皆さんは水陸両用バスに乗ったことがありますか。私は先日初めて乗りました。場所は、青森県の西目屋村。西目屋村は世界遺産としても有名な白神山地の麓にある美しい村なんですが、ここに自然と湖を堪能できる水陸両用バスツアーがあるんです。水陸両用バスは思っていた以上にアトラクション感があって、めちゃくちゃ楽しめました。今回は西目屋村の水陸両用バスの魅力をご紹介します。

魅力1:開放感あふれる水陸両用バス

私が参加したのは「ニシメヤ・ダムレイクツアー」。陸上約40分、水上約20分の1時間のツアーで、白神山地の自然を満喫しながら陸路を走り、その後、津軽白神湖というダム湖を遊覧します。そして、こちらが水陸両用バス「津軽白神号」です。

バスのようでもあり船のようでもある、ちょっと不思議な見た目ですよね。道路を走るときにはタイヤを、湖に入ると車体の後ろにあるスクリューを使って進みます。

普通のバスよりも車高が高くなっているので景色がよく見えるし、窓がないのですごく開放感がありました。ツアー中に何度かトンネルの中を通ったのですが、ひんやりした空気やトンネルの暗さを直接感じられて、なんだか特別な体験をしている気分でした。

顔に当たる風が気持ち良い!

ただし、窓がないということは風も雨も水しぶきもなんでも入ってくるということ。私が行ったときは暑い日だったので顔に当たる風が気持ちよかったですが、涼しい日は寒いくらいらしいです。雨の日もツアーは決行するそうなので、天気を確認して防寒着やカッパを用意する必要がありそうです。

さて、この水陸両用バスですが、運転するためにはなんの免許が必要だと思いますか。

正解は、大型二種免許と二級小型船舶免許です。運転席にはバスのような大きめのハンドルと、その右側に小さな舵があって、運転手はそれを使い分けて走行するというわけです。すごいですね!

魅力2:津軽弁のガイドさんからの豆知識

津軽白神号は、ガイドさんの「船が出るぞ~!」の掛け声に合わせて、港、ではなく道の駅津軽白神インフォメーションセンターを出発。津軽白神湖までは片道約20分。その間、ガイドさんがぬくもりのある津軽弁で周辺スポットや豆知識などを教えてくれました。

画面中央の赤い鳥居はパワースポットへの入り口

この赤い鳥居は「乳穂ヶ滝(におがたき)」というパワースポットの入り口。奥に進むと33メートルの高さから細く流れ落ちる滝があって、その滝の後ろにある不動尊へ御札を飾ると夢が叶うらしいです。こちらのパワースポットもおすすめですよ!

関連記事:西目屋(にしめや)探訪!津軽十景『目屋橋』〜自然洞窟〜パワースポット『乳穂ヶ滝』をぶらり

全身に風を浴びながら走っていくと、ガイドさんから「この村に一歩足を踏み入れたときに、なんか感じたことがあったんじゃないかと思うんですが…」と意味深な問いかけが。

外の景色を見て何か感じますか?

「なにかなあ?」と考えていると、ありました、ありました、感じることが!

どの家も屋根が緑色なんです!世界自然遺産である白神山地の景観を守るためにブナの若葉をイメージした色で統一しているんだそうです。この色は「西目屋グリーン」と呼ばれていて、屋根をこの色に塗り替えると、役場から最大10万円の助成金が出るそうです。確かに統一感があってきれいでした。

のどかな風景をながめながら進みます

魅力3:入水はまるでアトラクション

ガイドさんの楽しい話を聞いているうちに、津軽白神湖に到着。ここからバスは船に変身するので、その前に救命胴衣の装着の仕方などの説明を受けます。「今までこれを使ったことはないので、今日も大丈夫です、たぶん」の「たぶん」がちょっと気になりましたが、ワクワクしてきました。 

ガイドさんの「3、2、1」のカウントダウンのあと、みんなで「レッツ・スプラッシュ!」と言って入水です。

みんなで「レッツ・スプラッシュ!」
ドキドキ!
津軽白神湖に行ってきま〜す
楽しい〜〜!
結構な水しぶき!

もうちょっとゆっくり入るのかと思っていたら、結構な勢いで突入。歓声とも悲鳴とも言えない声が上がりました。水しぶきもすごくて、顔はびしょ濡れに。私は後ろ側の席にいたのでその程度で済みましたが、前側に座っていた人はもっと濡れたんじゃないかな。遊園地のアトラクションさながらのスリルでした。

バスから船に変身!なんだか不思議な気分

乗り心地はGood!

一度湖に入ると穏やかで、大きな揺れもなく乗り心地は快適。エンジンの音もスクリューの音に変わりました。ここまでは道路交通法に従ってシートベルトを締めていましたが、ここからは法律が船舶法に変わってシートベルトを外さないといけません。何かあったときにすぐに逃げられるようにしておくためだそうです。いろいろ勉強になります。

水深は約18メートル。年間で一番水位が低い時期だそうです。湖のほとりを見ると、木が枯れていますよね。ダム湖に沈んだ木々が根腐れを起こして立ち枯れていくのだそうです。少し悲しい気もしますが、秋には鮮やかに紅葉した周辺の木々と立ち枯れた木のコントラストが美しく、絶好のフォトスポットだそうです。

初めての水陸両用バスツアーは、とっても楽しい体験でした。ちなみに、ガイドさんの一番おすすめの季節は春。湖の水深が一番深く約40メートルあり、ダム周辺に桜も咲いて美しいそうです。そして、暑くも寒くもないので水陸両用バスに乗るにはベストな季節とのこと。春にまた行ってみようかな。

🌳白神山地が世界自然遺産に登録された納得の理由!🌳

青森県と秋田県に広がる約13万ヘクタールの広大なブナ天然林は、人間の手がほとんど及んでおらず、8千年以上にわたりその状態が保たれています。この原生的なブナ林は世界最大級の規模を誇り、それが1993年に日本初の世界自然遺産に登録された理由となりました。ここには540種以上の植物、4000種以上の動物が生息し、希少な種も含まれています。これほどの規模の原生林は世界でも珍しく、環境保護の観点からも世界的に高く評価されている場所なのです。

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