気温が上がり、日も長くなり、待ちに待った春はもうすぐそこ。なのに、なぜか体がだるい、眠くてあくびが止まらないということはありませんか。もしかすると、それは夏バテならぬ「春バテ」かもしれません。春バテなんて聞いたことないと思うかもしれませんが、実は春の倦怠感で悩む人は多いのです。今回は「Wake Up & Stay Alert! The Best Ways to Combat Spring Fatigue」と「What helps to cure spring fatigue?」の記事を参考に、春バテが起こる仕組みと対処法を紹介します。

「春バテ」が起こる仕組み

春バテはあまり知られていないので、本人も周囲も気持ちの問題だと思いがちですが、そんなことはありません。春に倦怠感を感じるのには科学的な理由があります。春バテは、日照時間と関係しています。冬の間は日照時間が短いのでセロトニンの分泌が不足します。セロトニンはストレスを解消したり、気分を安定させたりする効果のあるホルモンです。セロトニンが減る一方で、睡眠ホルモンであるメラトニンは多く分泌されます。冬の間は、人間も冬眠中の動物のように受動的な生活を送るようになっているのです。

冬から春に向かって暖かくなり、日照時間が延びると、身体はそれに順応しようとします。でも、それは一晩でできることではありません。睡眠ホルモンであるメラトニンは多い状態なのに、日光を浴びることでセロトニンも多く分泌されるようになり体内のホルモンバランスが崩れてしまいます。このため日中眠くなったり、疲労感を感じたり、あるいは無気力になってしまうという症状が起こるのです。

春バテの対処にコーヒーは不向き

眠気や倦怠感にはコーヒーを飲めばいいのではと考える方もいるかと思いますが、それはあまりおすすめの方法ではありません。コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経を刺激してアドレナリンの分泌を促します。アドレナリンは興奮状態を生み出すホルモンなので、一時的に覚醒はしますが長続きはしません。また、アドレナリンには心拍数や血圧を上げる働きがあり、緊急事態に対処するときのような状態を作り出します。アドレナリンが切れると「もう一杯コーヒーが飲みたい!」となってしまいますが、それは身体を常に非常事態に対処する状態にしているのと同じことなので、決して健康的とは言えないのです。

春バテの対処法のポイント

では、どうすれば春バテを乗り越えることができるのでしょうか。ポイントは3つで、十分な睡眠と適度な運動、そしてバランスのとれた食事です。規則正しい生活をして睡眠時間を維持することで、体内のホルモンバランスが整います。また、運動をすることで血行が良くなると、酸素や栄養素が体に行き渡り健康状態が向上します。特に朝の時間帯の運動が効果的なので、出勤時にいつも降りる駅やバス停よりも一つか二つ前で降りて歩いてみるのがおすすめです。毎日30分程度の運動を取り入れるだけでも効果があります。

食事は季節の野菜や果物を取り入れたバランスのよい食事を心がけましょう。ビタミンやミネラル、良質なタンパク質を摂取することで、体の免疫力が高まりエネルギーも補給されます。十分な水分補給も忘れずに。これらのポイントを意識して生活することで、春バテを乗り越えて健康な体と心を保つことができます。

(参考)
Wake Up & Stay Alert! The Best Ways to Combat Spring Fatigue
What helps to cure spring fatigue?

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