小さな雪のかたまりから雪山を作る。そしてその雪山を使って広大なテレインパークを作り出す。今回は、雪の降る季節に大活躍のテレインパークを作る人たちにスポットを当ててご紹介しましょう!
テレインパークとは?
そもそも、テレインパーク(TERRAIN PARK)とは何なのでしょうか?一昔前まではウィンタースポーツといえばスキーでした。しかし、時代の流れとともにスノーボード人気が高まり、ゲレンデではスキーヤーとスノーボーダーが互いに滑る場所を求めてひしめき合うようになりました。
当時のスキー場はスノーボードの醍醐味の一つであるジャンプなどを禁じている所も多く、スノーボードの特性をより活かして楽しめる場所をスノーボーダーたちは探し求めていました。そこで生まれたのがテレインパーク。単に雪の斜面を滑り降りるだけではなく、ジャンプをしたり、細いレールの上を滑ったりと、”クールな技”に磨きをかけて楽しむ場所が作られたのです。
テレインパーク発祥の地はアメリカと言われており、当初はスノーボーダー専用のコースでしたが、現在はスキーヤーも含めて技を楽しめる場所となっています。日本ではテレインパークという名称が使われているところもありますが、スノーパークという名で親しまれている場合もあります。
テレインパークを作る人たち
冒頭でご紹介した動画は、米ニューヨーク州にあるHunter Mountainというリゾート地のテレインパークの様子です。登場するのはテレインパーク作りをするスタッフの方々で、重機で雪を積み上げジャンプ台を作ることもあれば、スコップで雪をひたすら掘り起こすような作業をすることもあります。
また、金属板をカット、溶接し、レールなどのアイテム作りにも励みます。深夜遅くまで、時には猛吹雪のなか、何もない雪の斜面に数々のエキサイティングでチャレンジングなアイテムを作り、設置してゆきます。それもこれも、テレインパークに来る人たちの喜ぶ顔を見るためなのです。
彼らの誇り
彼らの仕事はジャンプ台やレールなどのアイテムを作り、設置して終わり、というわけではありません。コース完成後に何度も試し滑りを行い、安全性のチェックなどをします。どんな天候状態であろうとも、遊びに来る人たちがケガをしないよう、設置後のアイテムを万全な状態に仕上げることも彼らの役目なのです。
テレインパーク作りは体力を要するハードワークな一面がありますが、実はアーティスティックな一面もあります。アイディアを出し合いながら真っ白な雪の斜面にアイテムを設置し、人々を魅了できるコース作りを目指す。それはまるで真っ白なキャンバス地に絵を描いてゆくような作業なのです。
「最高のコースだったよ。」そう声をかけてもらえるよう、彼らは誇りを持って仕事をしています。テレインパークのようなエキサイティングなコースを安心して楽しめるのも、彼らのような存在があるからこそなんですね。
「テレインパーク」や「スノーパーク」で検索すると、長野県や新潟県などに数多くの遊び場が見つかります。雪の季節が終わる前に、ぜひ一度遊びに出かけてはいかがでしょうか?
WHAT IT’S LIKE TO BUILD A TERRAIN PARK|THRILLIST
Empire Park at Hunter Mountain|HUNTER MOUNTAIN
https://en.wikipedia.org/wiki/Terrain_park
(意訳:菊地薫)
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。