雨の日はなんとなく憂鬱、外に出るのも面倒。そう感じる人は多いのではないでしょうか。でも、「母なる大地の涙」とも呼ばれる雨は、実は私たちの健康に様々な効果をもたらしてくれます。

今回は、雨が人々に与える効果を「The Health Benefits Of Rain」と「5 Amazing Benefits of Going Out in the Rain」の記事を参考にご紹介します。

雨の匂いが心を落ち着かせる

雨が降る直前や降り始めた時に、独特な匂いがしませんか。なんとなく懐かしい気持ちになるようなあの不思議な香りです。

あの匂いの正体は「ペトリコール(Petrichor )」。植物が持つ油や土壌に住むバクテリアが混ざり合ってできる物質です。雨が降ることで土や岩石にたまっていたペトリコールが吹き上がり、さらに、雷と酸素との化学反応で生じたオゾンの匂いも加わって、雨の匂いとなります。

こう聞くとあまりいい匂いではなさそうですが、オゾンはギリシャ語の「ozein(におう)」に由来する、すがすがしい香りを持った物質。そこに植物や土の香りなどが加わり、さわやかな匂いになるのです。

私たちは子どもの頃から、そんな雨の匂いに慣れ親しんでいます。雨が降ると匂い立ってくるあの香りは、私たちの懐かしい記憶を呼び起こし、気持ちを落ち着かせてくれるのです。

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雨の中での運動はより多くの脂肪を燃焼させる

砂浜で運動したり走ったりするのがつらいのと同じように、雨で滑りやすい道や泥でぬかるんだ道を走るのは、晴れて乾いた道を走るよりも多くの負荷がかかります。そのため、より多くの足の筋肉を使うことになり、より多くのカロリーが消費されます。

また、日本福祉大学は7人の健康な男性を被験者として、雨の降る気温の低い環境で運動をした場合と、穏やかな天候の下で運動をした場合とのエネルギー代謝の違いを調べています。

その結果、雨の中で運動をしたほうがより多くのカロリーと脂肪を燃焼することがわかりました。雨の中で運動すると体を温かく保つ必要があるため、多くの脂肪を燃焼させる必要があるためです。

雨の日は家で過ごそうと思いがちですが、実は雨の中での運動は効率的なトレーニングになるのです。

雨で空気が清潔になり体や肌の健康を保つ

雨が降った後は、空気がきれいだと感じませんか。雨の後に空気が清潔になることは、さまざまな研究で明らかにされています。

雨粒が大気中のバクテリアや硫酸塩など何百万もの汚染物質の粒子を引き付け、浄化してくれるのです。

この作用により雨が降っている間や雨が降った後は空気がきれいになるので、大気汚染物質によって引き起こされるアレルギーを持っている人にとっては発症リスクが減少します。

また、ある研究者は湿度が43%を超えると、空中にあるウイルスの約3/4がその力を失うと言っています。そのため、雨により空気中の湿度が高まると肌がみずみずしくなるだけではなく、肌を清潔に保つこともできるのです。

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まとめ

雨が、私たちの心や身体にもたらす効果についてご紹介しました。雨の日は憂鬱だからと言って、仕事や学校を休むわけにはいきません。だったら、雨の効果を前向きに捉えて、雨降りの日に出かけることを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ただし、寒すぎる日や豪雨の中で運動やお出かけはおすすめしません。状況判断はしっかりとしてくださいね。

(参考)
The Health Benefits Of Rain
5 Amazing Benefits of Going Out in the Rain

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