照り付ける太陽に残暑の厳しさを感じつつも、吹く風のなかにどことなく秋の気配を感じるようになりました。新型コロナ関連のニュースが連日メディアで取り上げられるのが日常となりましたが、同時に、今年は感染回避の選択肢としてアウトドア関連のニュースも頻繁に見かけるようになりました。
近年の夏の暑さは少々厳しすぎるところもあり、暑さが和らいでからキャンプに行こうと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、こちらの記事を参考に「キャンプwithコロナ」をテーマとして、リスクの低減を図る過ごし方を考えてみたいと思います。
キャンプのリスク評価
キャンプに行く際に真っ先に決定するのは、”誰と行くか”という点になると思います。これについては、少ない人数で行くに越したことはなく、ソロキャンプ、もしくは同じ屋根の下で暮らす人と行くのがもっとも感染リスクを減らせます。
普段から寝食を共にする人と同じテントやキャンピングカーで過ごすリスクは、自宅で過ごすのと大差がないからです。ただし、家の外に出るという観点からは、感染リスクが上がることは必然です。
上記を前提条件としてキャンプに行くのであれば、キャンプの感染リスクは10段階中レベル3と評価(10が最大、1が最少)されています。これは、マスクなどの対策をした上でスーパーに買い物に行く、ゴルフをするといった活動と同程度となるようです。
自然の中にいると、感染対策よりもリフレッシュを優先しがちですが、対策が必須であることを常に念頭に置いて行動しましょう。
自身と他の人を守るために
さて、キャンプの感染リスクが比較的低いとはいえ、それでもゼロにはなりません。キャンプに行く際も、マスク、消毒液や石鹸などは必ず持参しましょう。
「3密」が回避しやすいとあって、今年のアウトドア熱は例年と比べ物にならないほどに高まっています。炊事場、トイレ、シャワーなどの施設は多くの人が利用しますし、時間帯によっては密状態となります。
自然の中にいるという開放感につられて油断せず、フィジカル・ディスタンシング(身体的距離)をしっかりと確保し、適宜マスクを着用ししっかりと手洗いを心がけてください。
また、記事の中では、コロナ禍でのキャンプの心得として避けて欲しいことが何点か挙げられていました。一つは、食べ物や飲み物のシェア。新型コロナの感染拡大とともに、家族の食卓であっても大皿から取り分けることを避けるようになった方もいらっしゃると思います。
これはキャンプにおいても同様です。皆で鉄板や鍋から直に食べ物をとってしまいたくなりますが、そこは我慢。自宅でもアウトドアにおいても気を緩めないようにしましょう。
また、キャンプファイヤーにまつわる注意事項としては、まず、キャンプファイヤーを実行するかどうかを、新型コロナの感染リスクと共に考えてください。キャンプファイヤーによって発生する煙は咳を誘発します。感染対策の観点からすると、咳を誘発するような行為は極力避けるべきでしょう。
仮にキャンプファイヤーをする場合は、なるべく乾燥した薪を使用する方が煙の発生を抑えることができます。また、人と人との距離を十分に取り、周囲の別グループに対しても距離を十分に確保できる状態を保ちましょう。ちなみに、火を囲んで皆で歌うといった行為は、現状では控えた方が良さそうです。
いつも以上に情報を収集し、計画を立てよう
キャンプ計画にはいつも以上に十分な時間をかけましょう。目的地の自治体やキャンプ場が、新型コロナ関連の運営ルールを設けている可能性が十分に考えられます。
入場人数や組数の制限、物品販売やテント・寝具の貸し出し停止、食材を地元で購入してからの来場を要請している場合もあります。時間をかけて運営ルールを確認し、キャンプに必要な物品、食材の調達などを計画的に行う必要があります。
また、これは今年に限ったことではありませんが、攻撃性の高い動物(クマやヘビ)などの目撃情報も事前に収集しておきましょう。野生動物が住む領域を自分たち人間が侵害しているという意識は常に持ち続ける必要があり、情報収集や対策を怠らないことも必要です。
野生動物に関連して付け加えますと、キャンプをした痕跡、特に食べ物の痕跡は絶対に残さないようにしましょうね。匂いにつられてやってきた動物と遭遇し、楽しいキャンプが惨事になってしまうことも起こり得ますので。
そして最後に。万全の準備をして、いざキャンプへ!と思った矢先に、体調が少しでもおかしいと感じた場合は中止しましょう。
ほんのわずかな体調の変化が新型コロナ感染の兆候だった時に、同行者だけでなく、キャンプを通して接触する可能性のある人たちを巻き込むかもしれません。たとえ出発当日であってもキャンセルする勇気は絶対に必要です。
感染症対策をしっかりしつつ、秋風とともにバーベキューや自然を楽しみ、自宅とはちょっと違う開放感をぜひ味わってくださいね!!
(参考)
Want to go camping? Follow these COVID-19 safety tips|Forrest Brown
From hair salons to gyms, experts rank 36 activities by coronavirus risk level|MLive
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。