アドベンチャーツーリズムとは「アクティビティ、自然、文化体験の三要素のうち、二つ以上で構成される旅行」(ATTAによる定義)です。スリルを求めるスカイダイビングから、楽しむことを目的とするハイキングまで、その形はさまざまですが、観光地を巡るかつての旅行とは一線を画しています。アドベンチャーツーリズム市場は世界で急速に成長しており、今後も拡大すると予想されています。今回は「Adventure Tourism Market Size And Forecast」と「Adventure Tourism: Next Trend in Travel Treasure」の記事を参考に、その市場規模と今後の展望を紹介します。

「アドベンチャーツーリズム」の定義や魅力、具体例などは、以下の記事で紹介しています。
人気急上昇の「アドベンチャーツーリズム」とは?その定義と背景
「アドベンチャーツーリズム」とはどんな旅?その種類と具体例
「アドベンチャーツーリズム」が旅行者と地域にもたらすメリット、デメリット

アドベンチャーツーリズムの市場規模と要因

アメリカの市場調査会社Grand View Researchによるとアドベンチャーツーリズムの世界の市場規模は、2021年には2821億米ドルで、その後の年間成長率は15.2%。この勢いで、2030年までに1兆ドル以上に達すると予測されています。

市場拡大の要因はさまざまありますが、主な要因はコロナ禍後の社会で人々が屋外体験型の旅行を求めるようになったこと、ソーシャル・メディアの影響により情報収集や旅行の手配などが簡単になったこと、低コスト航空会社の台頭やチケットのオンライン販売の普及により、旅行が以前よりも手軽になったことなどがあげられます。

それらに加えて、アドベンチャーツーリズムの特徴も経済に影響を与えています。アドベンチャーツーリズムは一般的な観光旅行と比べて旅行日数が長い傾向があり、それに伴う宿泊費や滞在費も増加します。また、多くの旅行者が冒険に必要なアウトドア用品に投資することも市場の拡大を後押しています。

アドベンチャーツーリズムの動向

新たな目的地と体験の開発

自然の美しさや文化的な豊かさを求める旅行者が増える中、新たなアドベンチャーツーリズムの目的地やプログラムが開発されています。日本でも2023年9月に北海道でアドベンチャートラベル・ワールドサミットが開催され、その推進や日本各地の魅力の発掘がすすめられています。今後はますます地域の特徴が生かされた冒険プログラムが増えていくと思われます。

持続可能な旅への関心

旅行者は自然体験を求める傾向に加えて、持続可能な旅行を重視するようになっています。自然環境を舞台とするアドベンチャーツーリズムは、自然保護や生態系への影響を最小限に抑えるための取り組みが行われており、また地元コミュニティと手を携えることで、地域の発展にも貢献しています。アドベンチャーツーリズムは持続可能で豊かな未来を築くための重要な役割を果たしていくと考えられます。

参加者層の拡大

アドベンチャーツーリズムに参加する人たちの層が広がっています。特定の年齢や背景にとらわれず、さまざまな旅行者が参加するようになっています。ミレニアル世代やZ世代と呼ばれる人々はエネルギッシュなアウトドア活動を好む傾向にあり、そのことがアドベンチャーツーリズムの成長をけん引しています。また、家族や一人旅の旅行者、高齢者もアドベンチャーツーリズムの楽しみ方に興味を持ち始め、すそ野が広がってきています。

(参考)
Adventure Tourism Market Size And Forecast
Adventure Tourism: Next Trend in Travel Treasure

コメントを残す