「ビーチコーミング(beach combing)」という言葉を聞いたことがありますか。「beach=浜辺」と「combing=櫛(くし)でとく」を合わせた言葉で、櫛でとくようにしながら砂浜の漂着物を探すことです。かつては貧困に苦しむ人たちが売り物になるものを拾い集めることを意味していました。

しかし、今では化石や骨とう品のかけらを見つけたり、生物多様性や環境汚染の実態を知ったりするなど、自然に親しみ、学ぶ方法として世界中で多くの人に楽しまれています。今回は「What Is Beachcombing?」と「A guide to beachcombing」の記事を参考に、ビーチコーミングの魅力や方法、注意点を紹介します。

ビーチコーミングの魅力

ビーチコーミングは、まるで宝探しです。珍しい形の貝殻やサメの歯、化石が見つかることもあれば、古代の陶器の破片や磨かれたシーグラスなど、さまざまなものが見つかります。浜辺には好奇心をかきたてる宝物がたくさんたどり着いているのです。長い時間をかけてはるか遠くの地から漂着したものの歴史や背景に思いをはせたり、調べて研究をしてみたり。浜辺の宝探しは、一度始めるとその面白さにのめり込んでしまう人も多いのです。

ビーチコーミングの方法

ビーチコーミングは、砂浜でも岩場でも海辺であればどこでもできます。見つけたものを入れる容器を持って出かけましょう。海辺には何が落ちているかわからないので、裸足は危険です。サンダルや靴は必ず履いてください。

ビーチコーミングは、季節も時間も問いません。海辺にはいつでも何かしらの物がたどり着いています。漂着物は海流や風の影響を受けるので、いつ、どこから、どんなものが運ばれてくるかは予想できません。そこがビーチコーミングの面白いところでもあります。ただし、天候の変化や潮の干満時間などはきちんと確認しておきましょう。短い時間で水位が上がって危険になることもあります。安全には十分注意してください。

ビーチコーミングの注意点

手軽に楽しめるビーチコーミングですが、いくつか注意点があります。ビーチコーミングをしているときに、ヒトデやカニなどといった生き物や植物を見つけるかもしれませんが、それらを傷つけたり、持ち帰ったりしてはいけません。すでに死んでいたり枯れていたりしても同様です。それらも食物連鎖の一部として他の生き物の食料になっていたり、棲み処になっていたりする可能性があるからです。場所によっては環境保護の観点から石や貝殻などを持ち帰ることも禁止されている場合があります。事前に各自治体等のルールを確認してください。

漂流物を見つけたときの最もよい方法は、それらを写真に撮ることです。多くの人がハッシュタグ#beachcombingを付けて、自分の宝物をSNSで世界の人にシェアしています。

また、残念なことですが、ビーチコーミングではペットボトルや缶、タバコの吸い殻などのごみもたくさん見つかります。ほんの2分間でいいのでごみを取り除いて、ハッシュタグ#2minutebeachcleanをつけてその写真をシェアしようという運動もあります。ビーチコーミングとともに参加してみてはいかがでしょうか。

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(参考)
What Is Beachcombing?
A guide to beachcombing

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