【大型客船・橘丸でのクルーズ】
今回の船旅も、もちろん東京・竹芝桟橋からスタート。八丈島に誘ってくれるのは大型客船『橘丸』。黄色と緑のカラーリングが鮮やかな、2014年に就航を開始した新しい船。竹芝と三宅島・御蔵島・八丈島の伊豆諸島南側3島を結ぶ。快適な船旅になりそうだ。

いつものように窓口でチケットを引き換え、チケットに名前を書いたら(乗船前に記入しておく)、のんびりターミナルで出航を待つ。竹芝桟橋は『東京湾納涼船』に乗った浴衣姿の若者で賑やか。今や夏の風物詩。そんな今日の竹芝ターミナル。

22:30の出航に向けて、橘丸乗船の列に並ぶ。夏休み直前ではあったが、乗船客はそこそこといった感じ。繁忙期に向けて、嵐の前の静けさといったところか。さて、乗船開始(チケットの半券は下船時に回収するので、大事に保管を)。乗船タラップをくぐれば、気分が一気に島モードになるのはいつものこと。

レインボーブリッジをくぐる橘丸
レインボーブリッジをくぐる橘丸

夜の東京湾を進む橘丸。風も弱く波も穏やかで、揺れも少ない。となれば当然甲板飲み会。夜景をつまみに、明日からの打ち合わせをしながら夜は更けていく。橘丸の二等船室は、細かく部屋が区切られ、隣との仕切りもあり、他の乗船客があまり気にならず快適。レストランやラウンジ、シャワーなども充実した船の乗船レポートは、改めて別の記事で。これからの旅へ期待を膨らませながら、眠りにつく。

東京湾の夜景
東京湾の夜景

八丈島までの船に関する情報やチケットの予約は、「東海汽船Webサイト」から。

【2つの山が連なった、ひょうたん型の島】
三宅島、御蔵島を経由して、八丈島には朝8:50に到着予定だが、三宅島到着の5:00に船室が一旦明るくなる。ぐっすり八丈島まで寝ていたい場合は、アイマスクや耳栓の用意をしておいた方がいい。
甲板から八丈島を見ると、ひょうたん型と言われる2つの山が連なった姿が見える…はずなのだが、その2つの山には灰色の雲がしっかりとかかっている。雨模様が予想されるが、雨が多いと言われる八丈島を体感できるチャンス。「そんな日はそんな日」ということで、そんな天候もおもしろいのではと考える。そんなポジティブさが我々取材班のいいところw

雲につつまれる八丈島
雲につつまれる八丈島

上陸した八丈島は、道沿いに赤いハイビスカスやヤシの木が並び、南国感が満載! どことなく沖縄の島を思わせる。黒潮の影響を受ける海洋性気候のこの島は、高温多湿で風が強く、前述したように雨が多いのが特徴。「常春の島」とも言われている。なるほど、ちょっとジメッとした暖かさを感じる気候のようだ。

道沿いに植えられたハイビスカス
道沿いに植えられたハイビスカス

八丈島は伊豆諸島の中では伊豆大島に次ぐ大きな島。2つの山へのアクセスも考えると、島での移動はやはり車がいいだろう。路線バスもあるが、いろいろ回りたい場合はレンタカーの検討を(八丈島観光協会:島内の交通手段)。
2つの山に挟まれたひょうたんの凹んだ部分に、「三根」「大賀郷」という大きな集落がある(三原山の麓にも「樫立」「中之郷」「末吉」という小さな集落がある)。まずは集落のスーパーで買い出しをして、八丈島のスポット巡りをスタート!

【スポットを巡る:三原山(東山)】
雨模様で海が荒れているとの情報で、山のスポットを中心に回ろうと計画を立てる。
まずは、島の東側にあることから「 東山」と呼ばれる三原山方面に向かう。『三原山』は標高700m。10万年以上の歴史を持ち、伊豆諸島の島には珍しく川や滝が多く、樹木が生い茂る山。豊かな自然体験が待っている予感。

雨は、激しく降ったり、小雨になったり、止んだりを繰り返す。島全体が霧がかかっているようにも感じる。そんな天候の中、道を下から見ると龍が天に登るかのように見えることから『登龍峠(のぼりょうとうげ)』と呼ばれる、絶景スポットに向かう。八丈富士と八丈小島、集落が一望できるという、新東京百景にも選ばれたスポットだが、全体的にグレーの雲に包まれている。晴れた時の景色が見たいと思いながらも、風に流される雲の切れ間から、集落や海が見える景色はなかなかにいい。

登龍峠。ちょっとだけ八丈富士の裾が見える
登龍峠。ちょっとだけ八丈富士の裾が見える

車を走らせて次に向かったスポットは『裏見ヶ滝』。滝の裏側を通れるというこのスポットは、珍しい景観ということで、多くの観光客が訪れる。森の中の整備された遊歩道を進む。小雨も混じりしっとりとした森は、ジャングルのようだ。整備はされているが、行く場合はすべりにくい靴がいいだろう。10分ほどで落差20mほどの滝が見えて来る。

