【神新汽船で神津島に渡る】
式根島から神津島へ渡る。東海汽船の大型船やジェット船で渡る方法もあるが、今回は『神新汽船』を使う。神新汽船の『フェリーあぜりあ』は伊豆半島の下田と、利島・新島・式根島・神津島の各島を結ぶカーフェリー。竹芝から島に渡る観光客には、割とトリッキーな移動方法だが、就航して1年半の最新型で、乗客に優しいフェリーに乗ってみるのも面白い。乗船レポートは近日公開予定!
式根島から神津島への船旅は50分ほど。神津島のシンボル・天上山には、覆いかぶさるように雲がかかっている。多少天気の心配をしつつ、唯一の集落にほど近い神津島港に入港。予約していた民宿が急遽変更になるというトラブルもあったが、これも旅の醍醐味。
水が豊かで、伊豆諸島の神々が集うという神話の島・神津島はどんな魅力が待っているのか。
神新汽船を使う以外に、神津島へは東京・竹芝からも直行便がある。詳しくは東海汽船Webサイトから。
神津島の集落は1つだが、その集落から名所・観光地と言われる場所へは距離がかなりある。徒歩はもちろん、アップダウンもあるので自転車も厳しい。島内を走る村営バスもあるのでそちらを利用するのも手だが、経路に入っていない名所もあり、自由に動きたいという場合は、レンタカーの検討を(神津島村役場:島内の交通機関)。
【海を巡る】
雲の多い天候ではあったが、「それでも海が綺麗だなあ」と船に乗っている時から思っていた。Webサイトやガイドブックでも、神津島の海の魅力について多く書かれていたこともあり、まずは海を巡ろうと車を走らせる。
集落の反対側にある『多幸湾』へ。その景色にまず驚く。間近に見える天上山のむき出し断崖絶壁。その下に広がる白い砂浜。そして、「太陽が出ていたら一体どんな色になるんだろう」と思わせる、簡単に青と表現するにはもったいない海。取材日の天候に恨み節のひとつでも言いたくなるが、それでも綺麗さは伝わって来る。こんな景色を見せられてしまったら、ビールの一杯でも行きたくなるのは仕方ない。仕方ない。
多幸湾の近くには、設備が充実した有料のキャンプ場『多幸湾ファミリーキャンプ場』がある。要予約なので、利用する場合は確認を。
一旦集落側に戻り、島の北側にある『赤崎遊歩道』へ。岩場の海岸沿いに作られた木製の遊歩道。海に突き出た岩場まで気軽に行けるこの遊歩道は、海を近くに感じながら絶景を見られるスポット。
入江は熱帯魚も多くいる海水浴場になっていて、シュノーケリングやダイビングが楽しめる。また、遊歩道に設置されている飛び込み台からは、掛け声や悲鳴とともに飛び込む海水浴客が多数いるらしい。夏だったら間違いなく飛び込むのにと思う取材班。
次は集落の目の前に広がる『前浜』へ。長く続く砂浜が魅力的な海。波も穏やかで、民宿や商店のある集落に近いので、夏は便利で快適な海水浴場になるとのこと。砂浜の南側にある岩場は、魚も多くくるので、シュノーケリングスポットしてもいいらしい。
上から前浜を見られる『ありま展望台』に移動(移動には車が必要)。ちょっと晴れ間も見えて、眼下に綺麗な海が広がる。こういう場所ではビールでしょ。
このほかに数カ所ある海水浴場には、どこも綺麗なトイレとシャワーがあり、ホスピタリティが高い(「トイレットペーパーは切らさない」というモットーがあるらしいw)。こういう優しいところが観光客にはありがたい。
【水を巡る】
飲料水の確保で過去苦しんできた伊豆諸島の中で、大切な水をどのように分けるかを決めるために、伊豆諸島の神々が天上山に集まったという神話が残るほど(『水配り伝説』)、豊富な湧き水が出る神津島。島の各所に湧き水スポットがあるが、多幸湾の湧き水は美味しいとのことで実際に試す。飲み比べてはいないが、なるほどスルッとゴクゴク飲めてしまう美味さがある。夏場に遊び疲れた時には、いい飲料水になるだろう。
湧き水は溢れ出て、そのまま海に流れてしまうほど豊富。
【水の神に愛でられた島】
神津島のキーワードは、やはり『水』のように思う。そのまま海に流してしまうほど豊富な湧き水はもちろん、綺麗な海もやはり水。取材時はしばしば雨の降る天候ではあったが、これものちに湧き水となり、海に流れると思うと、必要条件だったのではないかと思えてくる(強がりw)。
神津島港の近くには、これも水の恩恵である海の幸を味わったり、購入したりできる施設もあり(『よっちゃーれセンター』)、観光客には嬉しい。豊富な水という自然の資源に、やはり恵まれている。
『水の神に愛でられたアイランド・神津島』
神津島の観光情報は「神津島村役場:観光・イベント」Webサイトから。
次回「神津島編2」。神津島のシンボル、神々が集う山・天上山を巡ります。
Nature Service 正会員 島事業リーダー
酒と音楽をこよなく愛する自由な情報設計者。島での楽しみ方は素潜り。綺麗な海を見ると潜りたくなって仕方ないらしい。潜った後のビールと、民宿のご飯が大好物。ビールおじさん。
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