近年、リモートワークをする人たちが増加中だと言います。数年前までは、「リモートワーク=自宅で仕事をすること」と捉えることの方が多かったように思いますが、現在はもう少し広義に解釈されるようになってきました。

今回はこちらの記事から、コワーキングスペース「Outsite」を例として、リモートワークと、リモートワークを取り巻く環境について考えてみましょう。

リモートワーク=在宅勤務は古い?

リモートワークと言えば在宅勤務を思い浮かべる方は多くいらっしゃると思います。しかし、現在ではリモートワークは在宅勤務に限定されず、自宅以外(カフェやコワーキングスペース等)で働いたり、旅をしながら滞在拠点を転々として働いたりすることも含めてリモートワークと広義で解釈されることが増えてきました。

ここ最近、NATURES.でも度々ご紹介してきた「ワーケーション」も同じように、リモートワークの1つ形態だと理解して良いと思います。リモートワークが世の中に浸透し始めた背景には、テクノロジーの進化があったことは言うまでもありませんが、ミレニアル世代がリモートワークを好む傾向にあることも、リモートワークが拡大している背景にあると言われています。

リモートワーク率の上昇とそこから見えるもの

では、そのミレニアル世代も含め、人々がリモートワークを通して本当に求めているのは一体何でしょうか?それは、「ワークライフバランス」、つまりは「仕事と生活のバランス」をうまく調整し、豊かな人生を送ることなのではないでしょうか。

Gallup社の調査によりますと、2017年には米国の労働者の43%が「通常の就業場所とは異なる場所で仕事をしていた時間があった」と回答しているそうです。この数字は2012年には39%でしたので、何らかの形でリモートワークという就業形態に関わる人たちの数が上昇傾向にあることがわかります。

また、同社の調査では、調査対象者1万5千人のうち、おおよそ53%の人たちが、「ワークライフバランス」と「人としての幸せ」を考えてくれているような企業に就職することを望んでいるという結果が出ており、それを実現する手段の1つとしてリモートワークが欠かせない存在となっていると考えられます。

コワーキングスペース「Outsite」

こういった世の中の流れを後押ししてくれる存在として、前回こちらの記事でご紹介した「WeWork」や、やすらぎの森オートキャンプ場(長野県)に予定している「信濃町ノマドワークセンター」といったコワーキングスペースが、世間の関心を集めるようになってきました。

また、今回ご紹介する「Outsite」という宿泊施設付きのコワーキングスペースも、世界各地で次々とサービスを展開しており、リモートワーカーを支える企業の1つとなっているようです。

Outsiteの設立は、現在の世の流れに乗ったわけではなく、創業者の体験がOutsiteの設立を決意させたそうです。彼の若かりし頃の体験談によると、働くことは厭わなくても、同じ場所に縛られるのが嫌で、複数の国を旅しながら働くことを選択したそうです。

しかし当時は、作業スペースやインターネット環境は不足し、宿泊場所は清潔感に欠け、ホテルはあまりにも高すぎる、そういったさまざまな悩みに直面していました。

だからこそ自らOutsiteを設立し、宿泊施設、高速インターネット環境、プリンターやホワイトボードといった設備を揃え、ここに行けば効率よく仕事ができる!という環境をOutsiteで実現させたのでした。

彼がコワーキングスペースを作った場所の多くは、コスタリカやハワイ、プエルトリコといった海の近くや自然あふれる場所であり、仕事の合間に泳いだり、散歩をしたりといったリフレッシュが容易にできる環境であるところにも特徴があります。

Outsiteなどのコワーキングスペースを有効に活用できるようになれば、通常の勤務地と違う場所であっても効率よく仕事ができ、さらには仕事の合間に遊びやリフレッシュも楽しめ、結果としてワークライフバランスを程よく保つことが大いに期待できます。

また、「WeWork」や「信濃町ノマドワークセンター」がコワーキングスペースの利用を通して、他企業、他業種の人たちとの新たな出会いの場としての役割を果たしたいと考えているのと同様、Outsiteもコミュニケーションの場を創出したいという思いがあるようです。

残念なことにOutsiteは現在のところ日本ではサービスを展開していませんが、今後ワーケーションがより多くの企業で認められた時に、旅行先の1つとして検討してみるのも良いかもしれません。

ワークライフバランスの調整に一役買ってくれるリモートワーク。在宅勤務という形態にとらわれず、個人だけでなく企業単位でコワーキングスペースをリモートワークの拠点としてうまく活用し、より人々の生活を豊かにしてくれる可能性が高まっていくことをぜひとも期待したいですね。

《参考URL》
A laptop and a Mai Tai: Workations are latest trend for remote workers|CNBC
Barbara Booth
State of the American Workplace|Gallup
(意訳:菊地薫)

Natures.編集部より

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Nature Serviceは自然と融合した法人向けレンタルオフィススペース、信濃町ノマドワークセンターを運営しています。30人強を収容できるワークスペースを有し、近年大きな注目を集めているリモートワークやワーケーションを実践できる施設です。また、起業家や経営者の方々が落ち着いて働けるように、1~3人程度の少人数でご利用できるエグゼクティブ向けのワークスペースもご用意しております。

さらに、ノマドワークセンターのある敷地内にはやすらぎの森オートキャンプ場が併設されています。ワーケーションのなかにキャンプを取り入れ、ぜひ、皆さまには新しい働き方の1つとしてご利用していただけることを願っております。都会と変わらない作業やネット会議を行いながら、時折施設周辺を散歩し、木々や葉っぱの擦れる音、鳥たちの鳴く声に耳を傾け、生産性や創造性などの知的労働生産性の高まりを肌で感じ取ってみてはいかがでしょうか。

信濃町ノマドワークセンター

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