誰でも一度は雪だるまを作ったことがあるのではないでしょうか。でも、その歴史について考えたことはありますか。実は、雪だるまには意外と古い歴史があるんです。今回は「The History of the Snowman」と「A Brief History of the Snowman」の記事を参考に、雪だるまの歴史を紹介します。
最古の雪だるまの記録
最初の雪だるまはいつ作られたのか、その正確な日付はわかりませんが、『雪だるまの歴史』の著者であるボブ・エクスタインによると、最も古い記録は1380年にまでさかのぼります。宗教的な祈祷書である『時祷書(じとうしょ、Book of Hours)』の中に、火のそばで溶ける小さな雪だるまのイラストが描かれているのです。当時の雪だるまは今のような可愛らしいイメージとは違い、暗いイメージで社会的・政治的なメッセージが込められていたと考えられています。

雪だるまが象徴的な存在となった歴史的な出来事があります。それは、1511年にベルギーのブリュッセルを襲った大寒波です。6週間にわたる寒波に人々は苦しみ、「死の冬」と呼ばれました。この時、地方政府が市民を元気づけるために雪だるま祭りを開催しました。市民は政治家を風刺した雪だるまを作るなどして、市内各地に合計110基の雪像が立てられました。
ルネサンス期の雪だるま:芸術の一部として
ルネサンス期には、雪だるまが娯楽にとどまらず、芸術作品としても扱われました。特に有名なのは、ミケランジェロがフィレンツェで制作したとされる雪だるまです。16世紀初頭、メディチ家のピエロ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチが、若きミケランジェロに「美しい雪だるまを作ってほしい」と依頼したという記録が残っています。詳細なスケッチや証拠は残っていませんが、雪が芸術文化の素材の一つとして使われていたことを示す興味深いエピソードです。

19世紀:雪だるまのブームとクリスマス文化
19世紀に入ると、雪だるまはより身近な存在となり、多くの人々に楽しまれるようになりました。その大きな要因の一つが、1870年代に登場したイラストやクリスマスカードです。この時期、雪だるまはクリスマスの象徴の一つとして扱われ始め、ヴィクトリア朝時代のイギリスでは、クリスマスカードに雪だるまが頻繁に描かれるようになりました。こうしたイメージの定着により、雪だるまは冬の風物詩として確立されていきます。

また、子どもたちが雪で遊ぶ光景が絵画や挿絵に描かれるようになり、雪だるまは冬の楽しみの代表的な存在となりました。この頃から、現在の私たちが親しんでいる丸い体と帽子をかぶった愛らしい雪だるまのイメージが確立されていったのです。
20世紀:メディアとポップカルチャー
20世紀に入ると、雪だるまはさらに広く親しまれるようになりました。特に1950年に発表された「フロスティ・ザ・スノーマン」というキャラクターが大ヒットしました。テレビアニメ化され、雪だるまは物語の主人公へと進化しました。

まとめ
私たちが何気なく作る雪だるまも、実は長い歴史の中でさまざまな意味を持ち、時代とともに形を変えてきました。今度雪が降ったら、歴史に思いをはせながら雪だるまを作ってみてはいかがでしょうか。
(参考)
The History of the Snowman
A Brief History of the Snowman

旅行と自然が大好きで、ふらっと国内外の旅に出かけます。田舎、都会、海外、どこでもたくましく過ごせるのが特技。美しい自然や人との出会いを求めて「次はどこへ?」と心が騒ぐ、旅心と好奇心が止まらない50代です。