グリーンツーリズムとは？持続可能な旅行の新しい形

旅行のスタイルが多様化する中で、環境や地域社会に配慮した旅行が注目されています。中でも「グリーンツーリズム」は、自然との触れ合いや地域文化の理解を深めながら持続可能な旅行をするという新しいアプローチです。今回は「What Is Green Tourism」「Green tourism what it is and why it is so important」の記事を参考に、「グリーンツーリズム」の特徴や具体例などを紹介します。

グリーンツーリズムとは

グリーンツーリズムとは、自然豊かな農村や地域を訪れ、その土地ならではの体験を通じて自然や文化に触れる旅のことです。例えば、農家で野菜の収穫を手伝ったり、地元の祭りに参加したり、あるいは自然散策路をガイドと一緒に歩きながら地域の動植物や自然環境について学んだり。観光地を巡るだけでなく、旅行者が自然と地域文化を深く理解し、地域に貢献しながら楽しむという新しい旅のスタイルです。

グリーンツーリズムの始まりは、1970年代の環境保護運動と関係があります。旅行業界が環境問題への意識を高める中で、旅行者のエコ意識も高まっていきました。そのような中で、地域経済と環境保護を両立させる旅の形がヨーロッパで生まれ、1990年代にグリーンツーリズムとして確立されました。

グリーンツーリズムの特徴

グリーンツーリズムは、主に3つの柱で成り立っています。一つ目は、「環境保護」です。二酸化炭素の排出を減らし、自然資源を大切に使い、生物の多様性を守ることが重視されています。旅行者は環境に優しい宿泊施設を選んだり、自然に優しい活動に参加したりするなどして環境保護に貢献します。

二つ目は、「文化・社会の尊重」です。訪れる地域の文化や伝統を大切にし、その地域の生活を尊重することが求められます。旅行者は現地の人々に敬意を持って接し、地元の製品やサービスを利用することで、文化の多様性を守ったり、次の世代に引き継いでいったりすることに貢献します。

三つ目は、「経済の持続可能性」です。これは観光が地域にとって良い経済効果をもたらすことを意味します。例えば、観光によって地域の人々が仕事を得たり、観光から得たお金が地域の学校や病院の建設に使われたりするといった効果です。観光が地域を搾取するのではなく、地域の発展に貢献することが目標です。グリーンツーリズムは、旅行者と地域の人々が共に持続可能な未来を築くことを目指しているのです。

グリーンツーリズムの事例

アメリカのモンタナ州にあるグレイシャー国立公園では、公園内を移動するためのシャトルバスの運行や、自転車やハイキングコースを整備することで二酸化炭素の排出量を抑えています。また、野生動物の生息地を保護する取り組みも行っており、旅行者は自然の美しさを楽しむと同時に環境問題についても学ぶことができます。

モルディブにあるソネバリゾートは、環境に配慮した宿泊施設を提供しています。ゴミを削減するために敷地内にコンポスト（生ゴミや落ち葉などを微生物の力で分解発酵させて堆肥を作る）を設置したり、汚れた水や海水を浄化して飲料水にする装置を設置したりするなどして環境への負荷を大幅に減らしています。また、地元のコミュニティとも積極的に連携し、雇用機会を提供したり、教育や医療の支援を行ったりするなどして地元の人々の生活の質を向上させています。旅行者は、地元の文化や人々との交流を楽しんだり、サンゴ礁の保護活動や海洋生物の観察ツアーなどに参加したりすることができます。