何かしら運動をせねば!と思った人が、まっさきに頭に浮かべるのはスポーツジムでしょうか。ただ、会費や通える頻度などを考えると、最初の一歩を踏み出すにはそこそこの勇気が必要です。今回は、スポーツジムへ通うという英断を下す前に、ちょっとだけハイキングというエクササイズに目を向けて欲しい、というお話し。
海外サイトFit&Meの記事では、運動が必要だと感じている人にハイキングをススメル理由の一つとして、「周囲の目からの隔離」を挙げています。何年もジム通いをしているスタイルバッチリな人たちの隣で運動を始めるのは、何だか比較されそうで勇気がいります。かと言って、家の近所でウォーキングなどを始めると、意外と近所の人が見ているんです…。そんな周囲の目からの隔離を手伝ってくれるのも、ハイキングの良さなのだそうです。
でも、ハイキングと聞いて気になるのは、やはり健康との関係!数々のメリットがあるとはよく言いますが、一体どのような効果があるのでしょうか?
心に与える影響
満足感や達成感というのは、何をするにしても大切です。ハイキングも例外ではありません。ハイキングの嬉しい点は、自分が歩いた道や距離をその目で確認できるところ。歩いてきた道を振り返り、「自分はこれだけやったぞ!」という達成感を得られます。スポーツジムでマシンを前にサーキットトレーニングを繰り返すよりも、やり遂げた満足感や達成感を身近に感じとることができるのです。
そういった満足感や達成感は、仕事や日常に起こるストレスの発散を促し、より良い睡眠を生み出します。そして結果的に心を健やかに保ってくれるのです。
また、ハイキングをエクササイズとしておすすめする理由に、「グリーン・エクササイズ」という概念があります。これは、自然の中で運動すると、それ以外の場所で運動するよりも心に良い効果が得られるというものです。特に心配ごとがある人や何か悲しいことがあった場合には、グリーン・エクササイズが心の健康にとても役立つと言われているのです。
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体に与える影響
ハイキングのメリットは心の健康だけではありません。ハイキングは骨に負担をかける分、骨を丈夫にし、骨粗しょう症の危険性を減らします。また、ハイキング中に日光を浴びることで、体内のビタミンDの生成を促し、骨を丈夫に、そして体全体の免疫力を高めます。血管を丈夫にする効果も認められていますので、心臓疾患のリスクも減らせます。
さらに、ハイキングは筋肉を鍛えるのに最適な方法だと言われています。特に、道なき道を進むような少しハードなハイキングは、体や脚をより多く使う分、体全体を鍛えるのにうってつけなのです。だからと言って、皆が険しいハイキングコースを選ぶ必要はありません。ハイキングの良いところは、その日の体調や気分、その人の体力に合わせてコースを選択できるところなのですから。
そして、継続的なハイキングは体重の減少につながります。特に登り坂の多いハイキングは、ジョギングと同じくらいのカロリーを消費すると言われていますので、走るのが苦手という人にも良いかもしれませんね。
ハイキングは、簡単に言えば野山を歩くことです。そんな単純なことなのに、心を健やかに保ち、筋肉、骨、血管までも丈夫にし、体全体の調子を整えてくれます。どんなに都会に住んでいても、ちょっと車を走らせれば、ちょっと電車に乗れば、ちょっと足を延ばせば、素晴らしいハイキングスポットが日本にはあります。体や心を鍛えようと意気込んでしまうと、なかなかうまくいかない場合もありますので、まずは遊び感覚でハイキングに出かけてみてはいかがでしょうか。
2023年9月15日セミナー 「地方の自然を企業経営の新たな資源に」
産業医の木村医師、人事施策のプロフェッショナルである島田氏を講師に招き、「ウェルビーイング」をテーマにした講演とセッションを開催します。「自然」という手段を用いて、社員の健康や働きやすさ、そして企業の成長をどのように後押ししていくのか。医師と人事のスペシャリスト、それぞれの視点から、具体的な方法を含めて語っていただきます。当日、ご都合のつかない方でも、お申し込みをいただければ後日視聴用URLをお知らせします。皆さま、ぜひお申し込みください。
《参考URL》
9 Benefits of Hiking That Will Have You Exploring New Places All Day Long|Fit&Me
Using Exercise to Improve Mental Health|FITDAY
(意訳:菊地薫)
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。