日本は未曽有の少子高齢化時代に突入しました。子供が減り、公園で元気に遊んでいるのはご老人ばかり。もちろんお年寄りが元気なのは良いことですが、未来を担う子供たちの喜ぶ声をもっと聴きたい。もっと笑顔を見たい。そんな希望を叶えてくれるイベントが北海道・当別町にあります!
地域と世代を超えて楽しめる“あそ雪広場”
それは毎年2月中旬に開催される「当別町 あそ雪広場」です。「アナ雪」のパロディではないですよ。すでに36回を数える伝統あるイベントです。大きな滑り台が設置され、雪上車や馬そりの乗車ができるなど、家族全員で遊べるイベントがもりだくさんなのです。
あそ雪広場のテーマは『親と子のふれあいを求めて』と『町外からの誘客』です。いろんな場所に住む人たちが、世代を超えて楽しもうという趣旨があります。これってとても大切なことですよね。
力強さが伝わるシャンシャン馬そり
会場に着くと、シャンシャン馬そりが力強く歩いている姿が目に飛び込んできました。鈴をつけた馬が「シャンシャン」と音を鳴らして進むことから、その名が付いたといいます。重いソリを引いて走る「ばんえい競馬」で使われる“ばん馬”が活躍しています。さっそく乗車してみました。
一瞬後ろに引っ張られる衝撃を受け、ゆっくりと、しかし重厚な足取りで進みます。もともとは農耕馬で、北海道開拓のために尽くしてくれた存在でした。子供と一緒に乗っている大人たちも大興奮。楽しいことに年齢は関係ありません。
大人たちが子供たちを喜ばせる
このイベントには地域の企業が沢山協力しています。大きなすべり台は建設協会の協力により完成。出店している店も地元を中心とし、子供でも買えるリーズナブルな価格に抑えています。さっそくエゾシカジンギスカンや、いも餅汁を購入。おいしくいただきました。
町内に駐屯地がある航空自衛隊は、雪上車の乗車体験を実施。公園内の深雪を蹴散らして走るので、大人にも子供にも大人気です。都会の企業がらみのイベントなら、結構な額を取られそうですが、シャンシャン馬そりも雪上車も全部無料なのです。
凍える夜を温かく彩る
夜が深まるにつれて人が多くなり、賑やかになってきました。ステージでは地元の大学生がYOSAKOIを披露してくれたり、タラバガニや毛ガニが当たる豪華ビンゴ大会も始まります。残念ながら何も当たりませんでしたが、十分楽しませてくれました。
最後は1500発もの花火大会です。町内の企業の協賛により、今年は例年の2倍も上がったのだとか。3部構成に分かれ、それぞれのテーマに沿って冬の夜空に大輪の花を咲かせ、美しさに大きな歓声が上がります。午後6時30分に一日目のイベントが終了。翌日は朝9時から午前中だけ2日目のイベントが開催されます。
お金の匂いがしない純粋なイベントです
あそ雪広場は来場者を楽しませようという純粋な気持ちが伝わる、お金の匂いを感じさせない気持ちの良いお祭りでした。素朴な雰囲気とワクワクする楽しさに溢れている「あそ雪広場」を楽しんでくださいね。
フリーライター&フォトグラファー
運動神経が鈍いためスポーツは苦手ながら、アクティブに動くのは大好きなマルチライター。「自然をリスペクトする」をポリシーとし、夏はキャンプやツーリング、冬はスノーバイクなど、誰でもできるレクリェーションをチープに楽しんでいます。