地面から少し浮いた細いラインの上をバランスを取りながら歩く「スラックライン」。近年は欧米を中心に、遊びながら全身を鍛えることができるフィットネスとしても注目を集めています。今回は「8 ways that slacklining will get you fit」と「Our Favorite Summer Fun Outdoor Activity – Slacklining!」の記事を参考に、スラックラインの起源や効果、始め方などを紹介します。
スラックラインとは?
スラックラインは、ロッククライマーたちがチェーンの上でバランス遊びを始めたことから生まれたと言われています。当初はトレーニングの一環でしたが、その面白さと効果の高さから、現在では独立したスポーツとして世界中に広まっています。

一見するとサーカスの綱渡りに似ていますが、スラックラインは伸縮性のあるナイロン製のベルトを使用しており、上下に揺れる動きが特徴です。これにより、不安定な足場の中で身体を安定させようとする反射が生まれ、体幹や筋肉が自然に鍛えられるのです。
スラックラインのフィットネス効果
スラックラインには、心身の健康につながる多くの効果があります。
1. 体幹を鍛え、姿勢を整える
ラインの上で姿勢を保つには、腹筋・背筋・インナーマッスルを同時に使います。これにより体幹が鍛えられ、猫背や反り腰など姿勢の乱れが自然に改善されます。
2. バランス能力の向上と転倒予防
バランス感覚は、年齢とともに衰えがちです。スラックラインは左右だけでなく上下にも揺れるため、立っているだけで平衡感覚を養うことができ、転倒防止にも役立ちます。

3. 集中力とメンタルの強化
スラックラインは、「動く瞑想」と言われることもあります。ラインの上に立つと、視線・呼吸・重心などすべてに意識を集中させる必要があるからです。自然と「今この瞬間」に集中することになり、メンタルの強化やストレス解消にもつながります。
4. 関節の安定性を高める
不安定なラインの上で動くことで、膝や足首周りの細かい筋肉が活性化されます。その結果、関節を守る力が強くなり、運動時のけがの予防にも役立ちます。

5. 「楽しい」から継続しやすい全身運動
単調な運動とは違い、スラックラインは遊び感覚で取り組めるため、継続率が高いのも特長です。自然に全身を使うので、知らず知らずのうちに体力がアップしていきます。
スラックラインの始め方
スラックラインは、公園やキャンプ場で、木と木の間にラインを張ればすぐにスタートできます。大人から子どもまで一緒に楽しめるのも魅力です。初めて挑戦する場合は、幅広で安定感のあるラインを使い、短く低めに張るのが基本です。練習は「ラインに座る」「立つ」「2〜3歩歩く」といった順で進めるとよいでしょう。裸足で行えば足裏の感覚がつかみやすく、上達も早まります。

設置場所は、柔らかい地面や芝生の上が安全です。転倒時のけがを防ぐために、マットやヘルメットなどの安全装備を使うと安心です。また、木を傷めないよう保護マットを巻くなど、自然への配慮も忘れずに。なお、公園などの公共の場所では、ラインの設置に許可が必要な場合もあります。使用前に管理者に確認しておきましょう。
まとめ
スラックラインは、楽しみながら体幹やバランス感覚を鍛え、集中力まで高められる万能アクティビティです。必要な道具も少なく、公園やキャンプ場ですぐに始められるのも魅力的。スマホやPCから離れて自然と向き合う「デジタルデトックス」の時間にもなるので、現代人には特におすすめです。遊びながら鍛えるスラックラインを始めてみてはいかがでしょうか。
(参考)
8 ways that slacklining will get you fit
Our Favorite Summer Fun Outdoor Activity – Slacklining!

田舎育ち18年、都会暮らし28年、海外暮らし5年。どこにいても緑と土が必要で、ときどき「山が見たい」と駄々をこねます。老後はヨット好きの主人と海と山の両方が見える場所に住みながら、世界各地を旅したい欲張り50代です。