鹿児島県の離島「屋久島」。世界自然遺産のひとつとしてこの名前を知る方も多いでしょう。アウトドアマン・ウーマンの憧れの地です。
年間約33万人の人が訪れ(2009年)、特に8月のお盆休みやゴールデンウイーク、シルバーウイークには多くの観光客で賑わいます。ここで、ふと、思いつきました。屋久島は南の島。気象庁のデータによると年間平均気温は19.4度で、東京の15.4度よりも高く、2014年には11月でも気温25.1度を記録した日もありました。12月でもTシャツ一枚で過ごせる日もあります。それならば、混雑するシーズンをさけて訪れるのもいい手ではないでしょうか。
屋久島でできる遊びはたくさんあります。トレッキングをはじめ、リバーカヤック、シーカヤック、ダイビング、シュノーケル、シャワークライミング、フィッシング、などなど。いずれも大自然ならではのビッグスケールで、感動まちがいなし。温暖な屋久島ではシャワークライミング以外なら秋や冬でも充分に楽しめます。ここで、屋久島の魅力的なスポットをいくつか挙げてみましょう。
太鼓岩は外せない!
屋久島へはトレッキング目的で訪れる人が多く、そのほとんどが「縄文杉」を目指します。樹齢7200年とも3000年とも言われている巨木に会いに、往復10時間以上かけて歩くコースですが、屋久島は「縄文杉」以外にも魅力的なトレッキングコースがたくさんあるのです。そのひとつが「白谷雲水峡」。登山道脇の木の幹や岩にはびっしりと苔が生え、濃密な森で深呼吸すれば体の隅々まで浄化される気がします。野生のヤクシカに出会う確立もほぼ100パーセント。おだやかな気分で登山道を歩くこと2時間30分、コースのクライマックス「太鼓岩」へ到着します。大きな一枚岩がせり出し、ここから眺める景色が迫力満点でとにかくすごい。眼下には一面の緑が広がり、見上げれば島の最高峰、宮之浦岳の勇ましい姿を望みます。この絶景は屋久島でしか見られません。イチオシです。
安房川をのんびり下る!
山の次は川遊びもよいですよ。カヤック(カヌーとも呼びます)に乗り、屋久島でいちばん大きな「安房川」をのんびりと下るプランがオススメです。屋久島にはガイド会社がたくさんあり、手ぶらで参加OK。道具はすべて貸してもらえるうえ、カヤックに乗ったことがない初心者でも最初にレクチャーがあるので全く問題ありません。川は海のように波がないので簡単に操縦できます。途中、河原に上陸し、おいしいランチとあたたかい飲み物をご馳走していただける一日コースが人気。シーズンオフだからこそ、川をまるまる貸しきり状態にできるのが嬉しいです。
温泉パラダイス!
屋久島には個性的な温泉がたくさんあります。干潮時にしか入れない混浴の「平内海中温泉」はワイルド感たっぷりで有名な観光スポット。個人的には、大海原を眺めながら入る露天風呂の「湯泊温泉」がいちばんのお気に入りです。また、島の人々の社交場にもなっている「尾之間温泉」は、旅行者でありながら島民になった気分を楽しめるほか、20℃の源泉を薪で沸かす「ゆのこの湯」は、1グループごとの貸切でゆっくり入れる五右衛門風呂。日程に余裕があれば、レンタカーを借りて島内湯めぐり、なんてのもいいですね。
いかがでしょう?私が屋久島へ訪れたときの印象は、ズバリ、「縮図」でした。険しい山があり、森は苔むし、巨木が多い。また、滝は大きく、澄んだ川がいくつも流れている。自然のあらゆる景色をぎゅっと濃縮した島のように思いました。シーズンオフで静けさを取り戻した屋久島で、自然の息吹を感じてください。ただし、山間部は真冬になると積雪があるので登山をする場合は事前に確認を。
まだまだ、紹介したい場所がたくさんあるのですが、それはまたの機会に。
Nature Service 推進パートナーの「屋久島パーソナルエコツアー」さんのWebサイトもご覧ください。
NATURES. 編集部 キュレーター
アウトドア系フリーライター。山と温泉と焚き火とご当地グルメをこよなく愛しています。5年ほど前から野菜づくりに目覚めました。田舎暮らしを夢見て、現在、情報収集中