キャンプ場の運営において、雨の日というのは大きな課題です。
雨予報が出るだけでキャンセルは増えますし、設備によっては地面がぬかるみ、翌日にまで影響が及びます。
そこで、キャンプと雨の関係を見直し、できる限り雨の日にもお客様に来ていただけるような工夫を考えていきましょう。
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キャンプ場の雨の日対策:事前に準備しておくこと
1. 屋根付きの共用スペースの整備
インフラの整備になりますが、雨天時にも利用できる屋根付きの共用スペースを設けることで、お客様は天候に左右されずに食事や会話を楽しむことができます。バーベキューや調理スペースも屋根付きにすることで、雨の日でも気軽に料理ができる環境を提供できます。
ある程度広々としていれば、翌朝にキャンプ道具を乾燥するスペースとして利用してもらうのも良いでしょう。キャンパーにとっては、雨の中での撤収作業も大変ですが、帰ってからの乾燥作業も一苦労だったりします。
2. インドアアクティビティの提供
もし、あなたのキャンプ場に屋根付きの場所がある場合、雨の日には屋内で楽しめるアクティビティを提供しましょう。例えば、ワークショップやクラフト教室、ボードゲーム大会など、家族や友人と一緒に楽しめるイベントがおすすめです。
映画鑑賞会やカラオケコーナーの設置も、雨の日のキャンプの過ごし方として最適です。これらのアクティビティは事前にウェブサイトで告知しておくと、雨予報でもキャンセルを防ぐ効果があります。

3. 雨の日のアウトドアアクティビティの提案
雨の日は、季節や風の様子にもよりますが、意外と楽しめるアクティビティがあります。以下にいくつかのアイデアを紹介します:
- 雨自体を楽しむアクティビティ: レインブーツや雨合羽を装着してのウォーキングを通じて雨の森やキャンプ場内を散策し、雨の日の自然を楽しむことができます。また、防水カメラを使って雨の風景や植物、動物を撮影し、雨の日ならではの写真撮影を楽しんでもらう提案も効果的です。
あなたのキャンプ場で、雨の日の雰囲気が一番良いスポットはどこでしょうか?ぜひ考えてみてください。
- 釣り: 雨の日は魚が活発になることがあり、釣りが楽しめる場合があります。もちろん、増水などの危険もありますので、状況に応じた判断が必要です。
- マウンテンバイク: シャワー設備がある場所に限られますが、マウンテンバイクで泥だらけになりながら、雨の日のトレイルを楽しんでいただくのも面白いかもしれません。
- 泥んこ遊び: こちらもシャワー設備がある場所に限られますが、特に子供たちに人気のある遊びです。雨の日に泥だらけになりながら泥遊びを楽しんでいただくエリアを設けるのも一案です。大きく緩やかな坂などがあれば、ブルーシートを敷いて滑り台にしても面白いでしょう。
4. レイングッズの販売・貸し出し
雨の日でもキャンプを楽しみたいお客様のために、レイングッズを用意しましょう。レインコートや長靴、傘、タオルなどを販売・貸し出しすることで、お客様は雨天時でも安心してキャンプを楽しむことができます。
さらに、テントやタープの設営方法を工夫するワークショップを開催し、雨の日でも快適に過ごせるテクニックを伝授するのもおすすめです。
5. 雨の日の特別サービスと天候保証
雨の日の場合、特別に料金を割引する、来場いただいたお客様に何かをサービスするなども、キャンセルを防ぐ工夫の一つですし、お客様の満足度を維持する取り組みになるでしょう。
最近では、お天気保険や天候保証サービスというものも登場しています。例えばLinkTripのような天候保証サービスは、キャンプ場などの領域にも展開していく方針のようです。運営者として、このようなサービスをお客様に提供できるようになれば、雨の日のキャンセル対策として効果的でしょう。
これらの対策は、事前にお客様に知ってもらうことが大切です。「雨でもあそこに行ったら楽しく過ごせる」ということを知ってもらうだけで、キャンセルを躊躇する人が増えるでしょう。

キャンプ場の雨の日対策:お客様が到着してからの対応
1. 安全対策の徹底
雨の日は、滑りやすい地面や落雷など、事故が起こりやすい状況があります。キャンプ場内の安全対策を徹底し、お客様に安心して滞在してもらうことが重要です。
滑り止めのマットを設置したり、落雷時の避難方法を案内する看板を設置したりするなどの対策が効果的です。
2. 情報提供の充実
雨天時のアクティビティや施設の利用方法について、わかりやすく情報提供をしましょう。ウェブサイトやチェックイン時の案内で、雨の日でも楽しめるアイデアや安全対策について説明することが大切です。
また、天候や注意喚起情報、どのサイトが雨の中でも比較的快適に過ごせるかを随時お客様に伝えることも重要です。
3. スタッフの対応力向上
雨の日は、お客様が困りやすい状況が多くなります。キャンプ場のスタッフが親切で柔軟な対応ができるよう、トレーニングを行いましょう。
テント設営の手伝いや、雨漏り対策のアドバイスなど、お客様が困ったときに適切なサポートができるように心がけてください。

キャンプ場の雨の日対策:まとめ
本記事では、キャンプ場の雨の日対策として、事前にやっておくこと、ゲストが来た時にやっておくことという2つの視点で具体的な施策を提案しました。これらの取り組みを実施することで、雨の日でもお客様が安心してキャンプ場を楽しめる環境を整えることができます。
ただ、最終的には、自然と共に仕事をしている我々も、どこかで諦めるラインを作っておくことは大切です。自然の中では「想定外も、想定のうち」という心構えで、できる準備はしておき、あとはなる様になるという気持ちで、楽しみながら運営していきましょう。
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株式会社Okibi代表。
アウトドア業界のDX推進や事業支援を手がけ、キャンプ場運営やWebメディア 「OUTSIDE WORKS」 を運営。さらに、キャンプ場のデジタルツイン化を実現する 「キャンビュー」 を開発し、アウトドア体験の革新に取り組む。
業界の発展と新しい価値創出を目指し、挑戦を続けている。