地球温暖化や海洋プラスチックなどの環境問題が懸念されるなか、木材やプラスチックに代わる素材として「竹」が注目されてきています。「竹」は地球に優しくサステナブルだと言われていますが、他の資材とどのような違いがあるのかをご存じでしょうか。

今回は「8 Benefits of Bamboo That Make It Great for Going Green」と「Truth or Trend: Is Bamboo Sustainable?」の記事を参考に、「竹」の特徴や利点を紹介します。

成長が速い

竹の特筆すべき性質の一つは、その成長の速さです。竹の種類によっては、一日で1メートル以上成長するものもあるほどです。杉やヒノキが木材として使えるようになるには30~60年かかりますが、竹は1~5年で完全に成長します。そのため、竹は他の木材と比べて継続的、安定的に入手できる持続可能な素材だと言えます。

土壌を傷めない

竹は環境に優しい植物でもあります。生命力が強いので農薬や化学肥料を使わなくてもぐんぐんと成長していきます。また、竹を伐採しても残っている根から再び自生するので、掘り返して植え替えをする必要もありません。化学肥料も使わず、地面を掘り返すこともないので地中にいる多様な微生物が守られ、土壌を良い状態に保つことができます。

さらに、竹の根は地中で繊維状のネットワークを形成しており、そのことが土壌を支えることにも役立っています。竹が栽培されている多くの地域では雨季になると豪雨やモンスーンに見舞われますが、竹の根が地中に張り巡らされていることで土砂崩れや浸食を最小限に抑えることができます。

強くてしなやか

竹の素材としての大きな利点の一つは、丈夫なことです。材料の強度を示す引張強度(上下から引っ張った時の強さ)が鋼よりも高く、東南アジアでは古くから足場や支柱、小屋や家を建てるなど建築資材としても使われています。

また、竹は軽く、しなやかに曲がるといった特性もあります。そのためさまざまな用途の製品に加工することができます。日本でも昔から竹製のかごやバッグ、家具などが作られてきましたが、最近では竹から取り出した繊維で作ったトイレットペーパーや包装紙、布なども作られるようになっています。竹の素材としての可能性は広がり続けています。

無駄がない

さまざまな場面で使うことのできる竹は、ゼロエミッション素材、つまり無駄のない素材としても注目されています。竹は、タケノコの時には食料に、成長すれば建築や日用品の資材として、使い終われば燃やして燃料として使うなど、すべての部分を余すことなく利用することができます。竹は、廃棄物が少ないという点でも環境に優しい素材なのです。

(参考)
8 Benefits of Bamboo That Make It Great for Going Green
Truth or Trend: Is Bamboo Sustainable?

コメントを残す