静岡県の伊豆・河津町にある「わさび園かどや」を訪れました。100年以上もわさび栽培の歴史がある、わさび園かどや。水の管理を徹底し、1年半かけて丁寧に育てられているわさびは、この上ないおいしさです。

北海道出身の私は、わさび田で栽培されるわさびを見るのは初めて。本場のわさびを味わうなかで、食と自然環境の関わりについて改めて考えました。

今回は、わさび園かどやで本場のわさびを堪能したようすと、食と自然環境について考えた内容をお伝えします。

孤独のグルメで話題「伝説のわさび丼」

「天城越え」の歌で有名な伊豆・河津町。その天城山のふもとに、わさび園かどやがあります。あたり一面木々に囲まれ、マイナスイオンをたっぷり浴びながらお店を目指しました。

静岡県は、お茶やうなぎ、みかんなどが特産物ですが、わさびもそのひとつ。かどや園に着いたのは、13時頃でしたが、待っているお客さんがたくさんいました。

それもそのはず、ここわさび園かどやは「孤独のグルメSeason 3」(2013年)で話題となったのです。なかでも、わさび丼が有名。これまで孤独のグルメで紹介されたお店は、どこも行列ができると言われているそう。さらに、主人公の井之頭五郎さんが、はじめておかわりをした伝説のわさび丼として話題を呼びました。

待ち時間を経て、ついに伝説のわさび丼が食べられるときが。はじめに、わさびと鮫皮おろしが運ばれてきました。わさび園かどやでは、自分でわさびをすりおろすスタイル。「力を入れてすばやくゴリゴリすって。そうしないと、風味が落ちてしまうから。」と店員さんからレクチャーを受け、めいっぱいわさびをすることに集中します。

わさびと言えば、一般にチューブが主流ですよね。生のわさびをすりおろす機会がめったにないので、とても貴重な経験でした。

わさび園かどやのわさび丼は、どんぶりに白米とたっぷりのかつお節、薬味というシンプルなメニュー。このシンプルさが、わさびの香り・辛み・甘みを引き立てます。すったわさびをかつお節の上に乗せ、ひと口食べた瞬間、「これが本物のわさびの味か…!」と感動したのを忘れません。

伊豆・河津町に来た際は、あの井之頭五郎さんも絶賛したわさび園かどやで、本場のわさびを味わってみてはいかがでしょうか。

自然環境にやさしいわさび栽培

上記では、わさび園かどやでの絶品わさび丼のおいしさをお伝えしましたが、ここからわさび(わさび田)と自然環境とのつながりや、食と自然の関わりなどを考えていきます。

わさびは、「畳石式」や「地沢式」といった栽培方法によるわさび田で育ちます。わさび園かどやへ向かう途中、車からわさび田の景色が見られましたが、シャッターチャンスを逃してしまいました。

山に雨が降り、森が育ち地層深くに雨水が蓄えられます。こうして自然の力によって水を上から下へ流す仕組みを活かし、わさび田でわさびが栽培されるのです。

また、わさびは二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー、つまり自然の循環のなかで育ちます。肥料や農薬もほとんど使いません。

今や当たり前のように各家庭にあるわさびですが、わさび栽培はここまで環境負荷が低いとは知りませんでした。日々何気なく口にする食べ物が、どのようにして環境と関わり合っているのかを学ぶことが大切だと、わさび園かどやを訪れて改めて感じました。

わさび田には、豊かな生態系のつながりがある

わさび田は水深が浅いため、きれいな水が好きな水生動物が多くいます。しかし、なかにはわさびを食べてしまう虫もいますが、こうした害虫を捕食してくれる存在もいることでわさびが守られるのです。

さらに、わさび田で育った昆虫を食べるカエル。カエルを食べるヘビや鳥など、食物連鎖の基礎ができています。食う・食われるの関係。食物連鎖は、ときには残酷に思うかもしれません。しかし、生態系があるからこそ、自然界のつながりを保ってくれる大切な仕組みです。

今回は、わさびから自然とのつながりを考えましたが、食卓にならぶ料理から自然との関係について考えてみる。こんな風に、考えるきっかけは日常にたくさんありますよね。

わさび田は自然環境を守ってくれている

自然災害が起きやすい、急な斜面の山間地にあるわさび田。一方、わさび田は災害時にブレーキをかける役割もあるのです。水をたくさん蓄えられる構造から、山の水の流れをゆるめる働きがあります。こうした保水能力のおかげで、下流域を守る機能を発揮。

しかし、近年のような大きな土砂災害による被害はまぬがれません。自然と共存し、厳しい自然環境のなかで育つわさびから、食と自然の力強さ・尊さを学びました。

日本一のわさび産地静岡県・伊豆河津町で、本場のわさびの味を楽しみながら、食と自然について考えるきっかけをつくってみてはいかがでしょうか。

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