ネット環境さえあれば、基本的にどこでも仕事ができるリモートワーク。労働者一人ひとりの生活に合わせて働くことを極力可能にしようとする、こういった働き方が今、世界的にも推奨されています。
コワーキングスペースの代表格とも言える「WeWork」が何かと話題に上るのも、Nature Serviceが2019年に完成を予定している「ノマドワークセンター(Nomad Work Center)」の開設も、リモートワークという働き方の潮流とともにあると言えます。
こういったリモートワークに対する世界的な流れを受けてか、「リモートワークに最適な都市ベスト15」という調査結果がイギリスから発信されました。現状、リモートワークとは縁遠いという方もいらっしゃると思いますが、今後の参考になることを願って「World’s top cities for remote working」からご紹介したいと思います。
プラハが第1位!
英国企業が「リモートワークに最適な都市ベスト15」を発表し、生活費、平均月収、インターネットの通信速度、カフェ代、交通費などを総合してランキングにしました。
そのランキング1位となったのが、チェコの首都、プラハ。もちろんさまざまな項目を総合して1位になったわけですが、とりわけ生活費の安さがリモートワーカーには人気なのだそうです。それに加え、チェコはシェンゲン圏にあり、圏内(ヨーロッパの26か国が対象)であればビザの申請をせずに互いの国を行き来することが可能で、活動拠点としても人気のある場所なのだそうです。
プラハがどんな都市かと言えば、歴史的建造物が街の至る所で見られる国際的な観光都市です。市内をヴルタヴァ川(日本ではモルダウ川として知られる)が流れ、周囲には公園が点在している緑豊かな場所です。
プラハを首都に持つチェコそのものが大自然に囲まれた内陸部にある国なので、プラハから少し足を延ばすと、さらに広大な自然が待っています。仕事に疲れたらリフレッシュをするのにも最適な国と考えて良さそうな場所ですね。
高速インターネットは必須?
さて、今回のランキングとインターネットの通信速度の関係について少し言及したいと思います。リモートワーカーにとって、高速インターネットは必須と言われています。今回10位にランクインしたストックホルム(スウェーデン)はネット環境が抜群に良く、インターネットの通信速度は最速だったそうです。
一方で、2位にランクインした南アフリカの都市、ヨハネスブルクの通信速度はストックホルムの1/4程度でした。しかし、カフェ代が安く、通信速度にそこまでこだわらないリモートワーカーには居心地が良い都市のようです。
手頃な価格のコーヒーショップやワーキングスペースが備わっていれば、通信速度には多少目をつぶっても良いというリモートワーカーも意外と多いようです。
リモートワークに快適な都市かどうかが今後は問われる?
イギリスでは、2014年に導入された「フレキシブル・ワーキング法」により、会社勤務の人も含めてリモートワーカーが大幅に増大しており、9時-17時という勤務時間にとらわれずに「個々の生活様式に合わせて働く」という流れが進んでいます。
そして、働く場所も自宅や国内限定ではなく、世界中の好きな場所で働けることを念頭に、世界各地でワーキングスペースが拡がりを見せています。今や、企業側も柔軟な労働環境を提供しないと優秀な人材を確保できなくなるとまで言われているのです。
今回の調査では、1位がプラハ、2位はヨハネスブルクで、3位はオークランド(ニュージーランド)、4位はアムステルダム(オランダ)、5位ロンドン(イギリス)、6位ミュンヘン(ドイツ)、7位フランクフルト(ドイツ)と続きます。(15位までのランキングはこちらからどうぞ)
イギリス発信の調査結果のためか、ヨーロッパ偏重の結果になっていると受け取れる部分も多少あると思います。今後、リモートワークが世界中で当たり前になるころには、こういった調査がアジアや北米などでも数多く行われ、リモートワーカーをどれだけ惹きつけられるのか、という招致合戦がさまざまな都市で繰り広げられるかもしれませんね。
ところで、今回の調査でアジアの都市のランクインは?という点が気になりますが、北京が8位にランクインしているだけでした。日本の都市はランクインしていないんだ、という残念な思いを抱きつつも、国土の約2/3が森林という特性や海に囲まれた島国という特性を生かした素敵なワーキングスペースが登場して欲しい、と個人的には思います。
日本はインフラ設備がしっかりと整った国ですから、いつも通り仕事ができるのは当たり前のこととして、自然にも囲まれて最高にリラックスできる場所だよね、と他国のリモートワーカーたち(もちろん国内のリモートワーカーもですが)を魅了できる場所が益々増えていくことを期待したいですね。
2019年には、Nature Serviceの「信濃町ノマドワークセンター」(長野県)が豊かな自然のなかに完成します。さまざまな視点から働き方や休暇のあり方について考えるきっかけにしていただきたいと思いますので、ぜひ皆さま、足を運んでみることを検討してみてはいかがでしょうか。
《参考URL》
World’s top cities for remote working|LondonlovesBusiness.com
(意訳:菊地薫)
サテライトオフィス・レンタルオフィス・リモートオフィスをお探しの方へ
Nature Serviceは自然と融合した法人向けレンタルオフィススペース、信濃町ノマドワークセンターを運営しています。30人強を収容できるワークスペースを有し、近年大きな注目を集めているリモートワークやワーケーションを実践できる施設です。また、起業家や経営者の方々が落ち着いて働けるように、1~3人程度の少人数でご利用できるエグゼクティブ向けのワークスペースもご用意しております。
さらに、ノマドワークセンターのある敷地内にはやすらぎの森オートキャンプ場が併設されています。ワーケーションのなかにキャンプを取り入れ、ぜひ、皆さまには新しい働き方の1つとしてご利用していただけることを願っております。都会と変わらない作業やネット会議を行いながら、時折施設周辺を散歩し、木々や葉っぱの擦れる音、鳥たちの鳴く声に耳を傾け、生産性や創造性などの知的労働生産性の高まりを肌で感じ取ってみてはいかがでしょうか。
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。