伊豆大島の圧倒的な自然をめぐる【伊豆大島編:1】より)

【島の人に会う】
『伊豆大島の人』は、大島のダイビング&ネイチャーガイドショップ・オレンジフィッシュの粕谷さん。埼玉県出身の移住組。10年前に今のショップを開き、大島町認定のネイチャーガイドとして、ダイビングを中心に大島の自然のガイドをしている。三原山での星空ツアーにも力を入れているんだとか。

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まずは一杯と元町の居酒屋へ。お酒も入り話もはずむ。裏砂漠の話をしていると、「あまりガイドも行かないんですけど、裏砂漠に噴気(水蒸気)が吹き出るキャニオンがあるんですよ」と粕谷さん。そういうスポットには目がない我々は、是非にとお願い。三原山外輪山の案内も合わせて、明日行きましょうと約束。大島自然体験の本丸・三原山を一緒に攻める。

【ガイドさんについてってみた】
車で三原山に向かう。天気も良好。三原山散策の入り口である駐車場につくと、迎えてくれたのは、クッキリ見える富士山と伊豆半島。意外に近いんですよ、大島。よく見ると、箱根や南アルプス、房総半島まで見える。「冬の空気がきれいな時は、浦賀水道(東京湾の入り口)が見えますよ(粕谷さん)」とのこと。そんな場所でやらないわけにはいかないでしょ、とビールおじさん登場w

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まずは三原山の外輪山(カルデラ)を通り火口へ向かう遊歩道へ。ここは人と馬しか入れないらしいw 江戸時代の噴火でできた外輪山の平坦部分を歩く。「この外輪山の大きさと利島の大きさが同じくらいなんです。(粕谷さん)」。なんと! 火山活動恐るべし。約35周年周期で噴火を繰り返す三原山。外輪山を作った後の噴火で、今の火口ができたとのこと。前回の噴火から30年。次の噴火はいつか…。

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火口までの遊歩道を歩く。三原山は流れるくらいに柔らかい溶岩だそうで、噴火のたびに遊歩道の位置が変わるとのこと。1950年と1986年の噴火で流れた溶岩が地層になっていたり、流れたマグマの時代によって植物の生え方が違ったりという話を聞きながら歩く。溶岩は吸水力が高いため、大島には川がなく、井戸を掘っても真水が出にくいので、昔は飲料水の確保にずいぶん苦労をしたらしい。そんな溶岩でできた土地はとにかく水はけがよく、前日雨が降っても翌日は運動会ができるそうだw 火口への遊歩道の最後は急な坂。さすがにちょっと疲れてくるが、そんな話を聞きながらだと、楽しく短く感じる。

30年前に溶岩が流れたところには、ススキが多く生えていた。「溶岩が冷めた後、溶岩と雨に含まれるわずかな栄養だけで育つ、イタドリやヤシャブシの種が風に運ばれて生えて、それが枯れて養分になり、ススキが生えるんです」「地球の成り立ちがわかるんですよ」。粕谷さんの説明がなかったら、ただ歩いて終わるところだった。勉強になる。

山頂近くの展望台からNature Serviceドローン隊は空撮。おじさんは最高のテラスで一杯w

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あ、山頂はLTEが入るw

【裏砂漠のキャニオンへ】
舗装されていた遊歩道をそれて、黒い砂礫の道を通り裏砂漠へ。進むにつれて植物も少なくなり、散策から惑星探検の様相に。ところどころに生える、伊豆諸島でよく見られる明日葉を見つけると、「島では明日葉は精力剤なんです。『チンタチソウ』とも言われてい…」これ以上は自主規制w 取材陣はそんな精力剤をつまんでは食べて、先に進む。若い葉は美味しい。

火口裏側のキャニオンは、三原山に降った雨の通り道。ところどころから地熱で温められた噴気が吹き出ている。地球とは思えない光景ではあるけれども、まさに地球という感じもする。噴気の吹き出る穴に手を入れる。噴気はさほどではないが、壁はさすがに熱い(この温度が上がると危険。この周辺には気象庁などの計測器が数多く埋まっているとのこと)。原理は温泉と同じだが、こんな形で体験できるというのは貴重。地球を感じるいい教材。

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【ここに行ってほしい!】
ダイビングのガイドも行う粕谷さんとスキンダイビングの話で盛り上がる。ライフジャケットを着て海に浮かび海を楽しみシュノーケリングと、スキューバダイビングの間にある、いわゆる素潜りがスキンダイビング。シュノーケルとマスクをつけて、ボンベ無しで3〜10m程度潜る。「スキンダイビング向けのスポットありますか?」と取材陣からの質問に、「トウシキ海岸のあたりがいいですよ」とのこと。ここはドローンで撮影しても面白いのではないかという場所らしく、夏に是非行ってみたいところ。

【そんなわけで…】
大きく力強い大島の自然は、地球の営みまでを感じることができる。「小さい子供に、そういうところを感じて欲しい」と粕谷さん。そういった意味でもリゾートという島ではない。そう感じている地元の方も多いようだ。ただ、東京からこんなに近い場所で、この地球の営みを直に感じることができるというのは、他にはない魅力。さすがのジオパーク。まさに火山とともに生活する島は、確かに『玄人ウケ』の島かもしれないが、その雄大で力強く、なんでも受け入れてくれるような懐の深さで、いつでも待っていてくれるような感じがする。

伊豆諸島の下町に住む頑固なお父さんw・伊豆大島。

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伊豆大島の情報は、伊豆大島観光協会 WEBサイトか、いろんな角度から伊豆大島の魅力を発信している「伊豆大島の楽しみ方発見サイト・伊豆大島ナビ」で!

今伊豆大島では、観光復興キャンペーンを実施中。このチャンスに伊豆大島に行こう!
詳しくは「GO TOKYO 伊豆大島へ遊びに行こう!」で確認!(2017年3月31日まで)

次回は伊豆大島・利島渡航のエピローグ編

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