アメリカはキャンプ先進国として知られ、多くのキャンプ施設が存在するだけでなく、キャンプに関するさまざまな調査が盛んに行われています。この度私たちNature Serviceでは、北米(アメリカ・カナダ)を対象にしたキャンプレポート、「THE 2016 NORTH AMERICAN CAMPING REPORT」(北米キャンプレポート2016)の利用許可を発行元のKampgrounds of America(KOA, ※1)さんよりいただきました。
キャンプでどんなアクティビティをしているのか?、なぜキャンプに行くのか?、キャンプに行くときペットはどうしているのか?等々、キャンプにまつわる行動や考え方をさまざまな視点から調査しまとめた興味深い内容となっています。(2015年に行われた調査結果を2016年版レポートとして発行しています。)
アメリカやカナダと日本では国も人種も異なりますが、同じキャンプ好き、自然好きとして「北米と日本ではこんな違いがあるんだ」、「海外ではそんなことが主流なんだ」なんてことを感じながら、普段あまり知る機会のない他の人たちが思うキャンプについて、国や人種を超えて知っていただければ幸いです。
今回から数回に分けて「北米キャンプレポート2016」を紹介して参りますが、第1回目はキャンプに参加する家庭が一体どのくらいあるのかということを中心にお届けします。
アメリカ家庭がキャンプに参加する割合は?
北米キャンプレポート2016によると、2015年に最低でも1回以上キャンプに行ったアメリカ家庭は28%にものぼるそうです。この数字はその年の経済状況や天候などに影響を受けることもあり、2012年の24%から毎年±5%を推移していますが、2014年の26%と比較すると2015年はそれより2%は増加していることになります。
また、年に3回以上キャンプに行く家庭は2014年の8%から2015年には10%に上昇しており、キャンプに対する関心の高さがうかがえます。
2015年から新しくキャンパーになった人の割合は?
アメリカ、カナダ両国を合わせると、2015年にキャンプに行った人たちのなかで「定期的にキャンプに行く」は28%、「年間を通して時折キャンプに行く」は58%、「過去数年内にキャンプに行き始めた」は9%、そして「初めてキャンプに行った」は5%となっています。
過去数年内にキャンプに行き始めた人の割合と2015年にキャンプ初参加を果たした人の割合を足すと14%となりますので、経験豊富なベテランキャンパーに交じって新しくキャンプに参加し始める人たちも増えていっているようですね。
今回ご紹介した調査結果からは、アメリカでは昨年だけでも家庭の28%が年に1回以上キャンプに行っていることがわかっています。この世に数えきれないほど多くの趣味やレクリエーションが存在するなかでこれだけの数の家庭がキャンプに参加するということは、キャンプには人を惹きつける魅力がそれだけあるということなのではないでしょうか。
これまで一度もキャンプに行ったことがないという人がいらっしゃいましたら、身近にいるキャンプ好きの人からその楽しさや魅力を聞き出して、今年はぜひキャンパーデビューをしてみてはいかがでしょうか?
関連記事:ちょっと気になる!?キャンパーの所得層と年齢層【北米キャンプレポート2016・第2弾】
(※1)Kampgrounds of Americaについて
北米各地にキャンプ場など500近くにも及ぶアウトドア施設を保有。キャンプやアウトドアアクティビティを楽しむことを推奨し、テントに限らず、キャビン、キャンピングカーなどさまざまなキャンプスタイルを提供している50年以上もの歴史がある団体です。
《参考URL》
THE 2016 NORTH AMERICAN CAMPING REPORT|Kampgrounds of America, Inc.
(意訳:菊地薫)
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。