本格的な夏を迎え、キャンプなど泊まりでアウトドアを楽しむ計画をしている方も多いのではないでしょうか。
今回は自然の中で星空を体感しようというテーマのもと、キャンプやペンションなどに泊まった際に普段の街中では見ることができないような素晴らしい星空を楽しむコツとオススメのアイテムを紹介していきます。
天文台の「星空ツアー」に参加!
先日私は福島県田村市滝根町の「星の村天文台」に行ってきました。
星空を楽しむためのコツやオススメアイテムなどのお話を聞いて参りましたので、共有したいと思います。
今回は夜間の天文台「星空ツアー」に参加してきました。
夜まで待ちきれず夕方に天文台周辺を散策したのですが、歩道橋の「天地人橋」からみる展望台はがっしりとした重厚な印象もありながらも空に浮かんでいるような、まさに天空の展望台といった風格です。RPGゲームや映画のような雰囲気で、すでにワクワクが止まりません。
当日の星空ツアーの参加者は家族連れが多く子供たちは皆大はしゃぎ。
ガイドの係員の方々もとても親切で、終始わいわいがやがやと和やかなムードでした。
地球と一体化して星空を体感
さっそくツアーの中で聞いた星空を楽しむコツのうち、特に「なるほど!」と感じたものを4つ紹介していきます。
「地球と一体化して」星空を観察
1つ目のコツは地球と一体化することです。
地面にシートを敷いて南に足を向けて寝ころび、空を見上げます。少なくとも10分以上続けることで目が慣れてきて星が見えやすくなります。この時、どこかに目印となるような基準を決めておくと夜空の星々が少しずつ東から西に動いているのがわかるようになります。
もちろんこれは地球の自転によるものですが、地面に寝ころび地球と一体化することで一層体で実感できます。
ガイドの係員さんが「地球と一体化」とおっしゃっていましたが、とてもすてきな表現だったので記事内でも使わせていただきました。
双眼鏡が大活躍
次にオススメのアイテムを紹介します。
星空を広く全体的に観測するには倍率6倍程度の双眼鏡が最適です。
私も借りて使わせていただきましたが、素晴らしかったです。一気に星が間近に感じられ空を「見る」というより「体感する」というような感覚でした。
ひとつの星を高い倍率で観測するには望遠鏡、空全体を見るなら双眼鏡ということなのだと分かりました。
ちなみに、ガイドの係員さんが使っていた双眼鏡のことについて聞きましたところ、メーカーはKowaで倍率は6倍、防水設計のもので価格は「1万円ちょっと」とのことでした。特に初心者が星空を見るには最適だそうです。
なるべく暗い場所で
3つ目のコツは場所の選択です。
街の光や道路の街灯が近いと夜空は明るくなってしまい星が見えづらくなります。なるべく人工の明かりが届かない街から離れた場所が適しています。キャンプ場や山小屋、天文台周辺などは最適です。
なるべく暗い時に
そして最後はタイミングを考慮する必要性についてです。
特に満月の光は思った以上に強く、上記の街の光ほどではありませんがやはり星が見えづらくなります。月明かりの少ない新月の夜は最適です。
また、満月であっても西の地平線に沈んでからは影響がないので星空を観測するには適しています。
月も太陽と同様に東から昇り西に沈みます。
例)2021年7月12日は
月の出(太陽でいう日の出)6時16分
月の入り(太陽でいう日の入り・日没)20時48分
このように月が沈んだ後は月明かりの影響はなくなります。
月の出・月の入りの時間は“今日のこよみ”でネット検索すると調べることができます。
以上、星空を楽しむコツを4つ紹介しましたが、キャンプなどの際にどれか1つでもぜひ試してみてくださいね。
私のオススメはやはり誰でも簡単にでき、星の動きが見えやすいので「地球と一体化」です。
天体望遠鏡で見る宇宙
天文台の天体望遠鏡では月のクレーターを見せていただきました。
一つ一つのくぼみが手に取るようにはっきりと見え、それらは直径数百kmに及ぶそうです。表面にはクレーターが多い部分と少ない部分があるのですが、これはもともと全体的にあったクレーターが火山活動によって流れ出した溶岩に覆われてなくなったと考えられているそうです。
私は月にも地球と同じように火山活動があることを初めて知りましたが、皆さんはご存じでしたでしょうか?
その他、別の望遠鏡で土星を見せていただきました。
時期が良かったようで土星の輪の傾きが一番かっこよく見えるタイミングでした。このあと30分~1時間くらい待てば、今度は木星が東の空に昇ってくるとのことでしたが、ツアーの終了時刻となり見ることはできませんでした。地球の自転や土星や木星の公転を感じることができ、確かに宇宙は動いているのだと実感できました。
天体望遠鏡「絆KIZUNA」について
星の村天文台の天体望遠鏡は福島県最大の口径650mmの反射式望遠鏡です。
集光率は肉眼の8600倍で、その性能は20km先のテニスボールやゴルフボールを観測できるレベル。
特殊なフィルターが搭載されており夜空の星だけでなく、太陽も観測可能で黒点やプロミネンスを見ることができます。
2011年3月11日東日本大震災により総重量5tを超えるこの天体望遠鏡は床を突き抜け破損。復旧には時間がかかると思われましたが、全国からの寄付金、再開を求める声、そして地元の方々の熱意により補助金が下り、1年半後に復活しました。その際に多く人の協力があったことにちなんで「絆KIZUNA」と名付けられたそうです。
まとめ
今回は天文台のツアーに参加しガイドの係員さんに聞いた星空を楽しむコツやオススメのアイテム、望遠鏡で見せていただいた宇宙のことなどを書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。簡単に内容を振り返ります。
星空を楽しむコツ4つ
- 「地球と一体化して」星空を観察する
→南に足を向けて寝ころび空を見上げる - 双眼鏡が大活躍
→倍率6倍程度の双眼鏡が最適 - なるべく暗い場所で
→人工の明かりが届かない街から離れた場所 - なるべく暗い時に
→月明かりの少ない新月の夜は最適
天体望遠鏡で見る宇宙
- 月のクレーターや土星を見て宇宙を実感
- 星の村天文台の天体望遠鏡「絆」について
実はここには書ききれませんでしたが、星座の話もたくさん聞きました。
星を線で結ぶことで星座になり、神話と関連するものも多く星座を作った古代の人たちの想像力はロマンティックなのだなと思いました。
これからキャンプなどの計画がありましたら夜はぜひ、家族や友人たちと星空を楽しむきっかけとして地球と一体化してみてはいかがでしょうか。体全体で星空を間近に体感できるかもしれません。
福島県内の除染作業に関わり福島の自然が好きになりました。趣味はクラシックギターとアロマで香りや灯りに癒されつつギターを弾いています。