多くの研究者や自然愛好家たちの間で注目を集めている自然セラピー。自然のなかにいると不思議とリラックスした感覚を覚えることもあり、メンタルヘルスとの関連性が長年研究されています。今回はこちらの記事を参考に、自然セラピーがメンタルヘルスに与える影響についてご紹介したいと思います。

自然セラピーとは

「セラピー」という言葉には、「治療」や「癒やす力」といった意味合いがあります。つまり、自然セラピーとは、海や川、山や森といった自然の力を利用して癒やしを得ましょう、といったものなのです。

期待できる効果はさまざまですが、一言でいうと”ストレスの軽減”です。人はストレスを感じると、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾール物質が多く分泌され、それによって不安感の増大、不眠など、数多くの体調不良が引き起こされると言われています。

自然セラピーの効果

こういったストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌を軽減し、不安感などを和らげてくれるのが自然セラピー。たとえば、University of Essexの調査では、自然のなかを歩いたグループの71%が気分の落ち込みを軽減させることができた、と答えています。一方、ショッピングセンターのなかを歩いた別グループの場合、気分の落ち込みを軽減できたのは45%にとどまり、22%についてはさらに気分が落ち込んだと答えたそうです。

また、メンタルヘルスに問題を抱える人たちにグリーンアクティビティ(ガーデニングや環境保全活動等)への参加を促す活動も各地で行われており、参加者からは幸福感が増したといった感想が聞かれるそうです。

自然欠乏症

特に現代社会においては、パソコンやスマートフォンなどのハイテク機器やコンクリート製の建造物に囲まれて生活することが多く、自然に触れる機会が激減しています。

そういった現代人のことを「自然欠乏症」(米ジャーナリスト、リチャード・ルーヴが提唱した言葉)にかかっていると言い、こうした人たちは精神状態が不安定になる、集中力を欠く、疲労感が抜けない、などといった様々な不調に悩まされるそうです。また、このような症状は、大人だけでなく子どもにも同様のことが起こると言われています。

都心 VS 田舎

それでは、自然欠乏症にならずに健全なメンタルヘルスを維持するには、自然いっぱいの田舎に住めば良いのか?ということになりますが、必ずしもそうとは言い切れない調査結果も存在しているようです。

とある研究では、アメリカの都市部と比較して、農村部におけるうつ病の罹患率が高いという結果が出たそうです。一方で、2011年にカナダで行われた調査によると、田舎で暮らす人々のうつ病リスクは低いことがわかっています。相反する調査結果ではありますが、都市部と農村部の人口構造の違いや、地域社会への帰属意識の違いなどもあり、どちらか一方が正しいと言い切れるものではありません。

都市部には自然が少ないですが、生活面での利便性は高く、逆に農村部には自然は多いですが、利便性の面で不自由を感じることもあります。どこに幸せを見出すかは人によってさまざまですが、大切なのは、自然にはメンタルヘルスを向上させるちからがあることを認識し、バランスをとりながら上手に活用することなのではないでしょうか。

ストレスは知らず知らずのうちに溜まり、心や体を痛めつけています。心や体が悲鳴を上げる前に、癒やしを求めて自然セラピーへと出かけてみてはいかがでしょうか。

《参考URL》
Benefits Of Ecotherapy: Being In Nature Fights Depression, Improves Mental Health And Well-Being|Medical Daily
Lecia Bushak(意訳:菊地薫)

Natures.編集部より

Nature Serviceはやすらぎの森オートキャンプ場を運営しておりますが、同敷地内には自然と融合した法人向けレンタルオフィススペース、信濃町ノマドワークセンターが併設されております。30人強を収容できるワークスペースを有し、近年大きな注目を集めているリモートワークやワーケーションを実践できる施設です。また、起業家や経営者の方々が落ち着いて働けるように、1~3人程度の少人数でご利用できるエグゼクティブ向けのお部屋もご用意しております。キャンプのなかにワーケーションという概念を取り入れ、ぜひ、皆さまには新しい働き方の1つとしてご利用していただけることを願っております。都会と変わらない作業やネット会議を行いながら、時折施設周辺を散歩し、木々や葉っぱの擦れる音、鳥たちの鳴く声に耳を傾け、生産性や創造性などの知的労働生産性の高まりを肌で感じ取ってみてはいかがでしょうか。

信濃町ノマドワークセンター

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