コワーキングスペース等を利用した柔軟で多様な働き方に注目が集まる一方で、フレキシブルワーク(=柔軟な働き方)を中々受け入れられない企業もあります。欧米ではもはや当たり前のフレキシブルワーク。今回は「Like it or not, flexible workplaces are the future」を参考に、柔軟な働き方に対する需要の高まりと、企業が対応する必要性を考えてみましょう。

高まる需要と抗う人たち

さまざまな産業界において、フレキシブルワークに対する需要が高まりつつあります。フレキシブルワークとは、簡単に言ってしまえば「柔軟な働き方」のことで、勤務時間や勤務場所などをある程度自由に決められることを指します。

リモートワークもフレキシブルワークの1つとして考えられ、Upwork(米クラウドソーシングサービス会社)の Future Workforce Reportによると、米企業の6割以上が、リモートワーカーとして働くフルタイムの従業員を抱えているそうです。

しかし、リモートワークが当たり前のようになりつつあるアメリカでさえ、企業が柔軟な職場環境の構築に理解を示し実行に移しているのかというと、必ずしもそうではないようです。「フレキシブルワークは自分たちのビジネスには適切ではない」「リモートワークを導入すると社員のコントロールが難しくなる」そういった理由からフレキシブルワークを拒絶する企業幹部も多くいるのが現実です。

また、リモートワークの導入で従業員間のコミュニケーション不足や、協力体制の弱体化が生じることを心配する声もあります。ただし、デメリットばかりに注意を向けすぎると、フレキシブルワークから得られるプラスの効果を妨げ、さらには組織全体に不利益を与えかねないということも理解しておく必要があります。

導入のメリット・デメリット

たとえばアメリカでは、2027年までに労働者の大多数はフリーランスに移行するとみられています。それゆえ、フレキシブルな働き方に順応できない企業は、当然のごとく人材不足に悩むことになります。特にハイテク分野においては、高スキルな人ほどフレキシブルで自由な職場環境を求める傾向が強く、適応できない企業は優秀な人材を逃すリスクを負うことになります。

現在、ミレニアル世代の47%は、フリーランスの労働者としてフレキシブルワークをリードする世代となっています。さらに、Z世代が労働力の中心となるころには、さらなる柔軟な働き方が主流になるとみられています。若者や優秀な人材を惹きつけるには、多様な働き方を企業側も受け入れる必要があるということなのです。

そして、人材を逃すリスクに加え、企業は生産性の面でも不利になるということが指摘されています。より自由度の高い働き方ができると、従業員の生産性は上がることが多くの研究によって証明されており、Harvard Business Reviewが報告したある研究では、リモートワーカーの方が社内で仕事をする同僚よりも生産的であることがわかったとしています。

また、フレキシブルワーク慎重派の企業幹部たちが主張する、従業員間のコミュニケーション不足などの社内的な問題も、テクノロジーが解決してくれる部分が多々あります。たとえ社外にいようが、国外にいようが、リアルタイムでの会話、情報の共有、プロジェクトの進捗管理などは、現在さまざまなツールによって可能となっています。

世界中の大都市にコワーキングスペースを展開する「WeWork」を大手企業がこぞって利用し、これら企業が、社内外、国内外を問わずに柔軟な働き方を実現させていることから考えても、テクノロジーの進歩がフレキシブルワークを十分可能にしていると考えて良いのではないでしょうか。

若者や優秀な人材ほどフレキシブルな働き方を求める時代。このトレンドは今後さらに広がりを見せると考えられ、リモートワークの導入やコワーキングスペースの活用を企業側も積極的に考えなければいけない時代になるのかもしれませんね。

《参考URL》
Like it or not, flexible workplaces are the future|Tech HQ
Taylor Bragg
(意訳:菊地薫)

Natures.編集部より

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