白神山地のさまざまなアクティビティを探したり予約したりできる「白神カレンダー」。今回は青森県の津軽地域(日本海側)の南西部にある西目屋村に行ってきました。西目屋村は1,000メートル級の山々に囲まれ、その間を白神山地を水源とする岩木川が流れるとても美しい村です。

西目屋村で、絶景とパワースポットとおいしい食べ物が楽しめるツアーがあるというので、『白神山地の里山「にしめや」をガイドとぶらり歩き』に参加してきました。

津軽十景の入り口「目屋橋」

朝9時20分に道の駅津軽白神インフォメーションセンターに集合。この日は、曇り一時雨という予報だったので天気が心配だったのですが、青空で一安心。

ガイドさんに会うと、早速二枚の白い御札を渡されました。今日はパワースポットに行くので、願い事を書いてくださいとのこと。世界遺産に登録されている白神山地のパワースポットならきっと願い事が叶いそう!あれこれ考えてとびきりの願い事を書きました。何を書いたかは秘密です。

「津軽十景」の1位になった証

ガイドさんのぬくもりのある津軽弁と美しい景色に癒やされながら歩いていくと、岩木川にかかる目屋橋が見えてきました。橋のたもとには「津軽十景」と書かれた石碑が。ガイドさんによると、この石碑はこの先に続く目屋渓谷が「津軽十景」の第一位になった証とのこと。

昭和3年に当時の弘前新聞社が津軽地方の住民を対象に行った投票で、断トツで一位に選ばれたのだそうです。目屋渓谷は地元民が認める名勝ということなのです。

振り返れば津軽富士「見返り坂」

岩木川

美しい岩木川を見ながら緩やかな坂を登っていきました。新緑の木々、ゆったりとした川の流れ、鳥のさえずりが本当に気持ちよくて、心が洗われるとはこのことか!という気分でした。

思ったよりも天気が良く、歩き始めて15分くらいで、長袖、長ズボンだった私の額には汗が。このまま川に入って遊びたい!という衝動に駆られながら歩き続けました。

見返り坂からの景色は必見

しばらくするとガイドさんが「ここで振り返ってみてください」と。「なんで、なんで?」と思いながら振り返ってみると、絶景が広がっていました!

雲がかかっていますが、向こうに見えるのが青森県の最高峰「岩木山」。その姿の美しさから「津軽富士」と呼ばれているそうです。岩木川と岩木山、そして自分が歩いてきた道のり。美しさと達成感が相まって最高の景色でした!この場所は見事な景色が見られるので、「見返り坂」という名前が付いています。

探検家気分で参拝する岩窟の「岩谷観世音」

右側の馬の像にも注目!

いよいよ一つ目のパワースポット「岩谷観世音(いわやかんぜおん)」の入り口に到着です。断崖にある洞窟に祀られた珍しいお堂ということなので、ワクワクしてきました。

ところで、鳥居の横に馬の像があるのがわかりますか。江戸時代に、馬好きのある若者が二本の角がある神馬(しんめ)を買ってきたものの、この辺りを通った時にめまいを起こして落馬し、馬が死んでしまったのだそうです。その馬を祀るために建てたのが岩谷観世音。だから、入り口に馬の像があるのです。

一気に深い森の中へ

鳥居を抜けると深い森が広がっていました。ここまでは舗装された道を歩いてきたので、一気に雰囲気が変わって冒険気分に。木の階段を下へ下へと降りていくと、ゴツゴツとした岩肌に蔓や植物がまとわりついていて、洞窟に向かっているぞ!という雰囲気が徐々に出てきました。

探検気分で進む

岩木川沿いの細い道をパイプの手すりをたよりに歩いていきます。都会育ちの私はこういう道を歩いたのは初めてだったので、なかなかスリリング。探検をしているようでテンションが上がりました!

洞窟に到着すると、中は昼間でも薄暗く神聖な雰囲気。洞窟内の階段を慎重に上りました。

階段を上った先には小さなお堂が。

たくさんの御札も飾られていました。では、突然ですが、ここでクイズです。御札は白色、赤色、金色などいくつかの色があるのですが、それはなぜでしょうか?

正解は、「参拝した回数によって御札の色が違う」です。1回目は白、2,3回目はピンク、4,5回目は赤、6,7回目は水色、8回以上が金色の御札に願い事を書くのだそうです。これを聞いた私は、「目指せ、金色!」と心の中でつぶやきました。

今回は私たちは初めての参拝なので、出発するときに書いた白色の御札を飾りました。もちろん思い切り「叶いますように!」と念じましたよ。

神秘的なパワースポット「乳穂ヶ滝」

次に向かったのは「乳穂ヶ滝(におがたき)」。写真中央に細く流れ落ちているのが乳穂ヶ滝です。そして、その後ろにあるのが不動尊。迫力こそありませんが、しとしとと静かに流れ落ちる様子はむしろ癒やしで、見ていると気持ちが落ち着いていきました。

ここで二枚目の御札を飾り、再び全力でお祈り。願いが叶うのは確定でしょう。

乳穂ヶ滝は、冬になると凍って一本の柱になるのだそうです。かつては、その氷柱(つらら)の太さや形から農作物の豊凶を占っていたとか。今でも2月の第3日曜日には乳穂ヶ滝氷祭という神事が行われるそうです。夜はライトアップもしてとってもきれいだそうなので、次はぜひ2月に訪れたいです!

西目屋村の自然と文化と食を堪能

美しい自然の中で目の保養をし、パワースポットを訪ねてエネルギーをもらった西目屋村の探訪。その締めくくりは「白神そば」でおなかを満たしました!朝集合した道の駅津軽白神インフォメーションセンターに戻って、ほんのり甘くて香り高い白神そばを堪能。のどごしも最高で格別の味でした。

約2時間30分の探訪でしたが、ガイドさんのおかげで西目屋村の歴史や文化などたくさんのことを知ることができました。癒やし体験、パワースポット巡り、食事など豊かな体験ができる西目屋村には、まだまだたくさんの魅力的なスポットがあるそうなので、ぜひまた訪れたいと思いました。

自然と文化が交錯するこの美しい村の魅力を里山ガイドと共にぶらりと散策。こんなのんびりとした穏やかなひとときを『里山探見!にしめや』で体験してみませんか。

🌳白神山地が世界自然遺産に登録された納得の理由!🌳

青森県と秋田県に広がる約13万ヘクタールの広大なブナ天然林は、人間の手がほとんど及んでおらず、8千年以上にわたりその状態が保たれています。この原生的なブナ林は世界最大級の規模を誇り、それが1993年に日本初の世界自然遺産に登録された理由となりました。ここには540種以上の植物、4000種以上の動物が生息し、希少な種も含まれています。これほどの規模の原生林は世界でも珍しく、環境保護の観点からも世界的に高く評価されている場所なのです。

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