クールでエキサイティングなマテリアル「スノースクート」
ゲレンデの楽しみは、スキーやスノーボードだけではありません。もっとクールに、そしてエキサイティングに楽しみたいなら、「スノースクート」がおススメ。自転車のようにハンドルが付き、車輪の代わりに前後にボードが付いた乗り物で、カービングやスライドをしながら雪山を滑走します。スキーやスノーボードよりも簡単に乗れるので、これからウィンタースポーツを始めたい人にも最適ですし、まだまだ珍しく目立ち度も抜群です。
世界有数のスノーリゾートでパウダーを楽しむ
スノースクートのボードの幅はスノーボードと同様。グルーミングされた雪面ではレーシングカーのように滑走し、深雪ではモトクロスバイクのように跳ねまわれます。腕が上がればパークでアクションすることもOKと、まさにオールマイティ。今回はスノースクートの魅力を堪能できる北海道倶知安町の「ニセコ グランヒラフ」を訪れました。
グランヒラフは世界有数のウィンターリゾートで、2000年頃からダイナミックな景色と雪質の素晴らしさがオーストラリアに伝わり、今では世界中から大勢の人たちが押し寄せています。標高1,200 m / 240 m (標高差960m)と雄大なフィールドのため、山頂付近はマイナス10度以下になることもしばしば。太陽に照らされてキラキラと輝く「ダイヤモンドダスト」に迎えられて一日がスタートします。
ヒラフを楽しみたいなら、グルーミングバーンやパウダーを荒らされていない早朝が狙い目です。スノースクートはアルミ製で総重量は10㎏未満。専用のシューズではなく、トレッキングなどに使用するスノーシューズでOKなので、ゴンドラの階段なども軽々とのぼることができます。
神々の降臨に出くわす山
ヒラフのコースは合計31本。天気の良い日には、ゲレンデ外へのゲートがオープンします。これまでゲレンデ外の滑走は禁止されていましたが、無断で入り込む者が多く問題視されていました。そこで20年ほど前からローカルルールが設定され、自己責任のもとで滑走が解放されました。
自然の地形が織りなす斜面は、ゲレンデとは異なりダイナミック。深雪のパウダーは柔らかく、派手に転んでも優しく体を包んでくれます。ただし無理は禁物。ゲレンデ外でレスキューが必要な場合、人件費やスノーモービル使用料など大金を請求されるので、技量を越えたムチャは避けなくてはなりません。
午後になりカーテンが開かれたみたいに、正面に「羊蹄山」がパーッと姿を現しました。ヒラフは場所や時間によって違う顔を見せてくれます。またタイミングが合えば雲海が広がったり、山頂から雲の中に滑り降りるといった貴重な体験もできます。「ただ滑るだけではない神々しさがここにはある」スノースクートでこうした光景に出くわす嬉しさは、何物にも代えがたいものですよ。
フリーライター&フォトグラファー
運動神経が鈍いためスポーツは苦手ながら、アクティブに動くのは大好きなマルチライター。「自然をリスペクトする」をポリシーとし、夏はキャンプやツーリング、冬はスノーバイクなど、誰でもできるレクリェーションをチープに楽しんでいます。