「オーバーランディング」(Overlanding)というアウトドア・アクティビティを知っていますか?海外では注目度が高く、旅が好きで冒険心がある方にはとってもおすすめなアウトドアです。今回は、オーバーランディングの魅力や楽しみ方を紹介します!
オーバーランディングとは
「overland」には「陸路の」という意味があり、「overlanding」(オーバーランディング)は「陸路旅行」の意味合いで使われています。多くの場合、移動手段は車で、オフロード走行を楽しみながら長距離移動を伴います。目的地への到達よりも「旅」そのものを楽しむことがポイントで、経路やスケジュールは自由自在。「今日はどこを宿泊地にしようかな?」「この場所が気に入ったからもう一泊しよう!」など、何でも自分で決めていきます。自然を五感で感じながら日々を過ごし、旅をしながら多様な文化と触れ合うことも特徴のひとつです。
オーバーランディングの魅力
オーバーランディングの魅力はなんといっても、冒険心をくすぐられる点。森や山岳地帯、砂漠や密林など、他の人たちが行かないような場所を車で走り、一般的な旅行とはひと味違った体験ができます。都市部から離れ、自然と一体となることで得られるリフレッシュ感、森や星空を前にしたぜいたくな時間は、日常からの解放にも最適です。
また、観光地や人気スポットだけではなく、地元の文化や自然を深く体感できることも、人々を惹きつける要因となっているようです。
オーバーランディングを始めるには
オーバーランディングを自由に、そして安全に楽しむためには、車を含めた装備が最も重要です。基本的にはSUVやピックアップトラック、車高を上げた四輪駆動のキャンピングバンなどが適していますが、車の選び方は予定する旅行内容や予算にもよります。自分の車をオーバーランディング仕様にカスタマイズしたり、もしくは、レンタルしたりという選択肢があります。
オーバーランディングは車内で過ごす時間が長いため、寝床やキッチン設備などのライフラインが必要です。一般的には睡眠スペースとして車の屋根に取りつけ可能なルーフトップテントを用意し、料理や飲食はキャンプで使用する道具を持っていくことが多いです。基本的にはインフラ設備のない場所へ向かうため、予備の燃料・飲み水・食料、車のメンテナンスに必要な工具、救急セットなどの準備も必要です。
オーバーランディングの楽しみ方
さて、オーバーランディングでは、何をして楽しむのでしょうか?実は、楽しみ方は無限大です。オフロード走行のスリル、雄大な自然、人の気配を感じない空間など、街中や観光地では決して味わえない体験がそこにはあります。時には予想外の出来事に遭遇し、己の判断力や適応能力などのスキルアップを楽しみながら旅をする点も、オーバーランディングならではの楽しみ方と言えるでしょう。
また、「スロートラベル」という概念をオーバーランディングに取り入れている人もおり、ゆっくりと時間をかけて、量よりも質を重視した旅を楽しみます。ある目的地から次の目的地へ急ぐのではなく、旅先で遭遇する瞬間や体験をゆっくりと味わうことに楽しさを見いだすのです。
まとめ
日本では、まだまだ認知度の低い「オーバーランディング」ですが、これまでとはひと味違うアウトドア体験を求めている人の目には魅力的に映るのではないでしょうか。日本には活用されていない林道・廃道・酷道が数多く存在しており、そこには日本人の私たちでさえ知らない豊かな自然や壮大な景色があることと思います。そんな場所を、「オーバーランディング」というアクティビティで活用できる日が来たらすてきだなと思いませんか?!
(参考)
The Ultimate Guide to Overlanding: Tips, Tricks, and Destinations
What is Slow Travel? And How to Do It
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。