新島はリゾートアイランド? ちょっと変な島を巡る【新島編:1】より)

【島の人に会う】
『新島の人』は、新島の観光ポスターにもなったプロボディボーダーの佐藤晃子さん。観光で来た新島でボディボードにはまり、世界でも活躍するトッププロに(2011年 IBA World Tour 年間総合ランキング11位 日本人最高位)。新島で知り合った旦那さんとともに移住組で、現在は絶賛子育ての真っ最中。二人で住む場所を考えた時、新島以外での生活は考えられなかったんだとか。「120%海生活、島生活楽しんでます」とのこと。

プロボディボーダー 佐藤晃子さん
プロボディボーダー 佐藤晃子さん

オフィシャルサイト『from the island…

新島は世界大会も開かれるサーフィンの聖地。そんな海に憧れ、新島で波に乗ることを目的に練習をするサーファーも多いんだとか。佐藤さんによると、新島はいい『割れた波』がくるんだとか。割れた波とは、サーファー用語で「サーフィンに適した波」という意味。沖の方で波が早めに割れる千葉や湘南といった海と違い、新島は波が割れるのが陸に近く、非常にいい波なんだとか。

そんな話を聞いてしまったら、当然その波が見たくなる。「ぜひその波に乗っているところを撮影させてください」とお願い。ドローン隊も上空から狙うと張り切っている。サーファー憧れの波が楽しみだ。

【日本一有名な『シーックレット』?】
朝、羽伏浦のメインゲートで待ち合わせる。「シークレットの先に行きましょう」と佐藤さん。シークレットだけでも「?」なのに、さらにその先とは…。『シークレット』はメインゲート下の『羽伏浦正面』から南へ進んだポイント。「なんでシークレットって呼んているんですか?」と伺うと、「昔は地元の人だけが知る秘密のポイントだった」とのこと。道の整備もされていなかったので、崖をつたって行ったんだとか。「自然が相手のスポーツということもあって、サーファーはいい波の来るスポットを隠しておきたいんですよ(佐藤さん)」。なるほど、そういった意味でも「シークレット」なのか。日本各地に地元サーファーが内緒にしているポイントはあるんだとか。隠しておきたい気持ちはなんとなくわかる。

そんなシークレットも、現在は「日本一有名なシークレット」として知られていて、世界大会もこのポイントが舞台。丁寧に案内板もしっかり出ている。

とてもわかりやすい案内版w
とてもわかりやすい案内版w

今回はその先。シークレット入り口近くまで車で移動。海岸への階段を下って、南へ徒歩20分ほど進んだポイント(車でも行く方法があるが、レンタカー不可。砂浜を走るので、4WDじゃないと行けない。詳細はサーフショップなどに確認を)。朝早かったが、すでに数人のサーファーが波に乗っている。「今日はそれほどいい波じゃないですねえ」と佐藤さんは言うが、未経験者にとっては十分高い波がきている。「じゃあ行ってきます」と海に入っていく佐藤さん。実にカッコイイ。

自然相手のスポーツであるサーフィン・ボディボードは、自然の一瞬のご機嫌をいかに伺うかということなのかと思う。こちらは準備万端でもいい波がきてくれなかったり、いい波が来たときにこちらがうまくそれを捉えれなかったり。その両方がうまくいった時、素晴らしいパフォーマンスが生まれるのだろう。自然とのコラボレーション。

佐藤さんが波に乗る、ドローンでの空撮映像はこちら!

新島 2016 from MPO Labs. on Vimeo.

【自然の厳しさが作った絶景『白ママ断層』】
羽伏浦海岸は、新東京百景に指定も指定されている、白い砂浜と青い海、そして白い断崖が延々と続く海岸。海と砂浜も綺麗だが、火山灰層が露出した真っ白な断崖絶壁は圧巻(崩れる危険があるので注意)。その景色は、イギリスの海岸線を思わせる絶景。海と白い断崖のコントラストに圧倒される。さらに南に進んだ先には『白ママ断層』と呼ばれる新島の名勝があり、白い地層が高さ30~250mの地層が約7kmに渡ってむき出しになっている(海上及び上空からしか、正面で見ることができない秘境)。

どこまでの続く、白い砂浜と白い断崖
どこまでの続く、白い砂浜と白い断崖

壮大な景色の中で、波という厳しい自然と戦いながらもシンクロするサーファーたち。「ライトな自然が楽しめる」と感じた新島とは違う姿。そんなことを思いながら、白い断崖の前で青い海を見ながら、おじさんはビールを飲む。

白い断崖とビールおじさん
白い断崖とビールおじさん

【そんなわけで…】
綺麗な海と白い砂浜、そして温泉を持つ、観光客に優しい新島。印象はどこか地中海を思わせる洋風の島。そんな島に並ぶモヤイ像。尖っているようで、なんか可愛い、奇妙なリゾートアイランド。
そして、長く続く白い断崖絶壁の壮大な景色を作り出した、太平洋からの厳しい波と風。その波と風と戦いながら、そして協力しながら波を楽しむサーファーたち。
優しさと厳しさという自然の両面をこの島では見られる。自然の優しさに包まれるのもいい。自然の厳しさを感じるのもいい。その両面と『奇妙さ』というアクセントがコラボレーションしているのが、新島なのかと感じる。

『優しさと厳しさと奇妙さと。コラボレーションアイランド・新島』

新島の観光情報は『新島観光協会』Webサイトから。

メインゲートでビールおじさん
メインゲートでビールおじさん

次回は「式根島編1」。伊豆諸島最小の島を巡ります!

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