「ブルーツーリズム」とは、海や湖、離島など水辺の環境を楽しむ旅のことです。でも、ただ泳いだり釣りをしたりして遊ぶだけではなく、自然環境を保護する活動に参加し楽しみながら学ぶことを目的としています。今回は「What is Blue Tourism and What does this Mean for the World?」と「Blue Tourism」の記事を参考にブルーツーリズムの特徴や課題、具体的な活動内容を紹介します。
ブルーツーリズムとは
ブルーツーリズムは、海や漁村、湖や川などの水域環境に焦点を当て、それらを守ることを最優先に考えた旅行です。エコツーリズム(環境を保護し、地元の人々の幸福を維持し、自然解説と教育を伴う自然地域への責任ある旅行)の流れをくんで2000年代後半から広がり始めました。
参考:「エコツーリズム」とは? 旅行に対する意識を変えて地球を救おう

ブルーツーリズムには、さまざまな環境保護活動が組み込まれており、旅行者は水域環境について学んだり、保護に協力したりすることで自然を守る意識を高めることができます。このような活動は観光地の自然を守ることにつながるだけでなく、地域の人々に利益ももたらされます。気候変動や海洋汚染、湖沼汚染など多くの課題がある昨今、ブルーツーリズムの重要性はますます増しています。

日本でも、観光庁がブルーツーリズムを推進、支援しています。福島第一原発から出る処理済みの放射性物質を取り除いた水(ALPS処理水)を海に放出したことにより風評被害が高まりました。その対策としてブルーツーリズムを進め、国内外の旅行者に海の魅力を紹介し、地域の活性化につなげようと取り組んでいるのです。
ブルーツーリズムの具体的な活動
ブルーツーリズムでは、さまざまな活動が提供されています。例えば、海辺や海のゴミを拾うビーチクリーンアップ活動、川や湖に生息する生物を観察しながら水生生態系を学ぶ保護ツアー、サンゴの再生を助けるために人工的なサンゴ礁を設置したり、サンゴの育成を支援したりするサンゴ礁保全プログラムなどです。また、地元の漁師と一緒に漁業体験をして地域の文化を学びながら持続可能な漁業について知ることができるツアーもあります。

旅行者はこのような活動を通して水域環境の大切さを実感し、自分の行動が自然保護にどのように貢献するかを学ぶことができます。また、地域の人々との交流を通じて、持続可能な観光の重要性について理解を深めることができます。
ブルーツーリズムの課題と展望
ブルーツーリズムが今後も発展していくためには、旅行業界全体の取り組みが必要です。観光業者は観光地の過剰利用や自然環境への影響を防ぐために適切な管理のもとでツアーを提供する必要があります。また、地域の人々は、地元の文化や自然を守り続けていくことが大切です。そして、旅行者は持続可能な旅を選び、観光のルールに従い、訪れた地域社会を尊重することが求められます。

まとめ
水辺の環境を守りながら楽しい旅行をする新しい観光の形であるブルーツーリズムは、今後さらに多くの地域に広がることが期待されています。自然を守る手助けをしながらすばらしい体験ができるブルーツーリズムに参加してみてはいかがでしょうか。
(参考)
What is Blue Tourism and What does this Mean for the World?
Blue Tourism

旅行と自然が大好きで、ふらっと国内外の旅に出かけます。田舎、都会、海外、どこでもたくましく過ごせるのが特技。美しい自然や人との出会いを求めて「次はどこへ?」と心が騒ぐ、旅心と好奇心が止まらない50代です。