緊急事態宣言が解除されたので2年ぶりに山登りに行ってきました。行先は「大山」です。「大山」というと、多くの方は鳥取県にある名峰「大山」(だいせん)を思い浮かべるかもしれませんが、私と妻が行ったのは、神奈川県にある「大山」(おおやま)です。

大山は小学生の頃から何回も登っていますが、今回はコロナ禍で体がなまっていたのもあり、いつになくキツイ山登りでした。でもおかげで大切なことを学ぶ機会となりました。そのことは後の方で触れるとして、まずは大山をご紹介しましょう。

大山のご紹介

大山は、丹沢大山国定公園の一番東端にある標高1252メートルの山です。ピラミッド型の山容はとても目立つので、神奈川県内はもちろん、都心や海上からもよく見えます。

横浜から望む日産スタジアムと大山
江の島から相模湾越しに見る大山。左の方、雲の切れ目に見えるのが大山山頂

古くから信仰の山として知られていますが、手軽に登山と景色を楽しめる山として人気があります。登山道からは湘南地方や江の島、三浦半島などを見ることができますし、夜景スポットとして注目されています。特に大山阿夫利神社下社からの景色は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星を獲得しているそうです。

大山登山開始

今回は伊勢原側からケーブルカーを使うルートで登りました。車を降りてから大山ケーブル駅まではお土産屋さんの立ち並ぶ「こま参道」をしばらく歩きます。名物の大山駒や大山豆腐が並んでいるので、行きにチェックしておいて、帰りにのぞいてみるのもいいですね。

スタイリッシュなケーブルカーに乗り、

大山ケーブルカー、カラーもフォルムもおしゃれですね

終点の阿夫利神社駅で降りたら大山阿夫利神社下社に向かいます。前評判通りの景色で、湘南や江ノ島が見えました。

少し曇りがちですが、江の島が見えるのがわかりますか?

神社の脇を抜け登山口へ向かいます。登山口が一丁目、山頂が二十八丁目、一丁目進むごとに道しるべがあるので目標が持てますね。

一丁目、ここから登山開始
ここは九丁目。まだ先は長いなぁ。

登山道のあちこちに杉の大木があり、山の豊かさを感じさせてくれます。中には「夫婦杉」と名付けられたものもありました。

夫婦杉、樹齢は500~600年だそうです。

静かな森に囲まれた登山道を歩くこと、2時間弱。コースタイムより結構時間がかかり、ようやく頂上につきました。ここで景色を楽しみながら昼食。山の上で食べるおにぎりとカップラーメンはなんておいしいんでしょうね。たっぷり1時間くらい休憩を取ったでしょうか。

大山山頂に着きました。標高は正確には1251.7メートル

山頂からは別ルートで下ることもできますが、私たちは同じルートで下山しました。とにかく運動不足がたたり、膝はガクガク、途中何度か滑りそうになりながら下りました。それでも登りでは気付かなかった、草花や苔むした木などを見つけて楽しみながら降りてきました。

苔が見事です

最後はふらふらしながらケーブル駅に着いた時にはほっとしましたね。クタクタになりながらも、気分はリフレッシュでき、妻もしきりに「気持ちよかった〜」と喜んでいました。

次は夜景を見に行きたいですね。四季折々、いつでも登ることができるので。

下山後の楽しみ

帰りは妻の希望で厚木にある「南蛮屋」というコーヒー屋さんに立ち寄りました。炭火焙煎の工場見学ができるんですよ。

南蛮屋。奥の建物が焙煎工場
焙煎工場です。備長炭を使った炭火焙煎にこだわっています。

これまでは登山の後は温泉に立ち寄りラーメンを食べて帰ることが多かったのですが、こうしたおしゃれなところに寄るのもいいですね。

大山登山を通して学んだ大切なこととは

大山は小学生の頃から何度も来ていましたし、ケーブルカーを使うので気軽に登るつもりでいたのですが、とにかく体がなまっていました。すぐに息は切れるし、足は動かなくなるし。普段から運動しておくべきだと反省しました。

ところが、登山の数日後、ショッキングな記事を見つけました。大山を管轄している伊勢原警察署が大山での遭難事故をまとめたものでした。えっ、大山で遭難!?

記事によると、令和3年10月末の時点で事故件数は23件、そのうち重傷は2件、3件を除いてすべて下山中の事故です。原因としては疲労、そして滑落・転倒がほとんど。これら滑落・転倒もすべて下山中ですので、背景には疲労が関係しているはず。コロナ禍での運動不足と体力の低下が要因として考えられるようです。また、11月21日には山頂付近で滑落と思われる単独登山者の死亡事故も発生しています。

事故の要因を考えると、体がなまっていたなんて笑っている場合ではありません。それがもとで体調を崩したり、ふらついて転倒したりしたら、それこそ遭難の原因になってしまいます。

忙しい日常、しょっちゅう山に出かけて足慣らしというわけにはいきませんし、コロナ禍ではなおさらです。それでも、普段から意識的に体を動かして、足腰を鍛えておく必要はありますね。その上で装備を整え、できれば単独行動はせずに複数で登るのが良さそうです。どんなに楽しい山歩きでも事故やケガをしてしまっては何にもなりませんから!

大山は一年を通して登山を楽しむことができ、夜景を含め景色も堪能できるので、ぜひ出かけていただきたいなと思います。それと同時に、手軽な山だからと甘く見ることのないように心がけたいものです。しっかり準備して安全な山登りを楽しみたいですね。

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