「バンライフ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。荷物を運ぶことが主な目的のボックスタイプの車「バン」を改造して、移動しながら自由な生活「ライフ」を楽しむ暮らし方のことです。近年、世界中で注目されていてSNSなどでもその様子が数多く発信されています。今回は「WHAT IS VAN LIFE?」と「Van Life How To: Complete Guide to Living in a Van Full Time」の記事を参考に「バンライフ」とは何か、その実際や魅力を紹介します。
「バンライフ」とは?
「バンライフ」は、2011年頃にインスタグラムのハッシュタグから広まったライフスタイルです。バンを自分の家として改造し、多くのものを持たず、住む場所にも縛られない暮らしは、ミニマリスト的価値観と自由に生きることを重視した生き方で、特に旅行が好きな若者の間で人気があります。
バンライフは車中泊やキャンピングカーでの旅行、オーバーランディングとは違います。寝て、食べて、働いて、生きていくという生活そのものをバンで行います。そのため、すでにカスタマイズされたバンを用意するよりも、自身の生活に合うようにバンを改造することのほうが一般的です。キッチンや収納スペースなど、どんな設備がどのくらい必要かを考えるのもバンライフを始める時の楽しみの一つです。
「バンライフ」は華やかなのか?
インスタグラムで「バンライフ」を検索すると、気ままに楽しく、そしておしゃれな暮らしを満喫している写真がたくさん出てくるので華やかなイメージを持ちがちですが、その実態は少し違います。バンライフでは蛇口をひねるとお湯が出るとか、汚れた服は洗濯乾燥機に投げ入れておけば大丈夫といった手軽さはありません。料理やシャワーの時はタンクの水の量を気にしなければいけませんし、洗濯も手洗いをしたりコインランドリーを探したりするなど、日常生活を維持するだけでも手間と労力がかかります。
また、バンライフは常に屋外を移動するので、悪天候に見舞われたり、予期せぬ車のトラブルが発生したりということもあります。知らない土地に移動して、何がどこにあるのかわからない不安や恐怖を感じることもありますし、やむを得ず計画変更を迫られることもあります。
それでもなぜ「バンライフ」なのか?
決して楽ではない、バンライフ。それなのになぜ人々は魅力を感じるのでしょうか。その理由はいくつかあります。その一つは、身軽さです。家やアパートに縛られることなく、必要なものすべてを常に持ち歩いていて、いつでもどこにでも行けるという感覚は、人を自由にします。そして、この人生は自分のものだという感覚を得ることができます。
また、バンライフをすることで、毎日が冒険になります。何が起こるかわからないことは恐ろしいことでもありますが、刺激的なことでもあります。今日は何をして、誰に会って、どこで寝るのか、それらがわからないことが日々をワクワクと生き生きとしたものにしてくれます。バンライフは、自分の手で自分の人生をコントロールし、輝かせることのできる生き方なのです。
(参考)
WHAT IS VAN LIFE?
Van Life How To: Complete Guide to Living in a Van Full Time
田舎育ち18年、都会暮らし28年、海外暮らし5年。どこにいても緑と土が必要で、ときどき「山が見たい」と駄々をこねます。老後はヨット好きの主人と海と山の両方が見える場所に住みながら、世界各地を旅したい欲張り50代です。