天気の良い暖かい日に外で過ごすと、気持ちがいいですよね。気分が天候の影響を受けるという経験は誰しもあるのではないかと思いますが、どのような関係があるかについては明らかになっていませんでした。米国のミシガン大学はこの点を研究し、どのような天候の日にどのくらい外で過ごすのが効果的なのかを明らかにしました。今回はミシガン大学の研究記事「Warm weather boosts mood, broadens the mind」を参考に、天候と気分と屋外との関係を紹介します。

暖かい快適な日×屋外で30分

「心理的にプラスの影響を受けたいなら、暖かく晴れた日に30分以上外で過ごしましょう」ミシガン大学の研究者たちはこう呼びかけています。

これはミシガン大学が行った研究から導き出された結果です。当たり前のように思えるかもしれませんが、これを実証するのは容易ではありませんでした。なぜなら、先進国で暮らす人々は平均して93%の時間を屋内で過ごしており、多くの人が天候の影響から切り離されて生活しているからです。

関連記事:外に出るのを止めると体に起こる怖いこと

ミシガン大学の心理学や社会心理学の研究者らが行った研究では、600人以上の参加者を集めて複数の調査を行いました。そのうちの一つでは、参加者を以下の3つに分けていくつかの観点から比較を行いました。

  1. 暖かく晴れた日に外に出るグループ
  2. 天気が良くない日に外に出るグループ
  3. 室内で過ごすグループ

その結果、暖かく晴れた日に外に出たグループは、他の2つのグループと比べて気分と記憶力が向上することがわかりました。また、気分を改善させるためには屋外で少なくとも30分間過ごす必要があることもわかりました。特に、冬から春になった時期に屋外で過ごすことの効果が顕著で、他の季節では天気の影響はそれほどではありませんでした。

この結果から、ミシガン大学の研究者らは、春の暖かい日に公園で散歩をするなど屋外で過ごすことを勧めています。また冬に暖かい場所へ旅行をすることも効果的だとしています。

関連記事:気持ちのいい春にぴったりの屋外アクティビティとその効果

暖かい快適な日×屋内

一方で、次のような発見もありました。天気が良い快適な日にも関わらず屋内で過ごすと、気分が低下し、認知スタイルが狭くなるというのです。認知スタイルとは、新しい情報を取り入れようとしたり創造的な思考をしようとしたりすることです。

良い天気にも関わらず屋内にいると退屈になってきたり、閉じ込められているようでイライラしたりするからではないかと研究者らは考えています。

関連記事:自然の中で過ごすことは重要!各国の調査研究をもとにその効果を紹介

まとめ

人間は季節や天候の変化とともに進化してきました。そのことから考えると、天候や季節が人間の行動に影響を与えるのは驚くべきことではないと研究者らは述べています。良い天気と暖かい気候の効果を外に出て実感してみてはいかがでしょうか。

(参考)
Warm weather boosts mood, broadens the mind

コメントを残す