世界遺産に登録されている白神山地に「暗門の滝」という美しい滝があります。白神山地の体験プログラムが集められている「白神カレンダー」というサイトに「おもいきって濡れちゃえっ!暗門の滝」というツアーがあると聞き、行ってきました!
白神山地の絶景スポット「暗門の滝」とは
白神山地と言えば、ブナの原生林。そのブナ林が広がる暗門渓谷の奥深くに暗門の滝はあります。第三の滝、第二の滝、第一の滝の順で三つの滝が現れます。順番が逆なのは、これらの滝が下山の時に発見されたからだとか。
暗門渓谷はもともと海だったところが隆起してできた場所だそうで、その証拠に岩肌には堆積岩があって、手に取ると簡単にボロボロと崩れてしまいます。太古のロマンを感じつつ、森林浴や滝のマイナスイオンをたっぷり浴びることのできるすてきな場所です。
「第三の滝」へ向けて出発
西目屋村(にしめやむら)のアクアグリーンビレッジANMONでガイドさんと会い、「濡れちゃいます!」「お~!」の掛け声とともに出発。こんな掛け声は生まれて初めてでしたが、この日は天気も良かったので濡れちゃうには絶好の日。ワクワクした気持ちで出発しました。
川沿いの道を歩きながら滝に向かいます。川の音を聞くだけでも涼しい気分。日本山岳ガイド協会認定のガイド資格を持つ知識豊富なガイドさんが木々や草花のことを色々教えてくださるので、とても勉強になりました。
しばらく歩くと渓谷の入り口に到着。ここで通行届を提出して、落石対策のヘルメットをレンタルして装着。なんだか冒険気分で、ますますワクワクしてきました。
川沿いを進んでいくと道はどんどん細くなり、川の流れも荒くなっていきます。道がなくなると川の中を歩いたり、小さな橋を渡ったりして、まさに冒険。
50分ぐらい歩くと、轟音(ごうおん)とともに第三の滝が見えてきました。陽の光を受けて水がキラキラしていて、思わず「神々しい」の言葉が漏れました。
高さは26メートル。滝壺の水深は約2メートルだそうです。滝に近づくと天然のミストがなんとも気持ちいい。
そして、ここからが「おもいきって濡れちゃえっ!」ツアーの本領発揮。ガイドさんの「せ~の!」の掛け声とともに背中からバシャンと倒れました。
少し怖かったけど、覚悟を決めてやってみると楽しい!思ったよりも水は冷たかったけど気持ちよくて、暑さがすっかり吹き飛びました。
迫力満点の「第二の滝」
次は、第二の滝へ。第三の滝の脇にある急な階段を上っていきます。上りながら滝を横から上からと見ることができました。
10分ほど歩くと第二の滝に到着。高さは37メートル。第三の滝よりも落差が大きいので、音も迫力も倍増した感じでした。
そして、もちろんここでも背中からバシャン。
もう慣れたのでプカプカ浮かぶ余裕も出て、真上に見える空と木と雲の最高のコントラストをしばし楽しみました。
滝壺の近くは水しぶきが強いので近づくのは結構大変でしたが、探検隊になった気分で前進。ちょっと深いところに行っても余裕のこの笑顔。
崖からダイブ
第二の滝から15分奥に進むと、第二の滝よりもさらに大きな第一の滝があります。その高さは42メートル。最初に行った第三の滝の約二倍なので、その迫力は相当なものでしょう。ただ、今回はここまで。もう十分濡れちゃったので満足でしたが、ガイドさんから「崖からダイブできるよ」との提案が。せっかくここまで来たんだし、「おもいきって濡れちゃえっ!」ツアーに参加したんだから、おもいきるしかないでしょということで「やります!」と即答。
ダイブしました!高い位置から飛ぶか、低い位置から飛ぶかを選べたんですが、高いほうから行っちゃいました。怖かったけど、気持ちよかった!
その後は、ガイドさんが引っ張ってくれるロープをつかんでプカプカ。天然の流れるプールを楽しみました。最初の滝で背中から水に倒れ込んだ時にはハラハラドキドキでしたが、この頃にはすっかり慣れて、このままどこまでも流れていきたいという気分でした。
「おもいきって濡れちゃえっ!暗門の滝」ツアーは約3時間で終了。久しぶりにキャーキャー言いながらはしゃいだり、全身びしょ濡れになったりして心も身体もリフレッシュ。ガイドさんのおかげで楽しく安全に冒険気分を味わうことができました。今回は濡れることが目的のツアーでしたが、暗門の滝は紅葉シーズンも美しいとのこと。また違う季節にも訪れてみたいなと思いました。
🌳白神山地が世界自然遺産に登録された納得の理由!🌳
青森県と秋田県に広がる約13万ヘクタールの広大なブナ天然林は、人間の手がほとんど及んでおらず、8千年以上にわたりその状態が保たれています。この原生的なブナ林は世界最大級の規模を誇り、それが1993年に日本初の世界自然遺産に登録された理由となりました。ここには540種以上の植物、4000種以上の動物が生息し、希少な種も含まれています。これほどの規模の原生林は世界でも珍しく、環境保護の観点からも世界的に高く評価されている場所なのです。
田舎育ち18年、都会暮らし28年、海外暮らし5年。どこにいても緑と土が必要で、ときどき「山が見たい」と駄々をこねます。老後はヨット好きの主人と海と山の両方が見える場所に住みながら、世界各地を旅したい欲張り50代です。