「子供が産まれたら、我が子と一緒に山に登るのが夢」との言葉をよく聞きますが、はたして、どこに行くのがいいのでしょうか?
一口に子供、と言っても歩き始めたばかりから小学校高学年まで、体力はまちまちです。ネットで”子連れ登山”と検索してみると、ほとんどは小学校の子供を想定した山が紹介されている気がします。「いやいや、小学校まで待てないんですよ。幼児でも連れていける山を知りたいんですが?」と思い、いっそ、自分で探してまとめることにしました。
ここでは、歩き始めたばかりの1~2歳は、まだ登山の楽しみを知るまで到達できないかもしれないので、3歳から6歳ぐらい、未就学児の幼児を想定します。
記念すべき第1回は、あれこれ調べ、登山のエキスパートにも話を聞き、決定しました!
ジャガジャン! 「神奈川県の弘法山」です。
理由は3つ。
その1、駅からバスに乗ることなく、スタートできる。
幼児は電車に長い時間乗っていると飽きてしまいます。それなのに、さらにバスに乗せるなんて騒ぎ出すのが目に見えますね。電車を降りてすぐに出発できる山が望ましいものです。弘法山は小田急線の秦野駅からスタートします。
その2、行程時間は最長2時間。
幼児は大人のほぼ2倍の時間がかかると覚悟しておきましょう。途中、花や虫に気をとられて、なかなか進まないのが子供です。決して急かすことなく、待つ時間も用意しておくのが鉄則。弘法山は大人の足で休憩をいれても2時間ちょっとです。
その3、見どころがバラエティにとんでいる。
単調に歩くだけでなく、途中に展望台があったり、登山道の難易度や景色に変化があると飽きずに歩き続けられます。弘法山はまず、川沿いの車道歩きからちょっとハードな登りを経て富士山の大展望となり、締めの温泉へと下ります。
先日、実際に下見として登ってきました。
小田急線の秦野駅で地元産の落花生を買い込み、出発です。賑やかな駅前を後にし、水無川の川沿いに進み、T字路で突き当ったら左折。そのまま道なりに進むと「弘法山公園」の立派な看板がある登山口へ到着します。
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登り始めからのいきなりの急登なので、焦らずゆっくりと登ります。ゆっくりゆっくり、息が少しだけ上がる程度に。子供は興奮して走り出すかもしれませんが、ここは注意して止めましょう。
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いい汗かいて40分ほどで最初の目的地、浅間山に到着。ベンチと東屋があるので休憩します。
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そのまま進むとトイレがあり、パーキングがあります。「なに?!頑張って登ったのに、車でこられるんかい!」と、ツッコミたくなりますが、まぁ、これはすぐに忘れることにして、車道を横切って再び登ります。木漏れ日のなかをぐんぐん登って行くと、わずか10分ほどで展望台に到着。天気がよければ正面に富士山をドドーンと望め、疲れも吹っ飛んでしまいます。
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ここは広場になっているので、レジャーシートをひろげてお昼ご飯にするのもいいでしょう。実際、私が行った日は近所の幼稚園児が遠足にきていました。
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水道もトイレもあるので、ここで、子供の気が済むまで遊ぶのも一案。葉っぱを拾ったり、虫を捕まえたり、自然観察にはもってこいの場所です。
その後、もう少し頑張ってキュートな石像を見ながら通り過ぎ、石段を鼻歌まじりに登ると、ようやく弘法山の山頂です。いまいち展望はひらけませんが、井戸があり、弘法大師を祀ったお堂があります。
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おやつでも食べて、少し休んだら帰り道にしましょう。
多くの登山者はそのまま進んで鶴巻温泉まで歩くようですが、幼児連れには来た道を戻って「富士見の湯」を目指すコースをおすすめします。
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先ほどの石像まで戻るとその先にトイレがあり、分岐があります。男坂、と書かれている方向に下りましょう。かなりの急坂なのでスピードの出しすぎに注意しながら慎重に。約15分ほどでアスファルトの道へ出ます。そして看板通りに進めば立派な温泉施設に到着。ここで本日のゴールとなります。
汗を流した後は、温泉から秦野駅までの送迎バスに乗れるので楽ちんです。休憩室とレストランもありますよ。
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ちなみに、温泉に行くのが面倒な場合は、5分ほど歩いた先に秦野駅行きのバス停があるのでご安心を。
全行程は大人の私がゆっくりめに歩いて約2時間。見所たっぷりの満足コースでした。
この日は時間があわず子供を連れていけなかったのですが、ここで走りそうだな~、ここで虫を捕まえてはしゃぐんだろうな~、などと、想像しながら歩くのも楽しいものでした。
さて、次はどこを選ぼうかな。
関連記事:幼児づれ登山は楽々コースで!
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NATURES. 編集部 キュレーター
アウトドア系フリーライター。山と温泉と焚き火とご当地グルメをこよなく愛しています。5年ほど前から野菜づくりに目覚めました。田舎暮らしを夢見て、現在、情報収集中
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