小笠原のダイナミックな自然を体で感じよう! 南島編
滞在二日目。

竹ネイチャーアカデミー望月さんのガイドのもと、僕らは小笠原諸島の中で最も美しいとされる南島へと向かいました。
この望月さん、実は数年前まで都会で働くビジネスマンだったのだそう。
これから続く長い人生で寄り道をするのも悪くないと、大好きな自然の中で生きること決めたそうです。
真っ黒に日焼けした笑顔で小笠原の魅力を語っている望月さんを見ていると、「寄り道どころかこの人ずっとここで暮らしていくのでは」と思ってしまうほど小笠原の風景に溶け込んでいます。
人生とはまさに終わりのない旅なんですね。

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僕らは南島で、小笠原諸島の世界自然遺産たる所以を知った気がしました。
そもそも小笠原諸島は海底火山の噴火によってできた島々で、太古から大陸と陸続きになったことが一度もありません。
つまり小笠原諸島に暮らす動植物は、広い海を越えてようやくたどり着いた祖先の末裔ということになります。
数千、数万年の長い時間をかけて独自の進化を遂げた動植物。小笠原諸島では植物の36%、昆虫類の28%、陸産貝類ともなると94%が固有種になるそうです。

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無人島の南島では林野庁の保護のもと、この貴重な生態系が守られていました。
石灰岩の無骨な岩肌を登り、アロマの香りただよう草原地帯を抜けると、白い砂浜が広がります。砂浜と言っても実は珊瑚のカケラで、熱を持たない性質から素足になってもまったく熱くありません。
無数に転がるヒロベソカタマイマイの化石を踏まないように進むと、扇池にたどり着きました。

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自然がつくる光景とはこれほど美しいものでしょうか。
何だか「人間ごときがお邪魔してすみません」と厳かな気持ちにもなります。

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南島を後にし、いまだ興奮冷めやらぬメンバーをよそに、ガイドの望月さんは船の操縦席から身を乗り出し大海原を見渡しています。

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「見つけた!用意してください!」

望月さんの目線の先には、イルカの群れが見えます。
慌ててフィンを装着し、合図とともにコバルトブルーの海にダイブ!
ほんの数メートル先を野生のイルカが悠然と泳いでいます。
一生懸命足をバタつかせてもなかなか追いつけません。

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その時、もたついている僕らの横をスーッと何者かが通過していきました。
それは望月さんのイルカ発見の知らせを受けてやってきた、他の船のガイドさんです。
イルカと戯れるその様は、まさに人魚!
あの人みたいに海を自由に泳げたら、人生観も変わってくるでしょうね。
後で聞いた話ですが、小笠原に移住した人が内地に戻ってしばらくすると、イルカと泳ぐ夢を見るそうです。
そのたびに「島が呼んでいる」と、海が恋しくなるのだとか。
今夜イルカの夢を見たら、島に帰ろーっと。

スペシャルな小笠原体験をしたい人は、竹ネイチャーアカデミーさんに相談してみてください。
経験豊富なネイチャーガイドさんが、きっと素敵な自然体験をプロデュースしてくれますよ!

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