「マイクロツーリズム」を知っていますか。「マイクロ(Micro)」は「小さい」、「ツーリズム(Tourism)」は「観光」という意味で、「小さな範囲での観光」という考え方から生まれた言葉です。では、小さい観光とはどのようなものなのでしょうか。今回は「Understanding Micro-Tourism: A Comprehensive Guide」と「What is Micro-tourism? The Benefits and Contribution to the SDGs」の記事を参考に、「マイクロツーリズム」とは何か、その利点や課題を紹介します。
マイクロツーリズムとは
マイクロツーリズムとは、遠方の地域や国へ旅行するのではなく、近距離の場所で地域密着型の観光を楽しむ旅行スタイルのことです。マイクロツーリズムは、外出や遠出が規制されたコロナ禍で注目されるようになりました。近場で安全に楽しめる旅行というだけでなく、地元の文化や伝統に触れたり、地域の人々と交流したりして、身近な場所の魅力を再発見できるとして、コロナ禍後も広がりを見せています。

マイクロツーリズムの利点
かつての旅行は、遠くの有名な観光地へ大人数のツアーで行くといった「マスツーリズム(大量観光)」が一般的でしたが、それとは対照的に、マイクロツーリズムは近場を比較的少人数で楽しみます。そのため、環境に優しい旅行になります。移動距離が短いため飛行機や電車のエネルギー消費が抑えられ、観光客が分散することで混雑の軽減にもなります。また、地域と深く関わる観光スタイルなので有名スポットだけでなく、地元の小さなお店や飲食店の活性化にもつながります。

地元ならではの文化や歴史をじっくり楽しめるのもマイクロツーリズムの魅力です。例えば、伝統工芸のワークショップに参加したり、地元の人と一緒に郷土料理を作ったりすることで、より深い学びや体験ができます。また、マイクロツーリズムは自然を生かした旅行とも相性が良く、森林セラピー®や農業体験、地元の食材を使ったグルメツアーなどもあります。そのようなプランに参加することで環境に配慮しながら充実した時間を過ごすこともできます。
マイクロツーリズムとSDGs
マイクロツーリズムは、持続可能な開発目標(SDGs)ともつながっています。
・目標8(働きがいも、経済成長も)
→ 地域の経済を活性化させ、新たな雇用を生み出す。
・目標11(住み続けられるまちづくりを)
→ 観光を通じて地域コミュニティを盛り上げ、住民の生活向上に貢献する。
・目標13(気候変動に具体的な対策を)
→ 近場の旅行で移動距離を短くし、二酸化炭素の排出を減らす。
マイクロツーリズムの課題
マイクロツーリズムの普及には、いくつかの課題があります。まず、地域によっては交通の便が悪く、移動手段の整備が必要です。また、大都市の観光地に比べると知名度が低く、魅力が十分に伝わっていないという問題もあります。

今後、マイクロツーリズムをさらに広めるためには、デジタル技術の活用が鍵となります。例えば、スマートフォンで簡単に予約できるシステムや、VRを使った観光案内を導入することで、旅行者の利便性を向上させることができます。また、環境に優しい観光プランを開発し、サステナブルな観光を推進することも重要です。こうした取り組みをすることによって、マイクロツーリズムは今後さらに発展していくと考えられます。
まとめ
マイクロツーリズムは、地域社会と旅行者の両方にメリットをもたらす持続可能な旅行スタイルです。地域の文化や自然を大切にしながら、身近な場所の魅力を再発見する旅に出てみてはいかがでしょうか。
(参考)
Understanding Micro-Tourism: A Comprehensive Guide
What is Micro-tourism? The Benefits and Contribution to the SDGs

旅行と自然が大好きで、ふらっと国内外の旅に出かけます。田舎、都会、海外、どこでもたくましく過ごせるのが特技。美しい自然や人との出会いを求めて「次はどこへ?」と心が騒ぐ、旅心と好奇心が止まらない50代です。