カナダ、ブリティッシュコロンビア州にあるちょっと風変わりな湖。その名もスポッテッドレイク(Spotted Lake)。普段は、他の湖と同じように水に満たされていますが、気温が上昇する夏ごろになると湖の水が干上がり、まるで水玉模様のような”スポット”が表れるのです。今回は、そんな珍しい自然スポットをご紹介しましょう。

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スポットが形成される理由

スポッテッドレイクは、硫酸マグネシウム、カルシウム、硫酸ナトリウムといったさまざまなミネラルが高濃度に含まれる湖で、その豊富なミネラル分は第一次世界大戦中の弾薬製造にも使われるほどだったそうです。

水玉模様のような”スポット”が表れるは夏の高温期。普段は水に満たされている湖も、6月から9月ごろまではほとんどの水が蒸発してしまいます。しかし、蒸発しないミネラル分がそこに残ることで、まるで水玉のようなスポットが多数形成されるのです。

スポットの色は一色ではなく、残されたミネラル成分によって色が異なります。白、淡黄、緑や青といった、ミネラル成分によって異なるさまざまな色のスポットが表れ、なんとも不思議な見た目の湖となるのです。スポットやその周囲は、主に硫酸マグネシウムで形成されているため、夏には結晶化され、周囲を歩けるほどの硬さとなります。ただし、かつてはスポット周辺を歩くことが可能でしたが、現在は道路から眺めるだけとなっています。生態系や文化的価値の観点からも、湖の保全が必要と判断されたようです。

先住民が守り抜いた自然

世界各地の貴重な自然が、破壊や汚染などの危機に瀕していますが、スポッテッドレイクも例外ではありませんでした。この地域には先住民がおり、何千年ものあいだ、痛みや病気を治癒する湖として、スポッテッドレイクの水や泥を利用してきたそうです。ところが、この地一体を所有していたアーネスト・スミスという一家が、1979年、湖にスパを作って商業目的として利用しようとしました。

先住民からすれば、病気を癒す神聖な地。なんとかこの事態を回避するために、多くの議論が交わされ、20年にもわたる論争が繰り広げられたそうです。最終的には、先住民らが22ヘクタールという広大な土地を買い取り、この湖や周辺の自然を守ることに成功。彼ら先住民たちのおかげで1つの自然が守られ、現在の姿を維持できているのです。

今回はスポッテッドレイクという1つの湖を取り上げましたが、この湖が位置するブリティッシュコロンビア州には、その他にも大自然がたくさんあります。アウトドアアクティビティ豊富な地なので、スポッテッドレイクと共に、いつしか旅してみたい都市の1つとしてみてはいかがでしょうか?

《参考URL》
Spotting the Spotted Lake|Shop Cool Stuff
Spotted Lake, Canada|Amusing Planet
Kaushik(意訳:菊地薫)

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