「自然に触れる」というと、人里離れた山奥に行くことを想像する人が多いと思います。札幌市は190万人都市でありながら周囲に原生林が残り、オフィス街から車で30分も走れば、キタキツネやエゾリス、場所によってはヒグマまでもが生息する野生のエリアに行くことができます。午前中はスーツを着てオフィスで仕事、午後は有給休暇を取って自然の中を散策なんてことも可能なのです。そんな遊び心をシミュレーションしてみました。

(筆者撮影)

PM12:00
いつもの地下鉄通勤ではなく、この日だけは自家用車で通勤。午前中の仕事を終えてランチへ繰り出す同僚に手を挙げてパーキングへ急ぎます。円山公園、旭山記念公園、西岡公園、野幌森林公園など、札幌近郊には中心部から30分以内に行ける自然公園がいっぱい。休日は家族サービス、平日は仕事漬けの毎日に刺激を与えるため、午後から有給休暇を使って自然公園をトレッキングするのが、ささやかな楽しみです。

PM13:00
公園のパーキングで、スーツからフィールドジャケットに着替えます。リュックを背負い、準備完了。散策路に向かいます。時折すれ違う年配のハイカーに軽く会釈をすると、ほんの1時間前まで仕事をしていたことが、遠い昔のように感じました。

アカゲラ(筆者撮影)

PM13:30
木製の椅子に座り緑に包まれながらコンビニで買ってきたおにぎりを広げます。デスクワークをしながら頬張っているものと同じものとは思えないウマさ。ゆっくりと噛みしめて味わいます。空を見るとアカゲラがせわしなく巣にエサを運んでいます。きっと巣立ちが近いのでしょう。

 PM14:30
散策路を進むと、森の奥から「カサカサ」という乾いた音が聞こえてきました。自然の動物に出会いたいのなら森に入り込まず、自らの気配を消して五感を研ぎ澄ますこと。目を凝らすとエゾリスが木の実を食べているのが確認できました。ズームレンズを装着し、脅かさないようにシャッターを切ります。いい写真が撮れました。

エゾリス(筆者撮影)

PM15:30
葉っぱの上には、カタツムリやテントウムシ、青虫などの営みがあります。生き物たちの亡骸や枯れ葉は、バクテリアなどに分解されて土に帰り、草花のための養分になる。野鳥が食べた木の実はフンとなり、新しい場所で植物が育つ。森には無駄なものなど何一つなく、すべてがリサイクルされていることがよくわかります。

PM16:30
ひと時の散策を終えて住宅街に出ると、真っ赤な夕日が街を照らしていました。わずか数時間の冒険に気分はすっかり満ち足りています。家に帰って名前が分からなかった生き物たちを調べてみようと思います。

(筆者撮影)

今回は札幌の話でしたが、首都圏や京阪神の近郊にも自然を感じられるスポットがあり、少しの工夫によって気軽にトレッキングすることができます。コンクリートの中に籠って息を詰まらせてばかりいず、わずかな休暇を使ってリフレッシュしてみませんか?

フリーライター&フォトグラファー
運動神経が鈍いためスポーツは苦手ながら、アクティブに動くのは大好きなマルチライター。「自然をリスペクトする」をポリシーとし、夏はキャンプやツーリング、冬はスノーバイクなど、誰でもできるレクリェーションをチープに楽しんでいます。

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