グランピングと聞けば、「ちょっと贅沢なキャンプのことね!」とわかる人も多いほどに、日本でもその名は広く知れ渡ったのではないでしょうか。さて、今回は、なぜ世界的にグランピングブームが起こったのか、そして2017年の動向はどういったものになるのか、という点をこちらの記事を元にご紹介しましょう。
グランピングブームを後押しした要因
かつては、休暇となれば海外へと旅立っていた人たちが、今では自宅に近い場所を旅行先として選択することが増えつつあるそうです。なぜでしょうか?それは、ここ10年ほどの間に、海外旅行者が不安を抱くような出来事が相次いで起こったからです。旅行代理店が破たんする規模の世界的な景気の落ち込み、世界各地の政情不安やテロの脅威、さらにはイギリスのEU離脱など、こういったさまざまな不安要素が海外旅行をためらわせる要因となりました。
「海外旅行を予約してもキャンセルになるのではないか?」「何かしらの損害を被るのではないか?」という不信感が生じ、さらには、ガソリン価格の高騰や目的地までの交通運賃の値上がりが、人々を”遠出”から遠ざけてしまったのです。
その代わりに、自宅や自宅周辺で休暇を楽しもうという風潮が出来上がり、それがグランピングを後押しすることになったようです。Family Break Finderが行った調査によると、調査回答者1400人のうち半数が、2017年は地元のキャンプサイトで過ごす予定であり、さらに約33%はグランピングに行きたいと回答しているそうで、「自宅周辺+グランピング」に興味を持っている様子が伺えます。
ブームの到来
日本におけるグランピングは、ここ1~2年の間にその名が広がったばかりですが、初めてグランピングという言葉が使われ始めたのはイギリスで、今から10年以上も前の2005年とされています。
にも関わらず、海外でのグランピングが2016年にブームとなったのは、著名人など、発言力のある人たちがグランピングを高く評価したことが影響しているそうです。あるキャンプサイトでは、ラグジュアリーなロッジの提供を開始したところ、前年比で8月度の集客が11%増となったところもあったほど、グランピング需要は高まっているとみられています。
グランピングの世界的な動向
グランピングは、世界的にもまだまだブームは続くとみられています。しかし、今後もグランピングが発展していくには、他にはない独自性が求められる可能性があります。以前、ボーイング767をグランピングサイトで活用する記事をご紹介したことがありましたが、こういった利用者がワクワクし、びっくりするようなグランピングサイトが今後も現れることが期待されているようです。
日本におけるグランピングブームはまだまだ始まったばかりです。日本でもブームが続けば、数年後には、海外で見られるような斬新なグランピングサイトが登場するかもしれませんね!今後の動向が気になるところです。
《参考URL》
Glamping Business: Why 2017 Is The Perfect Year To Start One|Inspired Camping
(意訳:菊地薫)
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。