長野県売木村の標高1200メートルに位置する「星の森オートキャンプ場」。毎年、初心者・ファミリー・グループキャンプにと、多くの人たちでにぎわう場所です。星空が大変きれいなことでも良く知られていますが、場内でトレッキングも楽しめるのをご存じでしょうか。
今回は、場内にあるルートやその楽しみ方についてご紹介します。
広い場内に3つの遊歩道
「遊歩道」と聞いて、「なだらかな道が続く散策系の道」を想像した方。違います!サンダル履きでは歩けない、ガッツリ登り、ガッツリ下るタイプの遊歩道です。ですが、歩道は整備されていますので、その点はご安心を。
東京ドーム約11個分のキャンプ場内にルートは3つあります。
- やまあそびの森:森林と川のせせらぎが楽しめる目でも耳でも楽しめるエリア。
- いきものふれあいの森:ブナ林の周りを歩く結構ハードなエリア。
- 清流いこいの森:名前の通り、小川の流れに沿って歩く耳に心地よいエリア。


各ルート40~50分程度ですが、どこを起点に歩き始めるかで所要時間は大幅に異なります。言い換えれば、歩く距離の長短を調節することが可能です。(一部、工事中のルートがありますので立入禁止エリアを避けてお通りください。)


おすすめの歩き方
ゆっくりとした歩調で時間をかけて歩くのがおすすめです。ところどころ、説明文や看板が設置されており、動物や植物、森の生態系を知る良い機会となります。そしてぜひ、土や堆積している葉っぱを踏みしめて柔らかな感触を感じてほしいです。それだけでも、心が穏やかになります。


またトレッキング中は、足元にも目を向けてください。苔やキノコ、名前も知らない植物。至るところに生物が存在していて、「この苔、かわいいなあ~」「こんなところにキノコが!」と色々な発見が多々あります。車や人混みを避ける必要のない森の中で、周囲の景色や足元もながめながらゆっくり歩いてくださいね。
途中、ベンチや東屋(あずまや)が複数設置されています。疲れたら一休みし、耳に入ってくる鳥や虫の鳴き声を聞きながら深く深呼吸するとよりリラックスできます。
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遊歩道は、それぞれが単体で完結しているわけではなく、つながっています。出入口は複数ありますので、どこから歩き始めても良いです。同じコースでも逆から歩き始めると見える景色が変わるため、自分好みのルートを探してみてください。体力に自信がある!という方は、複数の遊歩道を一気に歩くのもおすすめです。
キャンプ×トレッキングの組み合わせ方
キャンプ初心者の方が遊歩道に行く場合、2泊3日の滞在がおすすめです。テントの設営・撤収やご飯作りに時間がかかる初心者の場合、1泊2日だと遊歩道に行く時間がないかもしれません。2泊3日あれば、中日をトレッキングDayとすると良いと思います。もしくは、コテージに泊まるという手も。テントの設営がない分、その時間をトレッキングルートで自然散策の時間に充ててはいかがでしょうか。


キャンプ慣れしている方は、キャンプにトレッキングの要素を加えて、星の森オートキャンプ場であらたな楽しみを見つけてみませんか。
注意点
アップダウンがあるためサンダル履きでは危険です。しっかり歩ける靴で行きましょう。野生動物が生息しているエリアです。鹿・熊・イノシシなどに自分たちの存在を知らせるため、音の鳴る物を身につける、会話をしながら歩くなど、動物と出くわさない対策をとりましょう。
標高が高いため、夏でも涼しく過ごしやすい場所です。しかし、熱中症予防のためにも飲み物はお忘れなく。
筆者の体験談
毎日5,000歩程度歩いている筆者が遊歩道へ行ってみました!
アップダウンが激しい場所では、何と息切れ。転ぶ確率の低いコンクリートの上を歩くのと、色々な障害物に注意しながら歩くのとでは使う筋肉が違うためか、結構な疲労感もありました。
何より高地の登り坂は、とってもキツイ!それでも、短期滞在のうちに「やまあそびの森」へは3度も行き、鳥の鳴き声や木々の緑、そして水のせせらぎに癒やされてきました。夜は心地よい疲れとともに、ぐっすり。
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キャンプとあと何か1つ楽しみがほしい場合、キャンプ場内から出ずに、トレッキングができるのは本当に楽ちんです。しかも、星の森オートキャンプ場にはシャワーがあるため、汗を流してすぐにさっぱりできる点も良いのです。
キャンプそのものも楽しいですが、そこに別のアウトドアアクティビティを追加し、また違った面白さを体験してみてはいかがでしょうか。




Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。
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