みなさんは「渡り鳥」と聞いて、どんな鳥をイメージしますか?

冬を日本で過ごし、暖かくなると北を目指すオオハクチョウやマガモ。反対に、夏を日本で過ごし、繁殖が終わると南に向かうツバメやアマサギなど、一口に「渡り鳥」と言っても、四季を通して様々な鳥を見ることができます。今回は札幌近郊で渡り鳥を見ることができるスポットを尋ねてみました。

これまで250種類もの野鳥が確認されている苫小牧市のウトナイ湖は、渡り鳥の中継地として日本屈指の規模を誇ります。湿地を保護するための国際条約である「ラムサール条約」に登録されているため、釣りをすることも許されません。

ウトナイ湖|筆者撮影

1年を通して水鳥を見ることができますが、渡り鳥が来るのは9月ごろから。カモ類・ガン類の第1弾が到着すると、湖が賑やかになり始めます。

10月にはコハクチョウが羽を休めます。慌ただしく飛び去ってしまうので、午前中の早い時間に訪れるといいでしょう。12月から3月ごろにかけてウトナイ湖は凍結しますが、数羽がそのまま残って寄り添うように過ごしています。

一時、敷地内で餌を売る人がいたようですが、生態系を崩す恐れなどから餌やりは禁止されています。野鳥のことを考えて、そのまま見守ってください。

近くにはネイチャーセンターがあり、ウトナイ湖の成り立ちや野鳥について知ることができます。また、望遠鏡もありますので、遠方の水鳥を見るのに最適です。ぜひ立ち寄ってみてください。

三重湖には、春になると渡り鳥が|筆者撮影

空知郡南幌町にある三重湖は、知る人ぞ知る穴場スポットです。夏はキャンプ、冬はワカサギ釣りで賑わいますが、春は渡り鳥の集まる憩いの場と化します。3月の下旬から4月にかけて湖の氷が解け始めると、それまで姿を消していた鳥たちが現れ始めます。

この辺りは畑や水田が多いことから野鳥が多く、何気なく空を見上げれば、飛び交うカモの群れを見ることができます。鳥たちは音に敏感で、少しでも近づくと飛び去ってしまいます。写真を撮るならバズーカ―砲並みの望遠レンズが必要ですね。

札幌でも渡り鳥を観察することができる|筆者撮影

郊外のみならず、札幌市中心部や近くの公園でも渡り鳥を見ることができます。動物園が近い円山公園の池には、7月ごろまでたくさんのカモが生息しています。ベンチに座ってのんびりと観察する人が多く、手軽なネイチャースポットです。

北区あいの里にある「あいの里公園」の大きな池には、サギが飛来します。水辺の哲学者の異名を取り、物思いにふけるように佇む姿は、とても絵になります。

渡り鳥は意外と身近にいるものです。気軽に逢いに行ってみませんか?

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