裏見ヶ滝
裏見ヶ滝

雨のせいか、激しく水が落ちている。濡れずに裏を通るのは難しいほど。ちょっと水しぶきで濡れるが、そんな中での一杯も悪くない。

裏見ヶ滝とビールおじさん
裏見ヶ滝とビールおじさん

裏見ヶ滝の近くに、水着着用で無料の温泉『裏見ヶ滝温泉』がある。景色もいいし、シャワーなどの設備も整っているので、裏見ヶ滝散策の後は足を伸ばしてもいいだろう。

裏見ヶ滝温泉
裏見ヶ滝温泉

三原山の周囲には、他にもいくつか温泉施設がある。料金も手頃なので、温泉のハシゴというのも面白いだろう(『温泉周遊券』もある)。海を見ながら入れる無料の足湯『足湯きらめき』 は、ちょっとした休憩にオススメ 。景色が抜群の露天風呂がある『みはらしの湯』は、奇数偶数で男湯女湯が入れ替わるので、露天風呂に入りたい場合は事前にチェック(片方に露天風呂がある)。詳しくは八丈島の温泉情報を確認。

みはらしの湯
みはらしの湯

足湯きらめきでドローン撮影をしていると、「初めてドローン見た!」と、地元の漁師だという若者に声をかけられる。「波が高いから漁は休みなんです」とのこと。気軽に声をかけられることが多かった今回の取材。島民との距離の近さを感じる。

海のアクティビティも見てみよう」と、八丈島の海水浴スポット『乙千代ヶ浜(おっちょがはま)』へ。岩場に囲まれた海岸で、黒潮に乗って多くの魚が集まる。人工の潮溜まりやプールもあるので、子供も楽しめる。ただこの日は大荒れ、力強い海を感じただけで撤退w

乙千代ヶ浜の人工の潮溜まり
乙千代ヶ浜の人工の潮溜まり

【スポットを巡る:八丈富士(西山)】
ずっとかかっていた八丈富士の雲が取れそうな気配。天候も回復傾向。このタイミングを逃してはと、車を八丈富士に向ける。
島の西側にあり「西山」と呼ばれる『八丈富士』は、標高854mの、その名の通り富士山のような円錐形をした、綺麗なフォルムの山。こちらは数千年前に活動を始めた新しい火山(一番近い噴火の記録は1606年)。三原山とは違う魅力がありそうだ。

「天候回復!」と向かったものの、近づくにつれて再び八丈富士は雲に包まれていく。標高が高くなるにつれて、雨も降り出してきた。急に山頂付近が雲に包まれていくのは伊豆諸島でよく見る光景だが、なかなか思い通りにいかないと思いながらも、そんなところが島旅の面白いところ。

八丈富士は火山丘をぐるっと回る『お鉢巡り』が有名だが、この天候では断念をせざるを得ない。周遊道路を回りつつ、恨めしく山頂の眺める。

雲に包まれた八丈富士
雲に包まれた八丈富士

夕刻が近づく。山頂付近はまだ雲がかかっているが、麓付近は晴れてきた。「これは夕日が期待できるのでは!」と盛り上がるスタッフ。カフェで時間を調整し、日没時に南原千畳敷へ。
『南原千畳敷』は八丈富士が噴火した時の溶岩流が広がる海岸。ゴツゴツした岩肌が、新しい火山ということが感じさる景色。
天候には恵まれなかった1日だったが、最後に夕日という贈り物で帳消し。風は強いが、ずっと見ていられる絶景。

【2つの性質の違う自然を持つ島】
天候に左右されたが、「高温多湿で雨の多い」という八丈島の特徴を感じることができた1日。

2つの山が連なった島である八丈島。さほど距離が離れているわけではないのに、その性質は大きく違う。
10万年という歴史があり、多くの水をたたえ、その歴史と水でできたスポットを持つ『三原山』。
堂々としたフォルムでそびえ立ち、美しい展望を見せてくれる『八丈富士』。
この性質の違う2つの山を持つ八丈島は、どちらもダイナミックで美しい自然を見せるだけでなく、性質の違う自然体験させてくれる。そんな贅沢な島。

ただその自然は、ガイドブックやWebサイトに載っているスポットをざっと回っただけでは、八丈島の自然のほんの一部しか体験できていないのではないかとも感じた。別の言い方をすれば、さらに踏み込んでみれば、全く違う姿を見せてくれるのではという自然なのではないかと予感させる。1日で帰ってしまってはもったいない島のようだ。明日以降が楽しみ。

『八丈富士と三原山、2つの自然を楽しめる贅沢な島・八丈島』

八丈島の観光情報は「八丈島観光協会」Webサイトから。
あ。念のため言っておくと、「八丈島に野生の『キョン』はいないw」(八丈植物公園内で飼育されている)。

日没近づく八丈小島
日没近づく八丈小島

次回「八丈島編2」。そんなわけで、八丈島の自然にさらに踏み込みます!

Nature Service 正会員 島事業リーダー 酒と音楽をこよなく愛する自由な情報設計者。島での楽しみ方は素潜り。綺麗な海を見ると潜りたくなって仕方ないらしい。潜った後のビールと、民宿のご飯が大好物。ビールおじさん。

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