北極地方やシベリア・カナダ・アラスカではスノーモービルが普及するまで、動物にソリを引かせて運搬するのが主流でした。映画・南極物語でも、2頭のカラフト犬が越冬隊のそりを引いていましたね。外国のイメージが強い犬ぞりですが、北海道ではいくつかの町でレースを開催しています。そのひとつ、恵庭市で行われた大会に行ってきました。

笑いが溢れるホノボノレース

えにわ犬ぞり大会は、毎年1月下旬から2月の初旬の土日に郊外の「えこりん村」で開催。筆者が行ったのは6回目でした。さまざまなレギュレーションに合わせて11時から14時までレースが行われます。

ルールは一組ずつスタートして一周する時間を競うタイムトライアル。犬6頭で7㎞もの距離を走る「6Dog白い恋人カップ」から、犬1頭に100mの距離を引かせる「1Dogジュニア・シニア」、犬の数に制限を設けない「オープンクラス」など、バラエティに富んだプログラムが用意されています。

会場の様子(筆者撮影)

レースの勝敗はマッシャー(操縦者)のテクニックのみで決まるわけではなく、犬の気分、犬の好奇心によって大きく左右されます。スタート直前から観客に愛想を振りまき、なかなか走り出さない犬や、全力で疾走したもののゴール手前で力尽き、座り込んでしまう犬もいるため、タイム争いは予断を許しません。

犬と人の駆け引きが勝利を呼ぶ

けん引する犬が多いほど力強い走りができるわけではなく、統率を取るのに苦労し、なかなかスタートできない場面も見られます。最大14頭で走る姿は圧巻。遠くに恵庭岳がそびえ、日本とは思えない光景を浮かび上がらせています。

表彰はあるもののピリピリした感じはなく大会を楽しもうという雰囲気が参加者から伝わります。今回は96チームが参加したそうですが、そんなに愛好家が多いとは驚きです。ちびっこから上は70代のシニアまで参加し、幅広い年齢の方が楽しまれていました。

恵庭岳が奥にそびえる(筆者撮影)

犬ぞり体験しました

大会を見ていると、自分も犬ぞりに乗ってみたくなるもの。北海道内各地では冬のアトラクションとして犬ぞり体験ができるスポットがあります。しかし料金は約150m走行で1500円など少々高め。えにわ犬ぞり大会では、大会終了後に無料試乗会が開催されるので、是非参加してみてください。

なんと今回、10人限定の試乗会に当選しました。「早く走らせろ」と興奮気味な犬2頭に引っ張られスタート。犬が蹴る躍動感がたまりません。これまで乗ったことのある乗り物とはまったく違う感覚です。わずか100mのコースなため、すぐにゴールしましたが、とても楽しいひと時でした。

日本で数少ない犬ぞりレース。本州から見に来る方も増えているようです。ドアの向こうには、家にこもってテレビを見ているより何倍も楽しい世界が待っていますよ!

《参考URL》
えこりん村 | 公式HP

1件のコメント

  1. 大変お褒め頂き内容で有難う御座います又観戦しに来て下さい、見に来て楽しい大会にするように努力して行きます有難うござい。

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