前回まで2回にわたって、ワーケーションという新しい働き方に付随してコワーキングスペースの存在が不可欠だということをお伝えしました。
ワーケーションがもたらす変化~働き方改革で仕事も休暇も変わる~
ワーケーションを歓迎する人しない人~働き方改革で仕事も休暇も変わる~
今回は、ワーケーションという枠からは一旦離れて、個人に限らず企業がこぞって利用するコワーキングスペースに焦点を当てたいと思います。
個人利用から企業利用まで
コワーキングスペースは、どことなくフリーランスやスタートアップ企業の社長といった”個人”が利用するイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし、実際には社内研修や社員旅行、もしくはチームプロジェクトの達成などを目的として企業単位で利用することも数多くあります。
これからご紹介する「WeWork」(2018年に東京進出)、「Surf Office」(海辺をメインに海外展開中)、そしてNature serviceが提供を予定(2019年)している「信濃町ノマドワークセンター」のいずれも、個人向けにとどまらず、企業向けサービスも提供するコワーキングスペースです。また同時に、他企業や異業種の人同士が交流するコミュニティ作りにも重きを置いているという点に特徴があります。
利便性を求める都市部型の「WeWork」
アメリカ、イギリス、中国、インドなど約68都市に360ヵ所(2018年5月現在)を超えるコワーキングスペースを展開する「WeWork」。個人利用から中小企業向け、さらには大企業向けにもさまざまなプランや料金を設定しており、高速インターネットは当たり前で、業務用プリンターから事務用品、ドリンクサービスまで提供し、効率よく仕事ができる環境を整えています。
ただし、WeWork Japanのクリス・ヒルCEO(最高経営責任者)は、”WeWorkはコワーキングスペースではなく、グローバルコミュニティなんだ。”(2017年のFORBES JAPANの対談記事より)と話しており、単に仕事ができるスペースと環境を提供しているだけではないと言います。
彼の言葉の意味するところは、”デジタルだけでつながりを生むこともできるけど、リアルの場では情報の交換に留まらないエモーションやエネルギー、問題意識をシェアすることができる。”(FORBES JAPANの対談記事より)という点にあり、その”リアルの場”になるためのコミュニティの提供者としてWeWorkがあることを強調しています。
海辺をメインとした「Surf Office」
WeWorkが都市部をメインに展開しているのに対し、「Surf Office」という海辺がメインのコワーキングスペースもあります。(現在のところ日本での展開はありません。)個人利用ができるのはもちろんですが、社員旅行に使われたり、チームプロジェクトを行うために利用されることもあるようです。
ただし、WeWorkとは大きく異なる点があります。それは、海という自然をそばに感じながら仕事ができる!という部分です。海好きさんにはたまりませんよね!?
Surf Officeは、サーフィン好きなピーター・ファーバー氏が仕事、サーフィン、居住空間のどれもあきらめたくない!という想いから海辺に作ることを思い立ったコワーキングスペースです。それゆえ、宿泊施設もついており長期滞在も可能です。
Surf OfficeもWeWork同様、人と人との出会いを大切にし、普段出会うことのない人たちと新しいコミュニティを形成する場でもあります。他業種、多種多様な人種、もしくはさまざまな世代の人たちとコミュニケーションをとることにより、互いに刺激しあい、新たな仕事を創造する場としても利用されています。
ちなみに、Surf Officeはサーフィンとは無縁な人でも問題なく利用できます。仕事の合間に海辺の散歩などを楽しんで心身ともにリラックスすれば、仕事もはかどりそうな気がしますね。
圧倒的な自然に囲まれた「ノマドワークセンター」
そして最後に、Nature Serviceが運営する「やすらぎの森オートキャンプ場」(長野県)に「信濃町ノマドワークセンター(Nomad Work Center)」という名称のコワーキングスペースを作る計画をご紹介したいと思います。
「非日常を味わえる圧倒的な自然」、「快適かつスタイリッシュに滞在できる住環境」、「いつも仕事をする環境と変わらぬスペック」、という3つを同時に叶える素敵なコワーキングスペース構想が着々と進行しております。
法人向け貸し切り型リモートオフィス施設として普段の仕事ができる環境を整えます。また、キャンプ場と同じ敷地内にありますので、キャンプとワーケーションを組み合わせる、なんてことも可能です。
「ここで仕事をするとはかどるよね」「同じ仕事をしてもストレスが少ないよね」「ここならばリモートワーク先として会社におすすめできそうだ」
そんな風に思っていただけるような環境やプログラムの提供を目指しております。
さまざまな新しい働き方に一役買えるような、そんな素敵なコワーキングスペースが2019年に出来上がる予定ですので、皆さまどうぞお楽しみに!!
《参考URL》
「WeWorkは日本の『働き方』を変える気はない」CEOが明かす真意|FORBES JAPAN
Surf Office
‘Workations’blur line between jobs and time off|BOSTON GLOBE
Katie Johnston(意訳:菊地薫)
サテライトオフィス・レンタルオフィス・リモートオフィスをお探しの方へ
Nature Serviceは自然と融合した法人向けレンタルオフィススペース、信濃町ノマドワークセンターを運営しています。30人強を収容できるワークスペースを有し、近年大きな注目を集めているリモートワークやワーケーションを実践できる施設です。また、起業家や経営者の方々が落ち着いて働けるように、1~3人程度の少人数でご利用できるエグゼクティブ向けのワークスペースもご用意しております。
さらに、ノマドワークセンターのある敷地内にはやすらぎの森オートキャンプ場が併設されています。ワーケーションのなかにキャンプを取り入れ、ぜひ、皆さまには新しい働き方の1つとしてご利用していただけることを願っております。都会と変わらない作業やネット会議を行いながら、時折施設周辺を散歩し、木々や葉っぱの擦れる音、鳥たちの鳴く声に耳を傾け、生産性や創造性などの知的労働生産性の高まりを肌で感じ取ってみてはいかがでしょうか。
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。
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