「ウェルネスツーリズム」という言葉を聞いたことがありますか。体と心を健やかにすることを目的とした旅のことで、世界で人気が高まっています。今回は「What Is Wellness Tourism? A Complete Guide to Taking a Health-Inspired Vacation」と「The Good, Bad, And Ugly Of The Billion Dollar Wellness Tourism Industry」の記事を参考に、「ウェルネスツーリズム」とは何か、その歴史や魅力を紹介します。

ウェルネスツーリズムとは

「ウェルネスツーリズム」の「ウェルネス=wellness」は、健康をより広い視点から捉えた概念です。ウェルネス運動の父とも呼ばれる米国のハルバート・ダン医師が提唱したもので、「身体的な健康、精神的な健康、そして社会的な健康が統合されている状態」のことです。ダン医師は「輝くように生き生きしている状態」とも述べていますが、このほうがイメージしやすいかもしれません。そのウェルネスを、旅行を通して実現しようとするのが「ウェルネスツーリズム」なのです。

ウェルネスツーリズムの歴史

ウェルネスツーリズムは最近のはやりかと思うかもしれませんが、そうではありません。実は、ウェルネスを求めた旅行自体は古くからあったのです。例えば、古代ローマにはさまざまな温度の風呂やプール、マッサージができる施設などが整った健康センターがありました。そこには心身ともにリフレッシュしたい旅行者たちが世界中から訪れていたのです。日本でも昔から旅の目的として温泉が選ばれていますよね。日本人にはウェルネスツーリズムの考えが古くから備わっているとも言えます。

ウェルネスツーリズムは、2000年代初頭のウェルネス・レボリューションとも言われる時期に注目されるようになりました。多くのストレスにさらされ生活習慣が不健康になりがちな現代社会で、人々は健康と幸福について考えるようになり、ウェルネスという総合的な考えに意識が向かうようになっていきました。そして、健康とは単に病気を治療したり予防したりすることで得られるものではなく、心身が調和した状態で健康的なライフスタイルを送ることが大切だと考えられるようになっていったのです。

その流れの中でウェルネスツーリズムは注目されるようになり、2013年から2015年の間でウェルネスツーリズム産業は14%も成長し、今後もますます成長すると予想されています。

ウェルネスツーリズムの魅力

これまでの旅行をちょっと振り返ってみてください。観光地や名所をあちこち巡って家に帰ってくると、「ああ、疲れた。休暇が必要だ」と思ったことはありませんか。心身を休ませるはずの旅行が、余計に自分を疲れさせてしまうのです。でも、ウェルネスツーリズムならそんなことはありません。スパやヨガ、森林浴や瞑想などでリラックスし心身がリフレッシュされ、休暇以上の充実感や満足感を得ることができます。それが、ウェルネスツーリズムの魅力なのです。

(参考)
What Is Wellness Tourism? A Complete Guide to Taking a Health-Inspired Vacation
The Good, Bad, And Ugly Of The Billion Dollar Wellness Tourism Industry

コメントを残す