世界には数百キロから数千キロにわたって森や田舎道などの自然の中を歩ける長距離自然歩道があるのをご存じですか。フランスとスペインを歩くカミーノという道は全長約800キロ、アメリカのアパラチア山脈に沿って歩く道は約3500キロです。

これらの道は「ロング・トレイル」と言われ、多くの人を魅了しています。今回は「8 Reasons to start long distance Hiking」と「7 WONDERFUL BENEFITS OF LONG DISTANCE WALKING」の記事を参考に、ロング・トレイルの魅力をご紹介します。

ロング・トレイルを歩くということ

「ロング・トレイル」には、厳密な定義はありません。そのため何キロ以上がロング・トレイルなのか、一日何キロ歩く必要があるのかといった決まりはありません。一般的には一日に20~30キロ以上を数日間かけて歩く場合が多く、全長50キロ以上程度の道が「ロング・トレイル」と呼ばれています。

歩くことが健康に良いとはいえ、一日に何十キロも歩くというのは考えただけでも大変そうです。でも、一度ロング・トレイルを歩くと、また歩きたいと感じ、再びロング・トレイルを目指す人も多くいるのです。一体なぜでしょうか。そこには「ロング・トレイル」でしか味わえない魅力がありました。

魅力1.平和と静けさを取り戻す

ロング・トレイルを歩くことで、平和と静けさを取り戻すことができます。

現代社会は、ものすごい速さで進んでいます。SNSを使って瞬時に連絡がとれたり、スクリーンを通して遠距離でもミーティングができたりするなど、仕事も日常も高速化しているのです。

でも、ロング・トレイルではそうはいきません。一歩一歩自分の足で進まなければ目的地に着くことはできません。永遠に続くかのように見える山や緑の中を歩き続け、ようやく目的地についても電子レンジも宅配サービスもない場所で食事作り。すべてのことに時間がかかります。そして、翌日もまたその翌日も同じことの繰り返しです。

このようなゆっくりとしたリズムの単調な日々が、高速化したペースをリセットし、思考を落ち着かせてくれます。そして、静けさと平和な気持ちへと導いてくれるのです。

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魅力2.本当に必要なものに気づく

ロング・トレイルを歩くと、何が本当に必要なのかに気づくことができます。

ロング・トレイルでは、荷物を最小限に抑える必要があります。重い荷物をもって一日何十キロもの道を何日も歩き続けることはできないからです。適切な靴、快適な眠りのために必要な寝袋、最低限の食事。本当に必要なものだけに焦点を当てて、絞り込まなければなりません。

この過程は、荷物を少なくするだけではなく、生活そのものもシンプルにしてくれます。自分の周りにどれほど役に立たないものがあるかを実感することができ、幸せになるためにそれほど多くの物は必要ないと気づかせてくれるからです。

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魅力3.新しい人々との出会い

ロング・トレイルを歩くことによって、人との出会いが生まれます。

長距離を何日間も歩き続けることには孤独なイメージがあるかもしれませんが、実際はそうではありません。数日間歩き続けるので、同じ方向に向かって歩いている人とは、休憩しているときや寝る場所などで会うことがあります。同じ道のりを歩いて、同じ経験をしている人たちとは、自然と仲間意識が生まれます。

ロング・トレイルを歩く人は、自然が好き、冒険心がある、シンプルな生き方を好むといった傾向の人が多いので、おのずと気が合い、新しい仲間を得ることができるのです。

また、ロング・トレイルでは、トレイル・エンジェルといってハイカーをもてなしてくれるボランティアがいるところもあります。トレイルの近くにある自宅に招いてお風呂やベッドを使わせてくれたり、食事を提供してくれたりするのです。そういった心優しい人たちと交流ができるのもロング・トレイルの魅力なのです。

(参考)
8 Reasons to start long distance Hiking
7 WONDERFUL BENEFITS OF LONG DISTANCE WALKING

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