植物は会話ができることをご存じですか。「植物に話ができるなんてまさか?!」と思われるかもしれませんが、植物は逃げられないからこそ生き延びるために周囲の環境とコミュニケーションをとる必要があるのです。今回は「Plants can talk. Yes, really. Here’s how.」と「5 Ways Plants Communicate」の記事を参考に植物のコミュニケーションの不思議を紹介します。

植物は助けを求めることができる

葉っぱが虫に食べられたら、植物はどうすればいいでしょうか。なんと植物は空気中に化学物質を放出して助けを呼ぶことができるのです。刈りたての草の匂いを嗅いだことがあるのではないかと思いますが、あれは植物が出した化学物質の匂いです。この化学物質は、虫に食べられた時にも放出されます。「食べられているよ、助けて」というシグナルを出しているのです。このシグナルを発することで、植物の体をむしゃむしゃ食べている害虫を食べてくれる他の昆虫を引き寄せることができるのです。

あるいは、警告を伝える化学物質を出す植物もあります。そうすることで、同じ種類の植物や周囲にある植物に危険を知らせます。警告を認識した植物は、天然の殺虫剤のような成分を生成して昆虫に食べられないようにすることができるのです。

植物は縄張りを教えることができる

動物に縄張りがあるように、植物にも縄張りがあります。縄張りを確保しないと日光や土壌の栄養などを十分に摂ることができません。そこで、植物は根から土壌に化学物質を分泌して「ここは私の縄張りだから、近くには来ないでね」という情報を他の植物に伝えるというのです。

さらに、周囲に育っているのは同族の植物、つまり自分の親類なのか、それとも他人なのかということを感知する植物があることもわかっています。浜辺に自生するオニハマダイコンというアブラナ科の植物の実験がそれを示しています。鉢植えでオニハマダイコンを見ず知らずの他人と一緒に育てると栄養や水を奪い取るために根を長く伸ばすのに対し、兄弟姉妹のような関係にある植物と育てるとお互いを配慮して遠慮しながら根を成長させたのです。まるで「兄弟よ、仲良く暮らそうぜ」と話しているかのようです。

植物は音を聞いたり出したりもできる

花はミツバチの羽音に似た音を聞かせるとより多くの蜜を作ることがわかっており、ミツバチが来る音を聞くことができると考えられています。また、ある研究グループは、コウモリの鳴き声を感知する特殊なマイクを使って植物の声を聞くことに成功しています。トマトからサボテンまで幅広い種類の植物がストレスを感じると超音波の破裂音を発するのです。その音は昆虫やコウモリやネズミのような哺乳類にも聞こえると考えられています。植物の声についての研究が進めば、植物のことや自然のことがもっと理解できるようになるかもしれませんね。

(参考)
Plants can talk. Yes, really. Here’s how.
5 Ways Plants Communicate

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