焚き火やバーベキューで使用する薪。木材を燃やすことで二酸化炭素を放出し、環境にやさしくないのでは?という疑問が出てきます。SDGsの目標のひとつである「つくる責任 つかう責任」。「カーボンニュートラル」の薪を使うことで、私たちもこの目標に貢献できるのでしょうか。

「カーボンニュートラル」ってなに?

イギリスでも日本でも「カーボンニュートラル」の薪が売られています。できるだけ環境に配慮して焚き火やバーベキューを楽しみたいところですが、まず「カーボンニュートラル」とはどういうことなのでしょうか。

「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素を排出すると同時に吸収していくことによって、全体の排出量を実質ゼロにしようとする考え方です。薪に絞って説明をすると、木の伐採と同時に植林をしていけば二酸化炭素を吸収し続けることができるので、排出量を増やさずに実質ゼロにできることになります。現在、木材は森林バイオマスと呼ばれ、燃料としての燃焼は「カーボンニュートラル」だと認められているようですが、いくつか注意点もあります。

まずは、薪を燃やすとすぐに二酸化炭素が発生しますが、新しく植えた木が同じ量の二酸化炭素を吸収するまでに成長するのに40年から100年かかると言われています。また、土壌にも二酸化炭素を貯蔵する力があり、それは樹木の地上部の最大2倍にもなるとのことですが、木を伐採することで土壌が高温にさらされると微生物の分解が速くなり、二酸化炭素を放出してしまうようです。

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再生可能燃料源としての木材

その一方で、高品質に加工された木材を燃料として使用することは、自然に崩壊した樹木を燃やす時よりも二酸化炭素排出量が少ないとも言われています。伐採と植林のサイクルを正しく行い、木材を国内配送に留めることで、森林バイオマスの燃焼は「カーボンニュートラル」と認めることができ、再生可能燃料であると言えそうです。

「カーボンニュートラル」であるということを正しく証明することは難しく、森林バイオマスに依存し、伐採が急速に進むことには不安も残ります。二酸化炭素放出実質ゼロを目指すのは簡単なことではありません。しかし昨今、エネルギー価格の高騰が続く中で、燃料源のひとつのオプションとして期待が高まります。「つかう責任」を持って製品を選んでみてはいかがでしょうか。

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(参照URL)
https://www.smithsonianmag.com/smart-news/epa-declares-burning-wood-carbon-neutral-180968880/
https://www.certainlywood.co.uk/blogs/news/wood-as-a-carbon-neutral-fuel-source-for-the-home

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