ごすそうです。ブルースさん曰く、スキー場が職場であると同時に生活の場そのものでもあるそうです。

スノーメーカーの一日はとても長いにも関わらず、疲れた様子をブルースさんから感じないのは、自然のなかに仕事と生活をうまく融合させて日々を楽しんでいるからなのでしょうか。雪の少ない時にもウィンタースポーツを楽しめるのは、まさに彼らのお陰なのでしょうね。

日本も2月下旬に差し掛かり、木々や花の様子から少しずつ春の訪れを感じる季節となりました。ウィンタースポーツシーズンが終わってしまう前に、雪を求めてどこかに遊びに出かけてはいかがでしょうか?

《参考URL》
Hunter Mountain Turns on the Snow Guns for the 2015-16 Season!
HOW SNOWMAKERS CONTROL NATURE|THRILLIST
(意訳:菊地薫)

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